四川大地震2008 Ⅱ【前半】被害 世界遺産、文化財 地震…
中国国外の反応
各国政府・組織
倒壊した建物(都江堰市)
国際オリンピック委員会:ジャック・ロゲ会長は、哀悼の意を表明している。胡錦濤国家主席に対しては、「この困難な時期にはオリンピックがあなた達の味方になります。私達はあなた達に配慮を行います」と述べているまた、オリンピック委員会は災害救援として100万ドルの支援を行うことを決定した。
国際連合:国際連合人道問題調整事務所のElizabeth Byrsはジュネーブで行われた記者会見で、必要ならば国連災害評価調整チームを中国に派遣する準備ができていると述べた。
ヨーロッパ連合:EUは中国に対し地震への支援を申し出ており、状況の確認を行っている。
オーストラリア:スティーブン・スミス外相は哀悼の意を表明するとともに、行方不明者の捜索と救助の専門家の派遣を申し出た。
カナダ:マキシム・ベルニエ外相は、「私達は数千人が犠牲となり、数百人の子供が倒壊した学校の中に閉じ込められていることに深い悲しみを覚える」と述べた。
フランス:ニコラ・サルコジ大統領は胡錦濤国家主席に宛てた書簡の中で「私は強く心を痛めており、困難な時期にある中国の人々にフランスの支援を行いたい」と述べた。
ドイツ:アンゲラ・メルケル首相は哀悼の意を表明するとともに、速やかな支援を行う用意があると述べた。
イラン:イラン外務省のスポークスマンであるムハンマド・アリ・ホセイニは「イラン政府と同様に悼みの意を表明するとともに中国政府と犠牲者の家族への見舞いを述べ、負傷者の一日も早い回復を祈る」と語った。
日本:福田康夫首相(当時)は胡錦濤国家主席と温家宝国務院総理に対して見舞いのメッセージを伝えるとともに、5億円分の支援を行うことを決定した。また、東京消防庁の消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)を含めた国際消防救助隊などで編成される国際緊急援助隊救助チーム、医師や看護士で編成される国際緊急援助隊医療チームなども派遣された。
ケニア:ムワイ・キバキ大統領は災害を悲しんでいると述べた。「政府とケニア国民を代表して、地震によって悲惨な人命の損失を受けた中国の人々に対し、哀悼と励ましのメッセージを送付した」と述べた。
マレーシア:マレーシア外務省は南西部で発生した破壊的な地震で亡くなった人々に対し深い悲しみを表明した。5月15日現在で、地震の揺れを感じた地域では死傷者は出ていないと発表している。
ニュージーランド:マイケル・カレン副首相は中国に対してニュージーランドとして同情と哀悼の意を伝え、要請があれば適切な手段で支援を行う用意ができていると述べた。
朝鮮民主主義人民共和国:金正日総書記は中国共産党と中国政府に深い同情の意を表明し、中国の犠牲者の家族に哀悼の意を伝えた。また、10万ドル(約1000万円)の支援をした。また、北京時間5月19日午後2時28分、中国と同時に震災犠牲者に捧げる哀悼のクラクションやサイレンを鳴らした。
パキスタン:パルヴェーズ・ムシャラフ大統領は中国に対して哀悼の意を伝え、偉大な中国の人々を支え、パキスタンの全面的な支援と連帯を保証すると述べ、5月25日には同国の軍用テントの全備蓄量にあたる2万2260張りのテントを寄付した。
フィリピン:グロリア・アロヨ大統領は地震の被害を受けた中国に医療チームの展開を指示した。
ロシア:ドミトリー・メドヴェージェフ大統領は慰めのメッセージを送付し、ロシアは必要であれば支援を行う用意があると述べた。
シンガポール:リー・シェンロン首相は救援チームと被害の回復を支援する人々を派遣する指示を行った。
大韓民国:李明博大統領は胡錦濤国家主席に対し、哀悼の電報を出した。また、100万ドルの支援を行うと発表した。
イギリス:デイヴィッド・ミリバンド外相はイギリスからの支援を申し出るとともに、中国への哀悼の意を表明した。
アメリカ合衆国:ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)は中国に哀悼の意を表し、「アメリカ国民の思いと祈りは中国の人々と直接ともにある。アメリカ合衆国はできる限り支援を行う用意がある」と述べた。ホワイトハウス報道官のダナ・ペリノは中国がいまだ支援を求めていないことについて、「私達が国としてできることは支援と祈りを奉げることです」と述べた。5月13日にはブッシュ大統領が胡錦濤国家主席と電話で地震等の議題について会談を行った。
サウジアラビア:震災発生直後、すぐに5000万ドル(約53億3000万円)の義捐金、1000万ドル(約10億7000万円)相当の支援物資を申し出た。
モザンビーク: 国民1人当たりのGNPが80ドル(約8500円)にも満たない貧困国にも関わらず、4万元(約60万円)の支援を行った。
ペルー:中国政府が5月19〜21日に実施した「全国哀悼デー」に合わせて、全国追悼を行った。
トンガ:同様に、全国追悼を行った。
バングラデシュ:同様に、全国追悼を行った。
