長文一部前半抜粋

 

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奴隷体質の日本が進む道

トランプ大統領がシリア攻撃!日本はどうなるの?

 

 4月4日、アメリカのトランプ政権によりシリアが攻撃された。その理由は、「アサド政権が使用したとされる化学兵器に対する抗議」とか、「北朝鮮や中国への牽制」とか、「悲劇的な画像を見せられて感情的になった」とか、「やるときはやるんだ」という姿勢のアピールとか、「ネオコン(軍事産業)への貢献パフォーマンス」とか、「シリア沖に膨大な天然ガスが埋蔵量があるから紛争を続けさせたい」とか、「ロシアと裏でつながっている疑惑を払拭したかった」など、さまざまに言われている。

 

 理由は分からないが、あの素晴らしいトランプ演説「他国の誇りも尊重するナショナリズムの神髄」は、今回の攻撃とは真逆にみえる。化学兵器が問題だから攻撃する姿勢は、それが神経ガスによる子供の犠牲だったとしても、攻撃の正義に値するとはとても思えない。事実かどうかも分からない。そもそもアメリカはこれまで人道無視する兵器開発や、卑劣な戦争をいくらでもやってきたのに、何を今更感が否めない。そして、その大義名分の中身が、日本人としては実に気に入らない!日本に原爆を落としたアメリカが、「化学兵器は許せない」とか、何をいまさら綺麗事を言うのか!建前だとしても、まったく笑えない。

 

 これを「偉業だぁ!」と本気で評価する人たちは、「血は血で洗える」と未だに思っているのか、軍事産業に加担する勢力の工作員だからなのか。正統派ナショナリズムとは、「国家の繁栄と誇り」これを、他国に対しても重んる思想である。その姿勢が演説の中に語られており、その姿勢がトランプにあると信じたから支持してきたのに、非常に残念だ。トランプ大統領は、正統派ナショナリズムに泥を塗った。平和を実現させる場合、自己防衛しつつも、暴発した相手を大きな気持ちで許す行為を、どこかで誰かが始めなければ戦争は無くならない。日本は敗戦国とはいえ原爆を投下したアメリカを許してきた。そして、その幕引きを最後に行うのは器の大きな者の役目だ。すなわちアメリカやロシアが示さなければならないはずだ。

 

 今回の攻撃を、娘イヴァンカが強く推奨したという話をテレビでやっていた。まさか、子供たちの映像を見て「かわいそう、許せない」という感情に走るような単純なものでもあるまいな。実は、娘イヴァンカとその夫(クシュナー)がユダヤ勢力だという話は、トランプが当選した当時から気になっていた。アクセサリーや写真などを便乗販売してみたり、拝金主義者が丸出しの行動で、ストイックなトランプとは真逆の価値観に感じた。それが今回、どう影響したかは知らないが、イヴァンカの夫はイスラエル出身。2013年、イスラエル企業がイスラエル沖の天然ガスの事業化をしており、シリアはイスラエル重視で戦略展開されていくため、シリアに天然ガスの開発されると天然ガスの価格が下がってしまう。そのためシリア内戦を継続させたいという話もある。シリア沖のガス田のためなら、イラク攻撃と何も変わらないが、今回はかつてのブッシュ大統領みたいに、シリアに大きく被害を与えたわけではなく極めて限定的な攻撃だったらしいので、それもなんだか説得力に欠ける。

 

 誰かから提案をされたことに便乗してしまったという説もある。そのタイミングが、感情的になって行動したタイミングとたまたま合っただけという、何とも大統領の行動としては信じがたい可能性もぬぐい切れない。トランプ大統領がロシアと通じているのではないか?という疑惑に困ったあげく、これを払拭したかったため、一応プーチンに喧嘩を売るような芝居をして見せたという説もある。たしかにシリアの被害状況を見てい見てみるとダメージが少なくて手心が感じられる。

 

 もっとも現実的な理論(かつ日本が懸念しなければならない目的)は、北朝鮮や中国への牽制だろう。牽制と言ってもこれだけで牽制になるとは思えない。リビアのカダフィー大佐が、核開発から手を引いた途端に殺されたのを北朝鮮は見ているから、核開発から手を引くことは絶対ない。それに、北朝鮮は国家主義の体制がしっかりしているため、国の主権を守るために誇りをかけて戦うだろう。その志の高さは、拝金主義や移民国家には想像がつかないからアメリカには到底、理解できない。そのため、もしアメリカが本気なら、北朝鮮に対して何らかの攻撃をするか、あるいは攻撃をさせるように仕向けなければ、その目的は達成されない。北朝鮮やロシアがどう動くのかは、計り知れない。こんな危険な博打は、安倍首相が何と言おうと、日本としては賛同しかねる。当たり前だ。この博打のリスクは、日本や韓国が背負う!遠く距離のあるアメリカではない!

