自動車産業 Ⅲ【内上】 

 

自動車輸出

各国の乗用車輸出(金額)の割合 (2012) [37]
粗(Gross)輸出金額であり、輸入金額は差し引かれていない。米国は世界最大の乗用車正味輸入国であり、英国フランスベルギーなども正味輸入国である。

右の図においてドイツの乗用車粗輸出金額が最大となっているが、2009年までは日本が最大で正味輸出金額の32%を占め、ドイツは29%であった。2012年の乗用車の正味輸出金額ではドイツが32%、日本が28%となっている[37]

各国の自動車産業

詳細は「:en:Automotive industry by country」を参照

各国の自動車生産台数(千台)[3]

新興工業経済地域(NICs)の自動車生産台数

先発工業国(Old ICs)の自動車生産台数

19世紀欧州で自動車の開発が始まり、20世紀の前半世紀はアメリカ合衆国が飛び抜けた世界最大の自動車生産国および市場であった。第二次世界大戦1950年代に欧州各国で、60年代には日本での自動車生産が始まった。20世紀の後半世紀は米・日・ドイツフランス英国イタリアでの生産が世界の約8割を占めていた。1980年代以降、その他の国でも自動車生産が始まり、21世紀には中国が米国の2倍以上を生産する世界最大の自動車生産国となった。

2014年現在の自動車部品メーカーの上位100社を国別に見ると日本が30社、アメリカが25社、ドイツが18社、韓国が5社、フランスが4社などとなっている[38]

アフリカ

エジプト

自動車産業の始まりは1960年に遡る。社会主義時代、政府農業経済から工業経済への転換を目指し最初のエジプト製の自動車が生産されたが、外国の企業との競争に勝てなかったのでまもなく生産を終了した。特に、社会主義の終焉と資本主義への移行が原因だった。その後1985年にゼネラルモーターズ(GM)が生産工場を建設するまで組立工場はなかった。

当初3工場で大半の部品を輸入していたエジプトの自動車組み立て事業は23年間で成長し16事業で26の組み立てラインを持ち、乗用車、軽商用車、トラック、バスの生産同様に300工場が主要な部品を生産するようになった。GMの他にBMW日産自動車ヒュンダイなどがエジプトで自動車生産をしている。なおエジプトでのBMWの組立ラインは、ドイツ国外で唯一BMW・7シリーズが生産される工場である。

2004年まではエジプトの自動車市場と共に地元での自動車組み立てと部品製造は拡大を続けてきた。エジプト自動車製造協会(EAMA)のMoham-med El-Hadaryはエジプトの自動車市場は2004年にはわずか合計72,417台を生産しただけだった。と述べた。2007年には227,488台を生産し314%増えたと述べた。最も増えたのは乗用車で2004年の55,471から2007年には179,178台まで323%増えた。この傾向が続けば2012年には444,000台に到達すると期待される[39]

南アフリカ

1940年代からGM、フォードVWなどが進出しており、さらに1961年に完成車輸入を事実上禁止して国内自動車産業の育成策を取っているため、日米欧の多くのメーカーが進出し現地生産を行っており、アフリカにおける自動車産業の中心地になっている。また左側通行、右ハンドルという条件のため、VW、BMW、メルセデス・ベンツ、フォードが日本やオセアニア市場向けなどの右ハンドル仕様を南アフリカの工場で生産し輸出している例もある。

アジア

バングラデシュ

詳細は「:en:Automotive industry in Bangladesh」を参照

中国

詳細は「中国の自動車産業」を参照

中国は、1956年に最初の自動車であるトラック解放号を作ったところから始まり、1958年から1960年代初頭にかけて、紅旗・CA72北京市摩托車制造廠東風号鳳凰和平_(自動車)など大型リムジンから3輪トラックまで相次いで発表された。1964年に中国汽車工業公司が設立され中央政府が統括しながら、自動車産業育成が計画されたが1960年代後半からの文化大革命の混乱によって産業の発展は遅れ、さらに技術的援助を受けていたソ連との国交断絶などの影響で、1970年代までほとんど進歩がない状態だったが、70年代末から改革開放政策が始まると、数多くあった自動車生産工場は海外メーカーと合弁をはじめた。その中で最初に成功したのが、1985年から生産が始まったフォルクスワーゲンと上海汽車の合弁会社である上海大衆汽車サンタナ(中国語表記=桑塔納)である。その後プジョー、GM、フィアットなどが次々に合弁で参入し、さらに2000年代半ば頃からの経済成長に伴い自動車需要が急増加、市場は一気に世界一の販売台数になるまで拡大。中国国内の自動車関連企業は膨大な数に上り、中国政府は、自動車メーカー乱立による生産性の低さや過剰生産などの問題を克服するために業界再編を進めることとなる。

中にはプラグインハイブリッドカーを開発し世界で初めて発売するなど技術力に差があるものの先進国の自動車メーカーとほぼ対等に競争できるほどに技術力が高まっている企業がある一方で、海外の安全性能試験で0点を付けられるような未だ低品質の製品も見られる。[40])、サービスの悪さなど課題もある。詳細は、中国の自動車産業中華人民共和国の経済#自動車を参照されたい。

一方、自動車修理業は、国内の急速な保有台数の増加に業界が追いついておらず、人手不足状態となっている[41]

インド

詳細は「:en:Automotive industry in India」を参照

インドでは、経済成長に伴い自動車需要が増加しているが、全体の3/4程度が二輪車である。二輪車はホンダ系、インドのバジャージ・オートTVSモーターのシェアが大きい。自動車は日系のマルチ・スズキ、インドのタタ・モーターズマヒンドラ、韓国のヒュンダイなどが主要メーカーである。

インドでは今までの販売対象より低所得の層をターゲットにした機能を減らし価格を抑えた自動車が出現している。日本円で30万円以下のタタ・ナノのように既存の価格を打ち破る製品が発売されており、こうした市場に進出しようとする自動車メーカーも少なくない。

インドネシア

イラン

詳細は「:en:Automotive industry in Iran」を参照

2001年の時点において13の国営と民営の企業がイランにある。イラン・ホドロとSaipaが94%を生産する。イラン・ホドロは最も普及しているブランドである。他に自動車の製造会社にBahman グループ, Kerman Motors, Kish Khodro, Raniran, Traktorsazi, Shahab Khodro等があるがそれらを合わせてもわずか6%に過ぎない。[42]これらの自動車会社はバイクや乗用車、トラック等、幅広く生産する。2006年の時点でイランは世界で16番目に生産台数が多い。700万台を保有し、10人に1台の割合で普及している。(トラックやバスを含む)2005年に自動車生産台数が100万台を記録し2009年3月に輸出額が10億ドルに達する計画である。[46][47]

日本