>  >  > 次は秋田県か!? 陰謀論ではない「人工地震」

2016.12.27

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イメージ画像:「Thinkstock」より

 前回、人間の活動によって引き起こされる「人工地震」が現実に存在するということ、そして海外に目を向ければ、「シェールガス・オイルの採掘」「地下核実験」「井戸の掘削」「ダムの建設」など、さまざまな要因によって引き起こされていることを明らかにした。今回は、この「人工地震」が日本も決して無関係ではないという事実、さらに今後十分な注意が必要となる地域についてズバリ考えてみたい。

・ 前編: 陰謀論などではない! 「人工地震」が実際に起きまくっている証拠を米内務省が完全暴露


■日本でも「人工地震」は発生しまくり!?

 こうして海外の事例ばかりを紹介していると、日本では人工地震の危険性は低いと思われるかもしれないが、以下に示す事例を見れば、それはまったくの誤りであることがわかるだろう。

・ 牧尾ダム
 最初に挙げる事例は、長野県木曽郡木曽町と木曽郡王滝村の境にある牧尾ダムだ。1961年に竣工し貯水を始めてから、それまで地震の被害とは無縁だった地に、群発地震が断続的に起き始めた。そして1984年9月14日、M6.8の長野県西部地震が発生する。実はこれも、ダムの貯水による水圧が引き起こした「ダム地震」だったという学説が唱えられている。

・ 御母衣ダム
 岐阜県大野郡白川村にある御母衣(みほろ)ダムは、1960年11月に貯水を開始したが、翌年8月19日に北美濃地震(M7.0)が発生した。御母衣ダムから西へ20kmほどの場所が震源で、発生時期や位置の近さから「ダム地震」だった可能性が疑われている。

・ 南長岡ガス田

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南長岡ガス田のプラント 画像は「Wikipedia」より引用

 実は、2004年10月に発生して大きな被害をもたらした新潟県中越地震も、「人工地震」の可能性が疑われている。震源から20kmほどに位置する「南長岡ガス田」という天然ガス田では、2003年7月から約1年半の間に、1万トン以上の二酸化炭素を地下へ圧入する実証試験を日本初の試みとして行った。この時、地下1,100mに高圧の水を注入して岩を破砕した結果として、M6.8の大地震が発生した可能性が囁かれている。しかもこの説は、2007年に参議院・災害対策特別委員会の審議でも取り上げられ、大きな問題となった。

 

 

■政府の圧力によって情報が封印されている?

 さて、前述の説がすべて事実だとすれば大変なことだが、このような重要な話題が世間一般に広まらない背景に、政府の“圧力”があるのかもしれない。以前から人工地震の問題を探求している地震学者の1人、島村英紀・武蔵野学院大学特任教授は、『人造地震の恐怖(4)』と題した連載で、「ある国立研究所に属する地震学者が、ダムが起こす地震をテーマにして学会発表しようとしたことがある。ところが、事前に発表の内容を役所に見せるように言われた。発表を事前にチェックされるのは異例のことだ。そのうえ学会まで、お役人が発表を見に来たのであった」(ZAKZAK、2013年6月21日)と述べている。やはり、政府にとって触れてもらいたくない領域なのだろうか。


 こうして見てきたように、日本にとっても「人工地震(人為的な地震)」は決して他人事では済まされない話なのだ。自然地震だけを警戒するのではなく、今後の日本では、ダムの建設や天然ガスなど地下資源の掘削が地震を誘発する可能性があるかどうか、十分に検討する必要があるだろう。日本では、シェールガス・オイル関連産業の発展はまだまだこれからといった段階だが、すでに秋田県ではシェール資源が見つかっており、将来的にシェールオイルの生産が期待されている。ここでも、今から人工地震の対策を練る必要があるのではないか。

 地震大国である日本は、自然に発生する地震だけでも大きな被害を受けている。それに加えて、自然破壊によって引き起こされる「人工地震」でも苦しめられるとなれば、自らの首を絞めていることにほかならない。政府も科学者も、そのような視点を持って地震対策に取り組んでもらいたいものだ。