 

 北朝鮮は、自分たちの国が「非合理」な存在として、世界に見られていることを熟知している。安倍トランプ会談の時の軍事実験も、金正男が暗殺された時も、日本がどう反応するのかを見て、金正日ほくそ笑んでいる。何をするか分からない国、核兵器をいつ使うか分からない国、そういう恐怖心を他国に持たせることによって、北朝鮮は国防を維持している面がある。だから、これまでの日本海へのミサイルも、日本に向けたものではない。非合理的な印象を植えつ受けるための、様々な計算の上での行動であり、現体制の維持という防御的な目的だけなのか、現実的な攻撃目的なのか、曖昧でよくわからないのが、領土の小さな北朝鮮の戦略だ。

 

 その反面、北朝鮮は日本を良く知っている。日本海側に多くの原発があることも知っている。また、日本国内には多くの北朝鮮スパイが潜伏している。日本を攻撃したければ、何も大掛かりなミサイルなど不要だ。日本国内のスパイが暴発すればそれで終了、どこかでテロを起こすなら、とても簡単だ。だから対北朝鮮としての迎撃ミサイルなど、日本にとっては役に立たない。つまり物理的には日本への攻撃は簡単なのに、今までやってこなかったのだから、北朝鮮は日本を狙う気などなかったという事だ。北朝鮮の数々の脅しや、核を持ち増強する行動が現体制維持が目的なら、話し合いの余地があったという事になる。トランプもそれをしてくれると思っていたのだが、どうやら買いかぶりすぎたようだ。

 

 大前提として、北朝鮮と韓国は戦争中であることを忘れてはならない。その韓国にアメリカが協力しており、日本が米韓に協力し始めたことに北朝鮮は怒りを示している。それまで日本と北朝鮮は裏で何となく上手くやってきた。これを面白く思わない日本人も多いだろうが、平和(武力衝突を避ける)のための外交とは表ばかりではなく「裏外交」も重要である。だからこそ、拉致被害者が徐々に帰ってきた。先代の政治家たちが積み上げてきた「裏外交」による駆け引きや努力を、日本人は恥だなんて思ってはならないのだ。

 

 それが、安倍政権の日米強化によって、日本と北朝鮮は、完全な敵対関係になってしまった。本来であれば、トランプ大統領を利用して、日本は自立の方向に舵転換する絶好のチャンスだったのに、あろうことが安倍首相は、更なるアメリカのポチに成り下がることを選んでしまった。しかも、共に北朝鮮をやっつけよう!と宣言までしてしまった。それだけでも拉致被害者はもう帰ってこない。しかも今回、安倍首相は、トランプ政権のシリア攻撃を評価してしまったのだから、これを北朝鮮がどのように感じたかは想像できる。日本がターゲットにされる様なことがあれば、安倍政権を支えてきた議員、支持者、その全員が責任を取れ!といいたい。

 

 そもそも、北朝鮮が日本を攻撃する理由は、本来はなかった。愚かな日本人の人々は、すっかりテレビに騙されて、まるで北朝鮮の敵が日本であるように騙され続けている。「ミサイルが間違って日本列島に落ちるかもしれな~い」とか、日本が攻撃されるかもしれないと、びくびく震えあがって、その震える日本人の様子を見て、金正日は喜んでいたのだが、そんな構図も全く気が付かず「北朝鮮は危ない国だから叩き潰せぇ!」みたいに大騒ぎしている日本人を、何人も見たことがある。

 

 だが、さきほども少し述べたように、現実には日本と北朝鮮は、裏で何となくお金の力などで仲良くしてきた歴史があるから、むしろ、いざ朝鮮戦争で窮地となったら「日本に助けてもらえる」という淡い期待を北朝鮮は抱いていたし、そもそも金正日はかつての日本の大日本帝国の体制に憧れを抱いている面もあり、北朝鮮には日本に攻撃する理由は、もともと無かったのである。