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時々質問されるもののひとつに
『妊娠してから、ずーっと左を向いて寝ているのですが
そうしないといけませんか?』というものがあります
ネットとかで左向きに寝たほうがいいって書いてあったから…
というお答えが多いのですが
果たして何故そう言われているのか、理由までご存じでしょうか
まず、左に向いて寝続けるというのは、困難です
おなかが大きくなってくれば、寝返りで目が覚めるということもあるでしょうが
妊娠初期から中期にかけて、左向きに寝ていたとしても
知らない間に仰向けになっていたり、右向きになっていたりするはずです
ですから、『楽なように寝てください』
臨月まで仰向けが一番楽という方もいます
陣痛が始まっても、仰向けに寝ている方もいます
それはそれで問題はありません
ですが、左向きに寝たほうがいいと言われる根拠もあるんです
子宮の後ろには、太い血管が走っています
腹部大動脈・下大静脈と言われる血管です
仰向けで寝ることで、その血管が子宮で圧迫されることがあります
圧迫されると、血のめぐりが悪くなり
血圧が下がったり、苦しくなったりすることがあります
そこで、血管を圧迫させないために、横向きで寝たほうが良いという場合もあります
さらに、右向きではなく左向きと言われる根拠としては
動脈と静脈は左右に並んでいて、大動脈が左、大静脈が右にあります
血管の構造として、静脈のほうが圧迫されやすく
大静脈が圧迫されると、心臓に戻る血液が少なくなります
心臓に戻った血液が、肺に流れて酸素と二酸化炭素の交換を行います
ですから、大静脈が圧迫されないように、左向きというわけです
仰向けで寝るのがしんどい方は、少し上体を起こすか、左向きで寝た方が
血液のめぐりが良くなり、母子ともに楽に過ごせます
ですが、必ずしも全ての妊婦さんに必要というわけではありません