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まじかよ、もうすぐ宇宙滅亡? LHC実験による「現存するパラレルワールド発見」間近で
2015.10.23
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画像は、Thinkstockより
神の粒子と言われた物質に質量をもたらす「ヒッグス粒子」を発見した、欧州原子核研究機構(CERN)が所有する世界最大の加速器「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」がそう遠くないうちにパラレルワールドを発見するかもしれないという驚きのニュースが流れた。今我々が存在しているこの世界とは別に、違う次元に存在するパラレルワールド。もし発見すれば物理学の歴史だけでなく、現存する様々な概念が書き換えられることになるだろう。
■解明すると宇宙の破滅を招く死の実験?
画像は「CERN公式サイト」より
スイスのジュネーブ近郊の地下約100mに設置されたLHCは、毎秒何億回も粒子を衝突させ、多元宇宙論の鍵を握ると考えられている「マイクロブラックホール」の謎を解明するために全力で稼働中だ。今年の6月から集められたデータは現在解析中である。なんせ1秒間に数億回の衝突によって発生するデータは大半が切り捨てられても1秒あたり100万GBという途方も無い数字、これを解析するために研究所にはスーパーコンピュータが並んだ巨大なデータセンターが併設されているにしても、そうすぐに結果が出せるものではない。
理論物理学者スティーブン・ホーキング氏をはじめ、
この研究を続けていくと最終的に宇宙が崩壊する
と批判する科学者たちもいるが、「CERN」はこれまで誰も成し遂げられなかったこの実験によって宇宙の解明に繋がると反論している。ホーキング博士がこのような警鐘を鳴らすのは、統計的にヒッグス粒子があまりに不安定な為、仮に実験の中で安定状態に近づけることに成功すると、真の真空状態が生じ、より低エネルギーの真空が光速度で膨張することで宇宙全体が破壊さてしまうと考えているからだ。
これはすなわち、しかし、実際にはホーキング博士の指摘通りになる可能性は非常に低いとされているのだが……。
■多次元世界は科学というよりむしろ哲学!?
画像は「DailyMail」より
CERNの研究員ミール・ファイザイ教授は、以下のように述べている。
「つまりは、何枚もの紙が平行に存在しているようなものなのです。ここでは、『縦と横』だけを持つ二次元の物体が三次元に存在していることになりますが、パラレルワールドはそれより高い次元に存在しているということなのです。我々は、重力が違う次元に流出することも想定しています。それと同時にマイクロブラックホールが生成される可能性があるとも」。
さらに「通常、人々が多次元宇宙を考える場合、ありとあらゆる可能性が存在する『エヴェレットの多世界解釈』を考えます。しかしこれは実験できるものではないので、科学というよりむしろ哲学。しかもこれは私達の考えるパラレルワールドではないのです。我々が考えているのは、別の次元に現実に存在するパラレルワールドのことなのです」と。
画像は「DailyMail」より
今年3月、ファイザイ教授とその研究チームは、「重力の虹」という新しい理論を用いてマイクロブラックホールの検出から期待できるエネルギー量の計算を行った。このエネルギー量でマイクロブラックホールが検出されれば、新理論「重力の虹」と余剰次元理論は正しいということになる。
また6月以降、LHCによって衝突するエネルギーは、世界で最初にマイクロブラックホールの解明に貢献したヒッグス粒子のおよそ2倍であることもわかった。
■宇宙の崩壊はもう始まっている?重力の虹理論とは
画像は「DailyMail」より
重力の虹理論は一般相対性理論と量子力学の調和を図るために10年前に提唱されたもので、アインシュタインの相対性理論が「重力とは時空の歪み」としているのに対し、重力の虹理論では「異なる光の波長によって生み出されるもの」だとしている。つまり「虹理論」では、異なるエネルギーを持つ粒子は異なる時空と重力場へ移動することを意味しており、異なるエネルギーを持った粒子は異なる歪み方をすることによって、まるで虹のような軌跡を描くことになると考えられているのだ。
しかもこの重力の虹理論では、宇宙の崩壊はすでに始まっている可能性があり、我々の世界は「完全に崩壊して全てのものが小さな球に圧縮されつつある途中」だと指摘している。
すなわち宇宙に存在するあらゆるものの質量が極限までの圧縮によって無限大にまで膨らみ、それがブラックホールとなって連鎖的に崩壊へと進むのだという。この、恐ろしくも興味深い重力の虹理論を使って科学者たちはマイクロブラックホールを解明しようとしているのだ。
大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の発射エネルギーは5.3 テラ電子ボルトより低いエネルギーレベルでこれでは結果を得るには低すぎることが分かってきた。1テラ電子ボルトは、1,000,000,000,000ボルト、とにかく物凄いエネルギー量だ。少なくとも今の段階では、6次元で 9.5テラ電子ボルト、10次元で 11.9テラ電子ボルトのエネルギーで、マイクロブラックホールが形成されると予測されている。
科学者が言うには
「もしこれで極小ブラックホールの解明ができなかったら、次の3つのことが考えられる。1つは、余剰次元は存在しなかたったということ、2つ目は存在したとしても我々が考える以上に小さいということ、そして3つ目は重力の虹理論のパラメータを変更する必要があるということだ」。
じきに欧州原子核研究機構(CERN)のスーパーコンピュータ達がはじき出す計算結果によって、マイクロブラックホールの解明すなわちパラレルワールドの存在が明らかになるかどうかがわかる。ただ、ホーキング博士をはじめとする科学者が指摘するように、それが解明された時、宇宙も滅亡してしまう可能性があるというのは、皮肉な話である。