《 バイオ燃料 》

●生物から作るのがバイオ燃料で、ガソリンに代わるエタノール(アルコール)と、
 軽油に代わるバイオディーゼルがあります。
・石油と違い、うまく使えば永続的に使え、排気ガスも比較的きれいです。
 二酸化炭素も排出しますが、植物が固定していた分です。
・大量に生産するため、主にトウモロコシとさとうきびが使われます。
 食料や飼料になるとうもろこしの価格が上がり、
 トウモロコシを主食にする、中南米やアフリカの国々が困っています。
 トウモロコシ畑を増やすため、森が伐採され、オレンジなど他の畑への転換も進みました。
 
・廃材や排油からも作れ、それだと環境にやさしいことになります。
 
●アメリカは30年までに輸送燃料の30%をバイオ燃料にすると決め、増産を進め、税の控除をしています。
 アメリカはとうもろこし生産の4割、世界輸出の7割を占める世界一の生産国ですが、
 そのとうもろこしでエタノールを作り、ヘッジファンドなどの投機もあり、
 とうもろこしの値段が2倍に上がってしまい、
●とうもろこしは年6億トン作られ、その64%は家畜の飼料用です。
 とうもろこし畑1㎡で、収量が年1kgあり(日本は5kg)あり、
 とうもろこしの粒は、収量の半分程の量ですが、
 とうもろこしの収量2.5kg分でエタノールが1リットルできます。
 とうもろこしの生産には化学肥料や農業機械も使われます。
 
●ブラジルはサトウキビの生産世界一で、サトウキビからエタノールが作られ、
 ほとんどの自動車がカソリンでもエタノールでも走れるタイプになりました。
 ブラジルではガソリンが1リットル150円、エタノールが1リットル110円程で販売されています。
 既にサトウキビの半分がエタノール用になり、砂糖の国際価格は2倍に上がりました。
・さとうきび増産のため、森林伐採も増えています。
・さとうきび10kgから、砂糖は1kgできます。
 さとうきび10kgから、エタノールは1kgできます。
 
●ヨーロッパは植物油でバイオディーゼルと、穀物で作るエタノールがほぼ半々です。
 
●大豆によるバイオディーゼルは、とうもろこしのエタノールより、
 効率もクリーンさも上と試算されています。
 
●環境的にはベストなのは、レストランや家庭などの排油、建築廃材や間伐材などを
 使ったバイオデーゼルで、生協や環境重視派が推進しています。
 広く活用するには、供給と品質の安定など、さらに研究と支援が必要です。
 
●石油はエネルギーだけでなく、低コストで工業製品を作れるため、代替が大変です。
 研究と工夫。みんなの協力が必要です。

 



《 風力発電と原子力発電 》

●石油はあと40年程で枯渇し、その後、ガスも10年程で無くなりそう。
 ・無くならないという説も一部にあります。
 
●原子力発電は放射能の問題が解決できません。
 ・原発は世界発電量の15%を占める重要なエネルギーです。
 ・日本でも発電量の3分の1が原子力発電になっています。
 ・でも、放射能廃棄物が既に大量にたまり、最終処分場所がありません。
 ・ドイツ、イタリアなど多数の国で原発廃止が決まっています。
 ・核燃料サイクルの高速増殖炉は世界中で失敗。膨大な時間とコストをかければ可能性あり。
 ・もう一つの核燃サイクル、プルサーマルは、既にドイツで、
  悪効率、高コスト、廃棄物増大という結果で、原発中止も決まりました。
 ・最も危険な高レベル放射能廃棄物は結局、処理出来ません。
  何万年も安全な地層など無く、ガラス固化も技術が未完成です。
 ・原子力関係者は費用や安全面で長年ウソを付き続け、税金を浪費し続けました。
  安全といいながら、東京でなく、過疎地に多大な補助金を付けて作ります。
  六ケ所村再処理工場は予算7千億で、既に2.2兆円かけています。
  責任を取る人はもちろん一人もいません。
 ・英仏の再処理工場周辺で子供の白血病が多発しています(民間調査)。
 
