景気循環
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景気循環(けいきじゅんかん、英: Business cycle)とは、経済全体の活動水準である景気において、循環的に見られる変動のことである。景気変動(けいきへんどう)、景気の波(けいきのなみ)とも呼ばれる。景気が一定の原因により決まった周期で恒常的・法則的に循環すると考える説を景気循環論という。
目次
1概要
1.12局面分割
1.24局面分割
2景気循環の種類
2.1キチン循環
2.2ジュグラー循環
2.3クズネッツ循環
2.4コンドラチェフ循環
3景気循環の影響
3.1賃金
3.2雇用
3.3金融機関
3.4政府・自治体
4景気の表現の仕方
5内閣府による定義
5.12012年(平成24年)11月以降の景気動向指数
6景気ウォッチャー調査
7脚注
8関連項目
9外部リンク
概要
景気循環
景気循環局面の分割については、
- 1循環を拡張(拡大)局面(好況、ブーム (boom)、エクスパンション (expansion))と後退局面(不況、リセッション (recession)、コントラクション (contraction))の2局面に分ける考え方
- 1循環を回復、好況(拡張・拡大)、後退、不況(収縮)の4局面に分割する考え方
がある。なお、日本の内閣府は2局面に分割して、景気循環を表している。
2局面分割
2局面分割の場合には、景気拡張(拡大)局面の最高点が山で景気後退局面の最低時点が谷であり、谷から谷までが1循環とされている。
日本政府が発表する景気循環は、ディフュージョン・インデックス(DI)を中心とした景気動向指数を用いて2局面に分割した景気循環であり、景気動向指数と景気循環との関係を景気動向指数が50%を超えている期間を景気拡張期とし、50%を切っている期間を景気後退期としている。また、景気動向指数が0%から100%に向かう期間を不況、100%から0%に向かう期間を好況としている。なお、景気動向指数が50%の点を景気転換点と呼び、0%から100%へ向かう方向での50%の点が景気の谷となり、100%から0%に向かう方向での50%の点が景気の山となる[1]。すなわち、景気が山の時も谷の時も景気動向指数は50%となる。
景気動向指数 | 50% | 50→100% | 100→50% | 50% | 50→0% | 0→50% | 50% |
---|---|---|---|---|---|---|---|
景気循環 | 景気の谷 | 景気の拡張(拡大)期 | 景気の山 | 景気の後退期 | 景気の谷 | ||
不況 | 好況 | 好況 | 不況 |
ただし、2008年4月以降、コンポジット・インデックス(CI)を中心とする景気動向指数に切り替わり[2]、それ以後は、CIによる景気判断も加わるようになった[3]。
4局面分割
4局面分割では正常な水準から出発して、好況(拡張・拡大)、後退、不況(収縮)、回復の各局面を経て、再び正常な水準に戻るまでを1循環とすることが多い。
多くの景気循環の計測において、2分割(景気拡張期、景気後退期)で示されることが多いが、景気循環の計測の基礎となっているバーンズとミッチェルの景気循環の定義では4分割であらわされている。ただし、回復と好況、および後退と不況の境目を計測することが困難なため、ほとんど4分割で表示されることはない[4]。
2局面分割 | 景気の谷 | 景気の拡張(拡大)期 | 景気の山 | 景気の後退期 | 景気の谷 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
4局面分割 | 回復 | 好況(拡張・拡大) | 後退 | 不況(収縮) |
景気循環の種類
古典的な景気循環論として、次の4つが知られている。キチン循環、ジュグラー循環、クズネッツ循環、コンドラチェフ循環であり、それぞれ循環の発見者の名前をとっている[5]。また、循環は波とも呼ばれる[5]。
循環を周期の違いで分類する研究は、現代マクロ経済学の発展してから学会の関心を失った。分類研究は常日頃に起こる循環を考えるのにほとんど役に立たないからである[6]。
実社会では、小規模な金融機関こそ景気に経営を左右されるが、大規模な金融機関は運用する巨額の資金ゆえに自ら景気を左右する。古典的な循環論は景気に対して能動的な金融機関のあることを考えておらず、ゆえに実用性を欠いている。