自己愛性パーソナリティ障害
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自己愛性パーソナリティ障害 | |
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分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 |
精神医学 |
ICD-10 | F60.8 |
ICD-9-CM | 301.81 |
MedlinePlus | 000934 |
MeSH | D010554 |
パーソナリティ障害 |
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A群(奇異型) |
B群(劇場型) |
C群(不安型) |
特定不能 |
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自己愛性パーソナリティ障害(じこあいせいパーソナリティしょうがい、英: Narcissistic personality disorder ; NPD)とは、ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害の一類型である[1]。
目次
歴史
極端なうぬぼれと自己中心性を表現するためにナルシシズムという言葉を使用するのは、現代の医学分類である自己愛性パーソナリティ障害の遥か以前に遡る。ギリシア神話の人物であるナルキッソスという青年は美しい容貌を備えていたが、彼に恋をした精霊のエコーに冷淡にふるまったことで女神ネメシスの怒りを買ってしまった。自分の姿に恋焦がれるという罰を受けたナルキッソスは、泉に映る自分に見惚れたまま痩せ衰えて死んでしまった。彼亡きあとの水辺には、一輪のスイセン(英: Narcissus)の花が残っていた[2]。
ナルシシズム(自己愛)という言葉の起源は、1895年にハヴロック・エリスが自己没頭的な患者を報告する際にナルキッソスの物語を引用したのが始まりとされる。1899年にはポール・ネッケが性倒錯を定義する言葉としてナルシシズムという語を用い、1909年にはジークムント・フロイトが対象愛の前段階という、より広い心理状態を指す語としてナルシシズムという言葉を用いた。
1933年にはヴィルヘルム・ライヒがはじめて誇大的な人物像である男根期的自己愛性格を人格の病理として記載し[3]、1946年にはオットー・フェニケルが自己愛人格あるいはドンファン性格として記載した[4]。1953年にアニー・ライヒは、極端な2つの自己像に分かれ、現実的な自己像を持たない自己愛患者について報告した[5]。1967年オットー・カーンバーグによる自己愛性人格構造[6]、1968年ハインツ・コフートによる自己愛性パーソナリティ障害[7]の提唱により、誇大的な自己像を抱え社会生活に支障をきたす一群の疾患単位が提唱された。1980年に発表されたDSM-IIIによって自己愛性パーソナリティ障害概念が定義され、DSM-5へと引き継がれ現在に至っている。