ESCO事業(Energy Service Company…

 

アメリカ合衆国におけるESCO事業の歴史

発祥

ESCO事業は、1970年代後半のエネルギー危機を契機に、起業家たちが、エネルギー価格の上昇に対処する方法を開発することによって始められた。

1970年代から80年代

起業家がこの市場に注目するようになるにつれ、多くの会社が創業されるようになった。 最初の波に乗って登場したESCO事業者は、多くの場合、大規模なエネルギー企業の小さな部署か、または、小さな、起業されたばかりの独立企業だった。 しかし、エネルギー危機が終わってエネルギー価格が下がってみると、これらの会社は、顧客に対してESCO事業を実施するだけの強みをほとんど持っていなかった。 このことは、1970年代後半からの成長が継続するのを妨げた。 ESCO業界は、医療分野のエネルギー効率化に特化した専門企業が先行するような形で、1970年代から1980年代を通じて徐々にしか成長しなかった。

1990年代 : 公益事業者と統合エネルギー企業が主要プレイヤーに

エネルギー価格の上昇と、照明、HVAC (暖房、換気、空調) の効率化技術の可用性が上がったこと、そしてビルエネルギーマネジメントの登場により、ESCO事業は、一般的なものとなった。

1990年代の合衆国におけるエネルギー市場の規制緩和で、ESCO事業は拡大した。 数十年間独占に守られてきた公益事業者 (電力会社等) は、今や多くの大口顧客に電力を供給するために競争しなければならないこととなった。 彼らは、既存の大口顧客を維持するための新しい事業分野としてESCO事業に目を向けた。 また、サプライサイドの新たな機会によって、多くのESCO事業者は、発電市場や特定地区向けの発電所の構築等の事業への進出を始めた。

2000年代 : 合併と撤退

総合エネルギー企業 エンロンの破綻 (2001年) とその余波をきっかけに、多くの公益事業者がESCO事業部門を閉鎖ないし売却した。 それ以外の独立系ESCO事業者の間では大幅な合併が行われた。