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ニュースの裏側がわかる! 中東情勢における「世界の陰謀」全縮図! サウジのニムル氏処刑の影にトルコ、ロシア…各国の思惑
2016.01.15
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トルコ
宗派の分布図。緑系がスンニ派、赤紫系がシーア派、画像は「Wikipedia」より引用
皆さんこんにちは、陰謀社会学者の聖橋乱丸です。
国際情勢なので、あえて西暦で言うが、2016年は波乱の幕開けである。そもそも、昨年末に日韓外相会談によって、突然、慰安婦問題の「最終合意」がなされた。もちろんこれに関しては、日韓両国で賛否両論があり、また、二国間の外相会談であることから、正式な条約であるとしても双方の議会が批准するまでの期間、それらに効力はない。日本人の好きな「道義的」なやり取りは認められるものの、基本的に、国民の多くが反対している内容を韓国国内において通すことができるのかは、はなはだ疑問だ。
さて、日韓の二国間のことは置いておいて、この頃から東アジアではいくつかの大きな動きが出てくる。一つは、中国証券市場における株の暴落である。次に、中国が南シナ海における不法埋め立て事業で作った空港における「民間利用のアピール」、3つ目が、北朝鮮の核実験である。
これらがすべて関連しているといえば驚かれる方もいらっしゃると思うが、逆に、全てが別々に動くということの「偶然」の方が難しい解釈になるのではないか。
東アジア情勢は、今回の主題ではないので、これは、後日機会があれば解説をすることにする。問題は中東情勢である。こちらもまた、東アジア情勢と同じように、すべてが連動して動いているのだ。
★本記事で書かれる、中東情勢陰謀の縮図
ニムル氏「reuters」より
中東はほとんどがイスラムである。そのイスラム社会において、非常に大きな事件があった。サウジアラビア(以下サウジ)がシーア派の指導者であるニムル師はじめ、シーア派幹部47名を処刑したのだ。なお、本来イスラムでは「シーア派」という言い方はせず「アリー派」というのが正確である。しかし、ここは日本であるので、あえて、皆さんになじみのある「シーア派」という書き方をすることをお許し願いたい。
罪状は「テロの企画」であるということになっているが、押収品は拳銃数丁であり、とてもテロを行うような装備ではない。実際には「護身用」といっても過言ではない状態である。また、もしも「テロの準備」をしていたとしても、その内容は一般の刑法的に考えれば、死刑に値するものではなく、無期懲役などの罪に価するものであるはずだ。にもかかわらず、このニムル師を始め、すべての人が処刑されるということは、単純に「政治的な決断による処刑」以外の判断はない。要するに、シーア派幹部であったため、言ってみればサウジとイランの関係における「国際政治の犠牲」としてニムル師は処刑されたのだ。ある意味で、イランという国家とシーア派に「殉教」したという方が正しいのではないかといえるのである。
さて、この事件、まずは時系列で考えてみよう。