熊本地震 (2016年) Ⅱ+【序再】目次・概要/十四日&… 

 

前震

4月14日21時26分の地震

熊本地震(2016年4月14日)
熊本地震 (2016年)の位置(日本内)

熊本地震 (2016年)

熊本

熊本

熊本地震 (2016年) (日本)

地震の震央の位置を示した地図(気象庁)
本震
発生日 2016年4月14日
発生時刻 気象庁発表
21時26分34.4秒 (JST)
米国地質調査所発表
21時26分36.4秒(JST)[24]
持続時間 約8秒[25]
震央 日本の旗 日本 熊本県熊本地方
座標 気象庁発表
北緯32度44.5分東経130度48.5分
米国地質調査所発表
北緯32.849度 東経130.635度[24]
震源の深さ 11km
規模    気象庁マグニチュード Mj6.5/モーメントマグニチュード Mw6.2[JMA 1]
最大震度    震度7:熊本県熊本地方(益城町).
津波 なし
地震の種類 右横ずれ断層[26]
大陸プレート内地震
余震
最大余震 発生日時 4月15日0時3分46.4秒 (JST)(注 1)
震央 熊本県熊本地方
規模 Mj6.4/Mw6.0[JMA 1]
最大震度 震度6強
被害
死傷者数 #被害・影響 を参照
被害総額 #被害・影響 を参照
被害地域 熊本県と大分県を中心とする九州地方(注 2)

注 1: 4月16日のMj7.3の地震よりも前に発生した地震のうち規模(Mjの値)が最大のもの。
注 2: この地震、4月16日1時25分に熊本県で発生したMj7.3の地震およびその直後に大分県で発生したMj5.7の地震(#本震 を参照)による被害地域。
出典:特に注記がない場合は気象庁の「震度データベース」[JMA 3]による。

プロジェクト:地球科学プロジェクト:災害
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4月14日21時26分、一連の地震で最初の地震(Mj6.5)が発生し、熊本県益城町で震度7(計測震度6.6)を観測した[JMA 32]。震度5弱以上が観測された市町村は以下の通り[JMA 5]。熊本県の嘉島町では、地震直後に震度情報が未入電となり、震度5弱以上と推定されていた[27]。中部地方の一部から九州地方にかけての範囲で震度1から震度4を観測した[JMA 5]

4月14日21時26分の地震の震度と観測された市町村
震度 都道府県 市町村[注釈 5][JMA 5]
7 熊本県 益城町
6弱 熊本県 玉名市西原村宇城市熊本市嘉島町
5強 熊本県 菊池市宇土市大津町菊陽町御船町美里町山都町氷川町合志市
5弱 熊本県 高森町阿蘇市南阿蘇村八代市長洲町甲佐町和水町上天草市天草市
宮崎県 椎葉村

ファイル:熊本地震 (2016年)の際の熊本市東区東町付近での地震の振動.webm

防災科学技術研究所「K-NET熊本(KMM006)』に記録された、4月14日21時26分の地震の振動を15倍にピッチを早めた動画(動画4秒が実際の1分となる)。動画中の上3つの波形が東西、南北、上下方向毎の地震の震動、下が地震のスペクトル

気象庁は地震検知から3.8秒後の21時26分42.5秒に、緊急地震速報(警報)を九州地方7県(鹿児島県から福岡県)、山口県および愛媛県の各県の区域[注釈 3]を対象として発表した[注釈 4][JMA 34]

前震の最大加速度上位5地点[28][29]
  観測点名 観測点コード 最大加速度 Gal 計測震度
1 KiK-net益城 KMMH16 1580 6.4
2 K-NET矢部 KMM009 669 5.3
3 K-NET熊本 KMM006 604 5.9
4 K-NET砥用 KMM011 491 5.2
5 KiK-net豊野 KMMH14 357 5.4

