なをべーです.

12月19日18時より,第10回公開講演会を開催しました.

ポスター

理学研究科準教授の寺田健太郎先生をお招きし,
「月の石から分かること」というタイトルでご講演をいただきました.

sennsei


最も身近な存在である月.
しかしその実態は多くの謎に包まれています.

寺田先生は,日本ではウサギに見立てられる
月の黒っぽい部分が,定説を4億年以上さかのぼる
43・5億年前であったことを証明し,
イギリスの科学雑誌natureに掲載されました.

ご講演には,一般の方,学生さんを合わせて80名近い方が
足を運んで下さいました.

正面

後ろ

まず,月とはどんなものか,という導入で,
木星の衛星などと比べて,惑星に対する衛星の大きさの比でみると
とても大きな衛星であることをお話しいただきました.

月が地球と一緒に存在してきたことで
地球の地軸が安定してきたことです.
もし月がなかったら地球の自転はもっと不安定になり
地球は,環境が劇的に変化する別世界になっていたようです.

↓月から撮影した地球が昇るところ.
「日の出」ではなく,「地球の出(Earth Rise)」です.

月

寺田先生が,10年の間,苦楽を共にしてきた愛機が
世界に10台しか存在しない年代測定器
SHRIMP:Sensitive High Resolution Ion Micro Probe
です.

シュリンプ

SHRIMPの特徴は,超精密な分析精度にあります.
月の鉱物に直接ビームを当てミクロの単位で情報を取り出すことで,
これまで大ざっぱにしか把握されていなかった
成分の1つ1つを解析することができるようになりました.

それが,月の黒い部分の年齢の測定する
決定的な武器となりました.

ご講演の後は,博物館に会場を移し
ギャラリートークです.

ギャラリー

博物館のパネルを用いた解説のあと,
参加者のみなさまに,実際に月の石や砂を
見ていただきました.

高地

砂

こちらは,実際に実験に使われた月の砂です.
顕微鏡をのぞいてみましょう.

実験

ガラス玉のような砂もあります.
こんなにきれいに見えると感動ですね.
ガラス玉に見える穴は,実験で当てたビームの跡です.

ガラス玉

ギャラリートークに訪れたみなさんも大興奮でした.
大興奮

顕微鏡

寺田先生,本当にありがとうございました!