自動車産業

自動車 > 自動車産業

2013年12月時点での国別の対数目盛による自動車生産台数

自動車産業(じどうしゃさんぎょう)とは、自動車および自動車部品生産販売利用整備に関連した産業をさす[1]

 

目次

1概要
2歴史
2.1生産台数の推移
3自動車輸出
4各国の自動車産業
4.1アフリカ
4.1.1エジプト
4.1.2南アフリカ
4.2アジア
4.2.1バングラデシュ
4.2.2中国
4.2.3インド
4.2.4インドネシア
4.2.5イラン
4.2.6日本
4.2.6.1産業集積地域
4.2.7マレーシア
4.2.8韓国
4.2.9パキスタン
4.2.10タイ
4.3欧州
4.3.1ベルギー
4.3.2フランス
4.3.3ドイツ
4.3.4イタリア
4.3.5オランダ
4.3.6ルーマニア
4.3.7ロシア
4.3.8ソビエト
4.3.9スペイン
4.3.10スウェーデン
4.3.11トルコ
4.3.12イギリス
4.4北アメリカ
4.4.1米国
4.4.2カナダ
4.4.3メキシコ
4.5南アメリカ
4.5.1ブラジル
4.5.2アルゼンチン
4.6オセアニア
4.6.1オーストラリア
4.6.2ニュージーランド
5製造会社
6脚注
7関連項目

概要

自動車産業は、関連産業の裾野が広く経済波及効果が大きいため、基幹産業として欧米日本といった工業国の経済で重要な位置を占めている。自動車の関連産業は鉄鋼金属軽金属ガラスゴムプラスチックなどの石油化学品、半導体などの原材料鋳造などの加工技術電子機器制御を行うコンピュータソフト宣伝広告を行うマスコミ販売を行う自動車販売店のほか、運輸業ガソリンスタンド自動車整備業一般道路高速道路建設整備自動車保険の加入、自動車教習所の講習、自動車運転免許の新規作成や更新、さらには駐車場の建設や経営、レンタカー事業などと多岐にわたる。 また、間接的なライバルとなる公共交通機関へのプレッシャーもかけられる。

歴史

自動車#歴史」も参照

世界の自動車生産[3]

1950年からの各国の自動車生産台数推移(千台)

各国で戦後の復興が達成された1960年代には生産台数は急増したが、1970年代には数度にわたる石油危機(燃料高騰)や強化され始めた排気ガス規制などもあり生産は低迷した。1980年代には各メーカーによる現地生産が始まり、1990年代にはその割合が増加していった。21世紀に入り新興工業国特に中国韓国インドが大きく生産台数を伸ばしている。それに反比例するかのように先進国での生産台数は横ばいから減少傾向にある。2009年には世界金融危機に端を発した不況から米国を中心に生産台数が激減した。

1950年からの各国の生産台数の占有率の推移

1950年まで; 米国が80%以上の自動車を生産

1950年代英国ドイツフランスイタリアが生産に再参入

1960年代; 日本が製造開始して80年代まで増加 1980年代末までは米国、日本、ドイツ、フランス、英国、イタリアの6ヶ国で全体の約80%を生産

1990年代; 韓国が大量生産に乗り出す。2004年に韓国がフランスを抜いて5位になる

2000年代; 中国が大幅に生産量を増加、2009年には世界最大の生産国になる

2013年; 中国(25.4%), 韓国, インド, ブラジルとメキシコで43%, 米国 (12.7%), 日本, ドイツ, フランスと英国で34%

自動車は、その黎明期においては、蒸気電気ガソリンなど様々な動力が試みられた。19世紀には既に改良が進んでいた蒸気機関を搭載した蒸気自動車が他の機関より秀でていた。20世紀に入りガソリン車の性能が向上し、油田発見(1901年、テキサス油田)によるガソリンの安価な供給も背景に優位性を確立していった[4]。1910年頃までは特権階級の乗り物であったが、大量生産により安価で供給されたフォード・モデルTの登場により、自動車は大衆化し、モータリゼーション社会が登場した。こうして自動車産業は急速に拡大していくことになる[5]

19世紀には西欧で自動車の開発が先行しており、1900年の世界の自動車生産台数は約1万台で最大の生産国はフランスであった[6]

1910年代に米国で大量生産が始まり、一方先行していた欧州では2度の世界大戦により工業生産(民需)が低迷した。 結果、米国が1950年代まで8−9割を生産するというデトロイトの独占状態であった[7]戦後、各国の自動車生産が始まるに連れ米国のシェアは下降していった。1950年代に英国、次いでフランス・ドイツが復興。1960年代に後発の日本で自動車生産が本格化し、1970年代・1980年代と日本がシェアを伸ばした。1980年代には韓国の成長が始まり、1990年代には中国の急成長も始まった。中国は2009年にそれまでの世界記録約1300万台(日本が1991年に米国が1999年に達成)を超え、2013年には2212万台を生産しなお増加中である。

2013年の生産台数では新興生産国である中国・韓国・インド・ブラジル・メキシコの5カ国のシェアは4割を超えたが、先発の米国・カナダ・日本・ドイツ・フランス・英国・スペイン[8]の7カ国のシェアは4割を切った。ドイツ以外の先発国ではシェアの低下のみならず生産台数も低下傾向にあるが、ドイツでは増加し続けている。

ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンや自動車が発明されたのは欧州で、フランス・英国・ドイツは自動車産業の老舗であり、1960年代始めには、これら三国で30%以上のシェアであったが、70年代以降各国が生産台数を伸ばす中で英国では生産が低迷し、1980年代以降は新興生産国にシェアを奪われていった。2013年にはロシアを除く欧州における生産実績(台数)はドイツ(シェア6.8%)、スペイン(2.5%)、フランス(2.0%)、英国(1.8%)、チェコ(1.3%)、トルコ(1.3%)の順となっている。欧州では東欧への生産シフトが進んでおり、チェコ・トルコの他にスロバキア、ポーランド、ルーマニア、ハンガリーなどでも生産が拡大している。

2013年の欧州連合(EU)28カ国の自動車生産の世界シェアは18.5%であった[9]

近年では、自動車の増加に伴う排気ガスの排出や騒音燃料となる化石資源枯渇などに対応して、ディーゼルハイブリッド車燃料電池ハイブリッド車の研究開発が行われている[10]

生産台数の推移