2015.10.16

 

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『Astroneer』公式ページより。


 これまではSFの世界の夢物語と思われてきた宇宙開発だが、NASAの火星移住プロジェクトなども本格化し、このところ一気に現実味を増してきている。このような背景もあってか、現在開発中の宇宙探検をテーマにしたPCゲームが注目を集めている。


■人跡未踏の惑星を目指し新たなフロンティアを開拓

 米・シアトルを拠点とするゲームデベロッパー「System Era Softworks」が現在鋭意開発中なのがPC用の宇宙探検アドベンチャーゲーム『Astroneer』だ。

 先頃公開された『Astroneer』トレーラー動画では、宇宙服に身を包み、重力が小さい惑星の地表をまさに浮き足立ちなから軽快に駆け回る主人公キャラクターに目を奪われるが、単純なエンドレスラン系のゲームではないようだ。

 公式ウェブサイトの紹介文によれば、ゲームの舞台設定は人類に突如もたらされた科学技術のブレイクスルーにより、宇宙旅行が容易になった近未来だ。まさにゴールドラッシュの時代のカリフォルニアのように、手つかずの惑星に眠る潤沢な資源の発見と利権の取得を目論み、一山当ててやろうと野望を抱く者たちが危険を顧みず宇宙を目指しているのだ。

 そんな野心家たちの夢の実現を後押ししているのが、この時代の支配的な巨大複合企業体「Exo Dynamics」だ。プレイヤーは同社と契約を結び宇宙船に乗り込み、宇宙飛行師となって人跡未踏の惑星を目指し、調査・発掘から開発まで、新たなフロンティアを開拓していく。

 降り立った惑星には様々なハプニングが待ち受けており、貴重な資源を発見したかと思えば、過酷な気象変化に晒されたり、あるいは明らかに人工物と思われる物体や遺跡を目の当たりにするというミステリー要素も盛り込まれているという。美しいグラフィックと、かなりやり込めそうなゲームシステムにはなかなか興味を惹かれるのではないだろうか。発売日はまだ未定ながらも来年春(第1四半期、4月~6月)のリリースを目指して開発が進められているということだ。発売までの間に今後も最新情報が公開されると思われるので、時折公式サイトをチェックしてみてもよさそうだ。

 

Oculus Rift用のVRゲームも開発中
 
 人々の宇宙への関心の高まりを反映してか、宇宙を舞台にしたゲームの話題作が相次いでいる。今年4月28日に製品版がリリースされた宇宙開発シミュレーションゲームの『Kerbal Space Program』もなかなか好評のようだ。

『Kerbal Space Program』は架空の惑星「Kerbol」を拠点として自ら手がけた宇宙船で宇宙をめざし、プレイヤーが独自に宇宙を開発するシミュレーションゲームだ。舞台となる恒星系には1つの太陽、5つの惑星、2つの準惑星、9つの衛星が存在し、度々行なわれるアップデートによって新しい惑星やパーツが追加され、新たな楽しみが増えていくのも人気の理由だ。公式サイトからは体験版をダウンロードできるので、気になった人は試しにプレイしてみてもよいだろう。

 そして以前にも紹介した宇宙空間サバイバルゲーム『ADR1FT』は、予定されていた発売日が延びていたが先頃、来年春(第1四半期、4月~6月)に発売されることがアナウンスされている(Windows版、PlayStation 4版、Xbox One版)。そしてやはり、Oculus Rift用のVRゲームとしての開発も進んでおり、同時期に発売されることが公式に報じられて俄然注目が集まっているのだ。来春を賑わせる話題がまた1つ増え、いろんな意味で来年はゲーム業界にとってのエポックメーキングの年になりそうだ。
(文/仲田しんじ)


【参考】
・The Verge
http://www.theverge.com/2015/10/8/9483347/astroneer-video-game-space-exploration

・『Astroneer』公式サイト