サバイバル状況が発生した事件・事故
集団的事例
- タイタニック号の沈没(1912年4月14日)
- 豪華客船タイタニック号が氷山に衝突、2,200名以上の乗客が凍て付く北大西洋のニューファウンドランド沖の海に投げ出された。低い水温により、浮遊物にしがみ付いて助けを待っていた人の大半が低体温症によって意識を失い、溺死した。同事故では、ただでさえ少ない救命艇が、パニックに陥った船員の誤った判断により、定員に満たないまま降ろされるという不手際もあって、結果1,503名が死亡したとされる。当時の天候は気温と水温が低く、長時間濡れたままでは、いずれにしても低体温症による意識喪失が起こった訳だが、微風で在った事から、漂流物によじのぼっていた方がより長く救助を待てたようである。沈没後の2時間後、他船によって救助されたが殆ど亡くなっている中で2名が生存していた。医学検査の結果、飲酒して血中アルコール度が高いことぐらいの差しかなかったことで特例ケースとなっている。なお、衝突時こそパニックにより状況が混乱したものの、乗船していたウォレス・ハートリーと彼のバンドのメンバーたちの勇敢な演奏により、乗客たちが平静を取り戻し、女性や子供の避難が、優先的かつ迅速に行われた。
- 阪神・淡路大震災(1995年1月17日)
- 早朝の午前5時46分頃、兵庫県神戸市を中心とした都市直下型地震が発生した。人口が密集して木造建築が多い地域に、火災が多く発生した。また、「欠陥住宅」の問題が露呈し、家具の下敷きになって死亡する事故も発生した。阪神高速道路も地震の影響を強く受け、根元からひっくり返って倒壊し、コンクリート建築の欠陥が露呈した。都市機能が復旧した後も、仮設住宅で生活していた人を中心に孤独死する者も出て、街の復興の裏で個人レベルではなかなか生活の復旧が進まなかったことも問題の一つにあがっており、後の都市災害における援助の在り方に幾つかの課題を投げ掛けている。
- ニューヨーク世界貿易センタービル崩落(2001年9月11日)
- この事件では、炎上中のビルで停電が発生し、初期の段階では非常階段を使って脱出できたという説もあるが、照明が失われて脱出経路が判り難く、ビルに取り残されたままになった人も多かったとされる。また航空機衝突の際に飛び散った破片や瓦礫が周辺地域に降り注ぎ、これらの落下物による負傷者も多数発生した。
- 東日本大震災(2011年3月11日)
- 津波により孤立した建物が数多く発生した。自衛隊がヘリによる上空からの救助活動を行った。
個人・少人数の事例
- 山中・山野における例
- 孤島・孤立地帯における例
サバイバル状況を扱った作品
実際のサバイバル状況を扱った作品
- 漂流(著:吉村昭)ISBN 978-4103242123
- 江戸時代に船の難破で伊豆諸島の鳥島へ漂着し、12年に及ぶ無人島生活の末に故郷へ帰還した野村長平の史実を基にしたドキュメンタリー。
- 大西洋漂流76日間(著:スティーブン・キャラハン 訳:長辻象平)ISBN 4-15-050230-7
- 1982年2月4日深夜に乗っていたヨットが転覆、小さな救命いかだに乗って漂流し、手製の銛と頼りない蒸留器だけで生命を繋ぎ、76日後に救助されたヨット乗りの手記。(ノンフィクション)
- 孤島の冒険(著:ニコラーイ・ヴヌーコフ 訳:島原落穂、1998年)ISBN 4-494-02734-0
- 船から波にさらわれ、千島列島の無人島に漂着した14歳の少年が一人で47日間を生き抜いた実話。
- ドキュメント気象遭難(著:羽根田治) ISBN 4-635-14004-0
- 生きてこそ (1993年の映画)
- 原題『Alive!』。ウルグアイ空軍機571便遭難事故に遭ったウルグアイの学生ラグビーチーム他45人の乗客達。全員絶望と見做され捜索も打ち切られる中で、72日後に16人が生還するまでの苦闘を描く。(ノンフィクション) この事故は他にも「アンデスの聖餐」「アンデス地獄の彷徨」などで数回映画化されているほか、書籍化もされている。
- 『エンデュアランス号漂流』(著:アルフレッド・ランシング) ISBN 4-10-537301-3
- 南極圏で探検船が難破するという絶望的な状況にもかかわらず、隊長のアーネスト・シャクルトンをはじめとする28人の隊員の超人的な努力で、22ヶ月後全員が奇跡の生還を成し遂げた。(帝国南極横断探検隊参照)
