インドの神様カードから見る、神々とその象徴

  • 2015.10.08 Thursday
  • 18:17



インドの神様カード

辞書「大辞泉」によれば、神という言葉の意味するのは次のとおりです。

1.信仰の対象として尊崇・畏怖 (いふ) されるもの。人知を超越した絶対的能力をもち、人間に禍福や賞罰を与える存在。キリスト教やイスラム教では、宇宙・万物の創造主であり、唯一にして絶対的存在
2.神話や伝説に人格化されて登場する語りつがれる存在
3.偉大な存在である天皇をたとえていう語。また、天皇の尊称、または、神社にまつられる死者の霊魂
4.助けられたり、恩恵を受けたりする、非常にありがたい人やもの。
5.人間に危害を加える恐ろしいもの、または、雷(かみなり)
 


『古事記』には、「八百万神、天(あめ)の安(やす)の河原に神集(かむつど)ひ集ひて」という記述があります。『万葉集』には「天(あま)の河原(かはら)に 八百万(やほよろづ)、千万神(ちよろづがみ)の 神集(かむつど)ひ 集ひ座(いま)して」とあります。『日本書紀』には「八十諸神(やそもろかみたち)」の表現もあります。「八」が多数を意味するようで、江戸時代の国学者、文献学者、また医師である、本居宣長は『古事記伝』の中で、「八百万は、数の多き至極を云(いへ)り」と説いています。つまり、八百万の神とは非常に多い数の神を意味しているようです。

この考え方は、森羅万象、自然界のすべてには神が宿るということを表現しているのでしょう。昔から、山の神様、田んぼの神様、トイレの神様(厠神)、台所の神様などと言われてきました。それらを尊崇する心がもとになっているのでしょう。また、戦国時代から安土桃山時代の武将(大名、天下人、関白、太閤)であった、豊臣秀吉を祭る豊国神社(とよくにじんじゃ、ほうこくじんじゃ)、幕末から明治の薩摩藩士、軍人(元帥海軍大将)を祭る、東郷神社などのように、人を神として祭っているところもあります。非常に能力の秀でた人を神と称えてきたわけです。

インドにも33億の神という考え方がリグヴェーダには詠われています。これは八百万よりかなり多い数字ですね。地の神11億、地上の神11億、天上の神11億で合計33億です。また、それぞれを代表する神々の名前も挙げられています。惑星、自然現象、自然、力などから、言葉に至るまで、様々な神々が登場します。自己の内面も自然界もあらゆるものが神の表れと考えられてるといってもおかしくありません。

52枚のカードから、インドの神様を紹介していきます。まず、カードを見る前に、少し、神々が手に持つものや、のりものとしての象徴を見ていきたいと思います。(以下カードの中の説明書より)


1.弓: 公正と正義の男性的エネルギーと力
2.チャクラ: 心配、恐怖を追い払う力。車輪のように、時間と自然の永遠のサイクル。また覚者による活動への法の教えを指し示している。
3.ホラ貝: 存在の起源と創造の要素。その音は神の存在と恐怖の払拭を告げている。
4.牛: 母なる地球の生きた象徴
5.フルート: 神の魅力、スピリチュアル・ライフの喜び、崇拝

6.突き棒(家畜を追うための): ガネーシャの突き棒は公正さの道に従うための刺激
7.ハスの花: ラクシミーの手中にあり、美、純粋性、完全性を表す。また慈悲、幸運、永遠の生成の象徴。
8.リュート(ヴィーナ): 音の力とヴェーダの知識というサラスヴァティーの象徴
9.モーダカ: ガネーシャが手に持つ甘いお菓子。知識と叡智を表わす。    
10. ねずみ: ガネーシャの乗り物。賢い知性を表わし、それは叡智により支配されている。

11. ムドラー: 手印。最も一般的な手の形は、至福(A)と恐怖のなさ(B)を示している。
12. 鋤(すき): バラ・ラーマの鋤。肥沃さと肉体労働者の成功。
13. アムルタカラシャ(不老不死の薬の容器): ダンヴァンタリー(医神)が持つ容器。肉体的健康、福祉、長寿を表わす。
14. 蛇: シヴァ神の首にまとう蛇。時間のサイクル、クンダリニー(無限のエネルギーの宝庫)の蛇、自然の束縛からの解放。
15. 白鳥: 純粋性、知識、識別力

16. 剣: 女神カーリー、ドゥルガーが持つ。幻影(マーヤー)の結び目を切る。また精神的決断力、間違いや無知から人を自由にする。
17. 三叉檄(さんさげき): シヴァ神の手にあり、創造、維持、破壊という三要素の代表であり、人体の精妙な気道(ナーディ)であるイダー、ピンガラ、スシュムナーの各ナーディと同様である。