銀河ヒッチハイク・ガイド Ⅰ【初】目次・概要
宇宙の果てのレストラン
- 地球を破壊した理由「銀河ハイウェイの建設工事に邪魔」というのは実は建前で、本当は「究極の問い」が求まることを恐れた精神分析学者達が金を出して破壊させた。
- とある星の文明は、靴屋が原因で激しく経済が崩壊して滅亡した。住民の生き残りは鳥に進化し、靴も地面も欲しなくなった。またここには、運悪く滅亡間際にここに着陸したらしき、レモンの香りの紙ナプキンの搬入を900年待ち続けている宇宙船がある。
- 同星で今まともに動いているのは、文明滅亡後のここを選んで設置された究極の死刑台「事象渦絶対透視機」だけ。これに繋がれた者は、宇宙の中における自分の小ささをいやというほど知覚して発狂するという。
- 『銀河ヒッチハイク・ガイド』編集部の中には、本物そっくりの宇宙を電子的に合成している、という噂がある。
- 宇宙の果てには「宇宙の果てのレストラン」が建っている。このレストランの客はタイム・ワープして未来に行き、宇宙の終末を見ながら料理を食べる。
- 対して宇宙の中心には「ビッグバン・バーガーバー」があり、客はタイム・ワープして過去に行き、ビッグバンを見ながらハンバーガーを食べる。
- 「宇宙の果てのレストラン」では、客は殺される前の食材(作中では「牛に似た生物」)に会うことができる。そして食材は客に挨拶する:「いらっしゃいませ、私が今日のメニューです。私のどこを食べますか?」。
- 地球人類は他の星で役たたずとして捨てられた人間の集まりである。
- 宇宙の支配者は不可知論者。例えば宇宙の支配者の住む星では雨が止んだことがないのに「ドアを開けてもいないのに、今どうして雨が降ってると分かるのかね? 過去なんてただの記憶だ」という始末。
- 破壊直前まで地球にいたアーサーの脳波には『究極の問い』が擦り込まれているに違いないと考えたアーサー達は、脳波パターンを特殊な方法(めかくしスクラブル)で取り出し、「究極の問い」を探ろうと試みる。出てきた「問い」は「6×9はいくつ?」。求まる5分前の「問い」だから答えが42にならないのだろうか? あるいはコンピューターに組み込まれていた穴居人が後からやってきたゴルガフリンチャム人に取って代わられてしまい、計算に歪みが生じてしまったためであろうか?
宇宙クリケット大戦争
- 宇宙には不老不死の男がいる。不老不死故全てに飽きてしまい、ついには全生命体を逆怨みするようになる。それ以来宇宙を飛び回っては見つけた生命体に「おまえは馬鹿だ」と罵っている。彼の目標は全生命体を罵ること。
- しかも彼はアルファベット順に罵ろうと計画している。「生命体は生まれたり死んだりしてるんだからそんなの不可能だ」と彼に意見すると、彼は答えて言う:「人間は夢を持っちゃいけませんかね?」
- 「黄金の心」号より速い船があり、外側も内側もイタリアンレストランそっくりである。この形は、宇宙旅行にも関わる演算処理「レストラン数論」をスムーズに行うのに意味があるという。
- 銀河文明では、大抵の日用品は工場で作られるのではなく、何処かの星に生息しているのを採ってくる。
- 空を飛ぶには、高いところから飛び降りて、地面に落ちることを完全に忘れることだ。体はひとりでにピョコピョコ浮かびだすだろう。
- イギリス圏のスポーツ「クリケット」は実は、種族の中に刻み込まれた宇宙戦争の記憶が、歪みに歪んであんな形で出てきたものである。イギリス人以外の種族は、何ちゅうことをしてくれたんだと思っているらしい。
- かつて「タイタニック」という名の宇宙船が、不可能性フィールドのために酷い事故を起こしたことがあった。
- 時間旅行のために多くの歴史が変化してしまい、文化財が失われたため、「実時間を守れキャンペーン」という運動が始まった。
- 時間旅行などの影響で時空連続体は汚くなっており、時々何もない様な所からゴミが飛び出してくる。アーサーとフォードが石器時代で捕まえたソファも、クリキットのアイテムたちもそこから出てきた。
- アグラジャグと名乗る人物がアーサーを酷く憎んでいる。輪廻転生する度にアーサーに殺されているというのだ。
- アグラジャグの根城があるのと同じ星に、4世代にもわたって行われた最悪のカクテルパーティの会場がある。かつて第1世代が、パーティ会場を離陸(take off)させてしまった(英語の駄洒落、「とっとと去る」もtake off)のがまずかった。
- プラークという男が自白剤の摂り過ぎで、ありとあらゆる真実のみを垣間見、その話を聞かされた人は皆気が狂ってしまった。
- 「理由」とはどんな理不尽な行為にもくっつけることができるものであり、「理由」の細目が如何であったかはすぐ忘れられ、ただ「理由」が大変尤もらしかったということだけが記憶に残る。「理由」を聞かされた人は泣き寝入りするしかない。