- たった一人の生還(著:佐野三治)ISBN 4-10-136711-6
- 国際外洋ヨットレース「トーヨコカップ・ジャパン―グアムヨットレース'92」に参加した「たか号」が転覆、6人がライフボードに乗って漂流、27日後に救助され生還した人物の体験記。
- MAN vs. WILD(ディスカバリーチャンネル)
- 冒険家のベア・グリルスが世界中の無人地帯で実際にサバイバルの知識や技術を実演するTVショー。
- The 33
- コピアポ鉱山落盤事故の再現ドキュメント。
サバイバルを題材としたフィクション
小説とその派生作品
- ロビンソン・クルーソー(著:ダニエル・デフォー、1719-1720年)
- スイスのロビンソン(著:ヨハン・ダビット・ウィース、1812年)
- スイスファミリーロビンソン(映画、監督:ケン・アナキン、1960年)
- 家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ(アニメ、世界名作劇場、1981年)
- 神秘の島(著:ジュール・ヴェルヌ、1874年)
- 十五少年漂流記(著:ジュール・ヴェルヌ、1880年)
- 蝿の王(著:ウィリアム・ゴールディング、1954年)
- ホワイトアウト(著:真保裕一、1995年) ISBN 4-10-127021-X
- 嵐の中の子どもたち(著:アイバン・サウスオール 訳:小野章 評論社刊 ISBN 4566022641)
- 嵐の直撃を受け、孤立してしまった山奥の村ヒルズ・エンド。そこに、一人の教師と7人の子ども達が取り残されてしまった。水も食糧もない荒れ果てた村で、疲労や恐怖と闘う彼らの3日間の物語。劇団四季が更にヘンリー・ウィンターフェルトの「子どもだけの町」を組み合わせて舞台化。
- 砂漠のサバイバル・ゲーム(著:ブライアン・ガーフィールド、1979年)
- 食物はおろか衣服すらない状況で砂漠に取り残された4人の男女のサバイバルを描く。
- バトル・ロワイアル(著:高見広春、1999年)
漫画
- 漂流教室(著:楳図かずお、1972-1974年)
- サバイバル(著:さいとう・たかを、1976-1978年)
- ブレイクダウン(著:さいとう・たかを)
- 飛ぶ教室(著:ひらまつつとむ、1985年)
- 14歳(著:楳図かずお、1990-1995年)
- ドラゴンヘッド(著:望月峯太郎)
- 7SEEDS(著:田村由美、2001年-)
- エデンの檻(著:山田恵庸、2008年-2013年)
- 自殺島(著:森恒二、2008年-2016年)
- ワイルド・ハニー・ワールド(著:後藤晶、2012年-2013年)
- Dr.STONE(原作:稲垣理一郎、漫画:Boichi、2017年-)
映像作品
- 銀河漂流バイファム(アニメ、1983年)
- 「十五少年漂流記」の舞台を未来宇宙に変えたもの。
- キャスト・アウェイ(映画、監督:ロバート・ゼメキス、2000年)
- LOST(テレビドラマ、2004年- )
- 無限のリヴァイアス(アニメ、1999年-2000年)
- 無人惑星サヴァイヴ(アニメ、2003年-2004年)
- 突然!サバイバル(テレビドラマ、2005年-2007年)
- ライフ・オブ・パイ(映画、監督:アン・リー、2013年)- 『大西洋漂流76日間』の著者、スティーブン・キャラハンがサバイバル・シーンのアドバイザーに起用された。
- サバイバルファミリー(映画、監督:矢口史靖、2017年)
出典
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- ^ a b 『米陸軍サバイバル全書 』(米陸軍省/編 三島瑞穂/監訳 鄭仁和/訳 並木書房 2002年4月 ISBN 978-4-89063-145-2)
参考文献
- 鄭仁和訳編 『アメリカ陸軍サバイバルマニュアル3サバイバル・ノート』朝日ソノラマ、1992年6月。ISBN 4257050802
- 米陸軍が歩兵の教育用に使っているマニュアルの部分邦訳。米軍が収集した実際の事例や学術・医学見地からの研究などといった情報を元に編纂されている。
関連項目
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