【警告】日本人を一億総“瞬殺”する「破局噴火」が近づいているのに役人は無視! 一番ヤバいのは“あの山”だ!
2016.06.27
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■誰も本気で対策していない!
実に恐ろしい「カルデラ噴火」だが、現在日本のマスコミでは、その可能性についてあまりにも論じられていないように思われる。「あるわけがない」「あってもずっと先のこと」と油断しているのだろう。そのため、もちろんカルデラ噴火対策のための国家予算なども投じられていないのだ。
実際、群馬大学教授の早川由紀夫氏は、『月刊地球』(2003年11月号)の「現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価」で、「日本社会は、カルデラ破局噴火を経験した記憶をもっていない。そのような『未経験の』災害を防ぐ目的で大規模予算を振り向ける決断をするのは、たいへんむずかしいことだろう」と書いている。
しかし、実際はもっと緊迫した姿勢で臨まなければならない事態かもしれないのだ。東京大学名誉教授の藤井敏嗣氏は、『NHK そなえる防災』の「カルデラ噴火! 生き延びるすべはあるか?」で、「カルデラ噴火はもはや、いつ起こっても不思議がない現象なのです」と警告している。気象庁の火山噴火予知連絡会会長を歴任した重責ある地球科学者の言葉として重く受け止めなければならない。
ところが、前述の巽好幸教授が、これまで幾度となく霞が関のお役人にカルデラ噴火の危険性を訴えて対策を要望しても、答えは判を押したように同じものだったという。「関連予算に限度がある以上、低頻度で100年以内に起こる確率が低い災害に税金を投入する訳には参りません」(東洋経済オンライン、同上)といったものだった。しかし、1995年の阪神・淡路大震災では、30年間の発生確率が0.02~8%という低い数値で見積もられていたにもかかわらず、現実になったということを忘れてはならない。
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■原発があることも忘れてはならない
このように、最近ようやくカルデラ噴火の恐ろしさが語られ始めたわけだが、いざその時を迎えると、過去の事例からは想像すらできなかったような悲惨な事態につながる可能性がある。そう、現代の日本には「原発」があるのだ。
実は、日本列島で過去に発生した噴火マグニチュード7以上の巨大カルデラ噴火をみると7つの火山で起きていることがわかるが、そのうち4つが九州にある火山だった。なかでも、現在唯一稼働中の川内原発にもっとも近く、鹿児島湾と桜島を囲む「姶良(あいら)カルデラ」では2万9千年前に巨大カルデラ噴火が起きている。鹿児島大学の井村隆介教授(火山学)は、姶良カルデラが破局噴火を起こした場合、「数百度の熱を帯びた火砕流が川内原発敷地内まで到達する可能性があります。そうなれば、原発自体が破壊されるのはもちろんのこと、原発作業員も全員火砕流でやられてしまいます。火砕流と放射能で、外部から救助にも原発の収束作業にも入れないという恐ろしい事態になってしまうのです」(ハーバー・ビジネス・オンライン、2015年8月17日)と警告する。
しかも、噴火に伴う原発事故の場合、火山灰に放射性物質が付帯して、風に乗って全国に降り注ぐことになるという。たとえ原発がなくても、カルデラ噴火が起きれば火砕流と降灰だけで日本中が“死の地”となるというのに、そこに原発被害が加われば、もはやこの国は永遠に再生することもできなくなるだろう。そして、死を免れた日本人も、難民として海外への移住を強いられることになる。筆者の場合、たまたま妻がタイ人であるため、妻の実家があるバンコク郊外へ移住するのは困難ではない。だが、多くの日本人にとっては、まずどの国へ移住するかを決めることだけでも大変なことだろう。
地震国といわれる日本は、震災に対する備えには本気で取り組んでいる。しかし、これまで見てきたように、ひとたびカルデラ噴火が起きれば、日本という国自体が終わりを迎えるという意味で、火山はもっとも恐ろしい存在といえるだろう。人々がカルデラ噴火への対策を怠っている今、これが現実に起きた際には「日本と心中する」つもりで生きていくしかないのだろうか。