日本の文化 Ⅲ【内上】現代 総括

 

日本文化論

日本文化、あるいは日本人を特徴づけると考えられる概念を中心にした日本文化論・日本人論も多く提唱されている(日本人論の項目を参照)。

日本人の気質と主張されるもの

日本でも個人が自己の利益を図り、利益の対立する他者と競合するのは当然であるものの、一応表向きは、自己主張を抑える奥ゆかしさが美徳とされるので、そのような価値観の比較的薄い社会の人間と比べた場合、その表向きの建前を崩さずに、時には逆に利用して相手を出し抜いて自分の利益を達成することが多くなりがちといわれることが多い。これは他の『○○文化論』同様、ひとつのナラティブであるという異論も強い。真偽は別にして、具体的には以下に挙げたようなものがある。

  • お辞儀敬礼:日本ではこのような礼法が発達したことについては多くの意見がある。無論、心の底はまた別である。
  • 本音と建前:表向き、『和』を重んじることになっているので、表向きは無難なことだけを言い、真意は相手に「察してもらう」ことを期待する傾向が強いとされる。私的な空間や利害関係のない相手と向き合っているときなど、『和』という表向きの約束事にも配慮する必要がないときは、より露骨に自分の本音を出すようになる傾向があるといわれる。
  • 「ハレ(晴れ)」と「ケ(褻)」
  • あいさつ:いただきます、ごちそうさま(でした)、ただいま、おかえり(なさい)、いってらっしゃい、いってきます、失礼します(した)、お邪魔します(した)など。
  • 根回し : 非公式な打ち合わせで、事前に利害を調整しておく交渉のやり方。
  • 談合:上層部による話し合いで問題を解決するやり方。解決に至った場合は手打ちという儀式行為が成される。水枯れ期の田圃への取水についての村落同士の話し合いなどを発生起源とし、近年では土木・建設をはじめ多くの公共事業の分配方法の商慣習として蔓延していた。諸外国におけるカルテル同様、商行為上の犯罪行為として摘発されるようになってきている。
  • 」の文化・「謙遜」の文化
  • お上」への従順さ、政治に対する無関心。
  • をかし
  • もののあわれ

外国から見た日本

日本文化がヨーロッパでまず注目されたのは浮世絵などの美術品であった。その後、非ヨーロッパ国として初めて近代化に成功し、日清・日露戦争に勝利した日本に対して世界的な関心も高まった。外国からイメージされた「日本」の文化は、特に欧米圏では、キリスト教文化とは全く系統の異なる文化への好奇心(エキゾチズム)から、ある一面が誇張され、あるいは中国などと混同され、ステロタイプ(ステレオタイプ、紋切り型)化されて伝わる傾向があり、日本人から見れば「偏った認識」と思われるものが多く見受けられた。

しかし近年では、ゲームJ-POPファッションアニメ日本の漫画カラオケインターネット携帯電話パーソナル・コンピュータMade in Japanなどのポップカルチャーが海外で注目され、今までとは違った「日本」のイメージを持つ者も増えてきている。ハリウッド映画にも、本気で日本を描こうとする作品が作られたり、日本映画をリメイクしたり、日本人監督を起用するなどの動きが見られる。ただし2000年代に入ってからは、若者を中心に日本のイメージがポップカルチャーに偏重してきているという指摘もあり、伝統文化や生活文化、ハイカルチャーを含めた文化発信が課題になっている。

民話・伝承・昔話

日本各地に様々な言い伝えや民話昔話などが伝わっている。

日本の主な民話・昔話