この14日の地震は、北北西-南南東方向に張力軸を持つ、この地方で一般的な[30]右横ずれ断層」型であり、北北東-南南西方向に伸びる震源断層を持つと推定されている[31]。政府の地震調査委員会は、この地震および翌日のMj6.4の地震は、日奈久断層帯(約81km)の北端部に当たる、高野-白旗区間(約16km)の活動によるものとの見解を発表している[31][32][11]。地震調査委員会は地震前、同区間で将来M6.8程度の地震が発生すると推定し、発生確率は不明としていた[33]

その他の前震

最初の地震から約2時間半後の4月15日0時3分に、熊本県熊本地方を震央とするMj6.4(Mw6.0[JMA 1])、最大震度6強の地震が発生している[JMA 12]。気象庁が発表したこの地震の震央は、最初の地震の震央より南西に約5.5kmずれている。この地震では、気象庁が2013年3月に長周期地震動の観測情報の提供を開始して以来初めて、長周期地震動階級が最大の階級4を記録した。ただし、気象庁の事後的なデータ分析によって、2004年新潟県中越地震や2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)でも、階級4相当の長周期地震動が発生していたことが判明している[34][35]

本震

米国地質調査所による表面最大加速度の分布図

国土地理院による本震・前震の震源断層モデルと地震調査委員会による布田川・日奈久断層帯の位置図

最初の地震から約28時間後の4月16日午前1時25分5.4秒に、Mj7.3(Mw7.0[JMA 1])、最大震度7の地震が発生した[JMA 6]。気象庁が発表したこの地震の震央は、4月14日に発生したMj6.5の地震の震央より西北西に約4.5kmずれている。この地震の最大震度は当初、震度6強とされていたが、気象庁に送信されていなかった熊本県益城町と熊本県西原村の震度計のデータを同庁の現地調査で解析した結果、震度7を観測していたことが判明し、4月20日に公表された(計測震度は益城町で6.7(国内観測史上最大)、西原村で6.6)[36][JMA 35]。この地震でも、長周期地震動階級で最大の階級4を熊本県熊本地方で観測した[37]

地震発生直後には有明海八代海の沿岸に津波注意報が発表されたが[38]、2時14分に解除され、津波は観測されなかった[37][39]

気象庁は地震検知から3.9秒後の01時25分14.0秒に、緊急地震速報(警報)を九州地方7県(鹿児島県から福岡県)の各県の区域を対象として発表し、さらに4.7秒後(地震検知から8.6秒後)には対象に山口県、高知県、愛媛県、広島県および島根県の各県の区域を追加した続報を発表した[注釈 4][JMA 36]

震度と地震動

震度5弱以上が観測された市町村は以下の通り。このほか、山形県の一部から九州地方までの範囲で震度1から震度4を観測した[JMA 6]。 発震から約32秒後の1時25分37.4秒に大分県中部でMj5.7の地震が発生しており、下記における各地の震度はこの地震によるものも含む[JMA 6]

4月16日1時25分の地震の震度と観測された市町村
震度 都道府県 市町村[注釈 5][JMA 6]
7 熊本県 西原村益城町
6強 熊本県 南阿蘇村菊池市宇土市大津町嘉島町宇城市合志市熊本市
6弱 熊本県 阿蘇市八代市玉名市菊陽町御船町美里町山都町氷川町和水町上天草市天草市
大分県 別府市由布市
5強 福岡県 久留米市柳川市大川市みやま市
佐賀県 佐賀市上峰町神埼市
長崎県 南島原市
熊本県 南小国町小国町産山村高森町山鹿市玉東町長洲町甲佐町芦北町
大分県 豊後大野市日田市竹田市九重町
宮崎県 椎葉村高千穂町美郷町
5弱 愛媛県 八幡浜市
福岡県 福岡市遠賀町八女市筑後市小郡市大木町広川町筑前町
佐賀県 白石町みやき町小城市
長崎県 諫早市島原市雲仙市
熊本県 荒尾市南関町人吉市あさぎり町山江村水俣市津奈木町
大分県 大分市臼杵市津久見市佐伯市玖珠町
宮崎県 延岡市
鹿児島県 長島町

本震における最大加速度は以下の表のとおり。前震と異なり、上位10観測地点ですべて600galを超える値を観測している。