コモロ:同様に、全国追悼を行った。
カーボベルデ :同様に、全国追悼を行った。
自衛隊派遣
日本政府が追加支援物資を送る際に中国側より「航空自衛隊機による輸送でも構わない」との連絡があり、政府も前向きに検討した。しかし中国国内で「援助には感謝するが、日本軍(自衛隊)の飛行機が入るのは困る」などといった否定的世論や、「地震よりひどいニュース」[82]といった批判などが中国国内に表れ始めたため、自衛隊機による輸送は見送られ民間チャーター便で支援物資が輸送された。
台湾企業
中台関係を改善しようとする馬英九では台湾の大陸に対する人道支援で親交が深まった。芸能界では、日本でも人気がある男性歌手、周杰倫と、女性歌手の蔡依林など台湾を代表する歌手らが名を連ねた。独立志向の陳水扁も人道支援に踏み切った。台湾からの義援金はずば抜けて多かった。国務院台湾事務弁公室の陳雲林は「台湾各界は同胞の骨肉の情から義援金や物資を寄せ、国民党は直ちに共産党中央に見舞いを送った。被災地を代表して心から感謝する」と表明。「呉伯雄の大陸訪問は台湾海峡両岸関係の平和的発展を促す」と述べた。[要出典]
芸能人・有名人
歌手のalanがチャリティーソングの「幸せの鐘」を配信し、売上409万円を全額赤十字に寄付した。[要出典]
シャロン・ストーンの発言
2008年5月25日、アメリカ人女優のシャロン・ストーンは、第61回カンヌ国際映画祭において香港のテレビ局の取材に対し次のように発言した。
“ | 中国のチベット人に対する態度、他者に対し思いやりを持てない中国の対応に憂慮しています。地震が起きたとき、これはカルマかもしれない、って思いました。なにかよくないことをしたとき、悪いことが起きたっていうことあるでしょ?私は、チベット政府から、四川大地震の犠牲者に支援を求める手紙をもらったの。彼らは中国の助けになりたいって思っているの。涙が止まらなかった。たとえ誰かが不親切であったとしても、人のために尽くさなければならないこと、常に謙虚に学ばなければならないことを教えられました[84]。[85] | ” |
この発言により、香港及び中国国内で非難が噴出し、台湾人女優の伊能静は「中国人は彼女に抗議しなければならない」、香港人の俳優のサモ・ハン・キンポーは「Sストーンにビンタくらわせたい!」などと激怒し、チャン・ツィイーや張曼玉ら中華圏を代表する女優も非難した。インターネット上ではストーンの出演映画や中国向けの広告塔を務めているクリスチャン・ディオールの不買運動呼びかけの書き込みがなされた。ストーンは29日に謝罪声明を出したが、ディオールは中国向けの広告中止を決定した。
ストーンは出演映画や広告のイメージキャラクターを降板し、損失額が5600万ドル(約59億円)となった。
さらに香港の人気美少女モデルのジャニス・マンは「“報い”かどうかではなく、天災は誰もが避けられないもの。キリストが与えた懲罰と思う」と発言している。[要出典]
一般市民
地震発生直後から各国で、支援団体による義捐金募集や、民間団体の街頭募金などが行われている。[要出典]
日本の国際緊急援助隊の派遣
福田首相は12日、四川省の大地震を受けてお見舞いのメッセージを送った。その中で日本政府としてできるだけの支援を行う用意があることも表明した。しかし13日夜、中国政府は「要員の派遣は当面必要ない」と正式に連絡してきた。また日本の民間団体も支援に乗り出そうとしたものの、中国の駐大阪総領事館に「外国からの支援は受け付けていない」とはねつけられる一幕もあった。その後、生存率が極端に低下する地震発生から72時間経過後の15日、日本政府が派遣する救援チームを受け入れることを中国は発表した。ここではこの国際緊急援助チームの活動について記載する。
- 国際緊急援助隊の救助チーム第1陣30人が16日、中国四川省青川県の被災地で救助活動を始めた。
- 5月18日 - 日本の緊急援助隊は中国人民解放軍に煙たがられているとの報道。
- 北川の中学校と市街地で14遺体収容。
- 5月19日 - 発生から1週間が経ち生存者救出の可能性も低くなった事から、救助チームの引き上げ検討を開始。
- 5月20日 - 国際緊急援助隊の医療チームが四川省入り。
- 5月21日 - 救助チームが帰国。
- 5月22日 - 医療チーム、成都市の四川大学華西病院で活動開始。
- 6月2日 - 医療チームが日本に帰国。
これらの活動に対し、日本大使館に市民からの感謝の意思が多く寄せられたり、新聞やウェブサイトには日本の援助隊を高く評価する記事が掲載されるなどして、中国国内での世論も反日ムードが一転して、比較的に好印象なイメージをあたえたと報道されているが、中国ネット内BBSの「最も忘れてはならない9か国」には挙げられなかった。
7月8日、北海道で行われている洞爺湖サミットのため来日した胡錦濤主席は、救援隊の代表に会い「中国国民を代表して、日本政府と日本国民に心から感謝します。また、中国国民は永久にこの事を心に刻み続けるでしょう」とスピーチした。
脚注