精神病質

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犯罪学
刑罰学
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パーソナリティ障害
A群(奇異型)
B群(劇場型)
C群(不安型)
特定不能

 

精神病質(せいしんびょうしつ、英: psychopathy、サイコパシー)とは、反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学生物学的精神医学などの分野で使われている。その精神病質者をサイコパス: psychopath)と呼ぶ。

精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)や疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)においては、反社会性パーソナリティ障害(Antisocial personality disorder/ASPD, dissocial personality disorder/sociopath)として分類されている。

 

目次

 

1定義
1.1特徴
1.2類似概念
2診断
2.1サイコパスチェックリスト(PCL)
2.1.1サイコパシー・チェックリスト (PCL-R) をめぐる論争
2.2その他
3原因
4管理
5疫学
6サイコパスの影響力
7フィクション
7.1小説
7.2映画
8文献目録
9注釈
10脚注
11参考文献
12関連項目
13外部リンク

 

定義

特徴

犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。

  • 良心が異常に欠如している【唯我毒損公害明悪唯一絶対虐殺悪魔創造侵略神仏体】
  • 他者に冷淡で共感しない
  • 慢性的に平然とをつく=平気で噓をつく人々盗逸狂怪騒怨釈苛害と学会侵攻宗団
  • 行動に対する責任が全く取れない
  • 罪悪感が皆無
  • 自尊心が過大で自己中心的
  • 口が達者で表面は魅力的

オックスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンによると、サイコパスの主な特徴は、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・感情の欠如・結果至上主義、である[1]。現状では、チェックリストのみが診断基準であるので医学的にサイコパスと同じ状態であっても反社会性がなければサイコパスとはならない。反社会性などの診断基準を満たす者は幼少期からの素行問題など行動面の異常を示すことが多い。[2]

日本国の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条に、「この法律で『精神障害者』とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう」と定義され、精神障害者に該当しつつ、保護の対象者と成る事を法的に認めているが、必ずしも全てが該当するとも言えず、時代相応の医学(科学)的な診断結果に基づいて判断される。

類似概念

類似する用語として、社会病質(しゃかいびょうしつ、英: sociopathyソシオパシー)、社会病質者(しゃかいびょうしつしゃ、英: sociopathソシオパス)がある。行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格をソシオパス的人格、サイコパス的人格、性格神経症の三つに大別し、ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの、サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なものとして位置付けている[3]。しかし一般には、ソシオパスとサイコパスはほぼ同義なものとして扱われることが多い[* 1]。研究では、原因は遺伝的要因と非遺伝的要因が挙げられている。

注意点として、たとえばアスペルガー症候群自閉的精神病質(ただしこの時代の自閉autismは統合失調の無為自閉と関連)と呼ばれていたように、「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(英: psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので「サイコパス的(英: psychopathic、サイコパシック)」とは必ずしも同義ではない。