  核燃阻止訴訟原告団へ   原子力資料情報室へ   原子力研究開発機構へ  
 
●チェルノブイリ原発事故(86年)
 ・シャラポワの両親など30万人が移住し、今も30キロ圏内は居住禁止。
 ・ロシアの事故処理従事者86万人中、5万5千人が既に死亡。
 ・10,500km2が555kBq/m2(15Ci/km2)を越えるセシウム-137に汚染。
  ベラルーシ7,000km2、ロシア2,000km2、ウクライナ1,500km2。
  28,000km2が185kBq/m2(5Ci/km2)を越えるセシウム-137に汚染。※関東地方位の面積
 ※ciはキューリー、ラジウム1g分の放射能。現在の単位はベクレルBq、1ci=370億Bq
 ・ベラルーシで子ども達の甲状腺癌が60倍に増加。当初、リンパ性白血病が多発、後に骨髄性白血病が増加。
  ベラルーシは国民の30%以上が甲状腺障害になった。
 ・炉を放射能ごと大量のコンクリートで閉じ込めた石棺の損傷が激しく、対応にせまられている。
 ・影響調査は今も進んでいない。原発関係の企業や機関は資金豊富で、マスコミ操作が可能。
  反対派は資金がなく手弁当だが、感情でなく、論理やデータ面の強化も必要。
 ・人間のすることに事故はつきもの。安全に気を配りつつ、確率とコストで選択するしかない。
 
 日本チェルノブイリ連帯基金へ
 
●原子力発電の現状
 ・世界発電量の比率(05年)  火力67.7%、水力16.3%、原子力15.1%、他0.9%
 ・原発発電量の多い国(07年) 1位米1億0606万kW、2位仏6602万kW、3位日4958万kW
 ・原発発電比率の高い国(07年)1位仏76.9%、2位リトアニア64.4%、3位ハンガリー56.8%
 ・一番大きい原発   柏崎刈羽原発、7機合計で8212MW
 
●環境を悪くしない、新エネルギーが求められています。
 
●色々研究される中で、順調に増えているのが「風力発電」
 世界中の風の強い地区に風力発電機を作れれば、
 世界電気総需要14テラワットの5倍の電力が得られます(米スタンフォード大調査)
 デンマークでは2割、ドイツでは4%が風力発電になっています。
 不安定な風、台風対策、騒音、景観、設置場所の権利など問題点もあります。
 陸や山でなく、海に設置する例が増えています。
 
●風力発電は大きいほど効率が高いため、羽根が100m級の2.5MWが増え、5MWの開発も進められている。
洋上風力発電

洋上風力発電
デンマークの洋上風力発電
  
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●08年の世界の風力発電
 世界で1億2079万キロワット
 1位米2517万kw、2位ドイツ2390万kw、3位スペイン1675万kw、
 以下、4位中国1221万kw、5位インド965万kw、13位日本188万kw
 
●08年新規導入量は1位米836万kw、2位中国630万kw、
 インド180、ドイツ167。日本は35で、風力発電機の7割程が輸入品。
 
●バードストライキング、鳥への影響
 ワシやタカ、日本ではトビなども風力発電の羽根に衝突して死亡するケースがある。
 初期の風力発電機が5千機以上並ぶ米カリフォルニア州アルタモントパスなどでは鳥被害が多発した。
 最近の大きな風車は回転速度が低下し危険性は大幅に減少した。
 設置場所の選定に配慮しつつ、対策と研究を重ねたい。
 
●他に燃料電池、太陽発電、バイオ発電、廃棄物発電、海流発電、地熱発電なども開発中です。
 ・廃棄物発電はごみを燃やす時の熱で蒸気を作り、タービンを回して発電する。
  03年度末廃棄物発電は一般廃棄物134.9万kW(257ヶ所)、産廃20.4万kW(65ヶ所)。
  ゴミを固形燃料にして燃やすRDF発電はトータル効率と事故で、一時停滞中。
 ・バイオマス発電は家畜の糞や食品廃棄物からメタン、廃材からエタノールを作って発電する。
 ・共に技術開発で効率アップをしないと、本当の節約にならない。
  
●太陽から地球に注がれるエネルギーは、人間が使っているエネルギー全部の1万倍!
 もっと活用できるといいんだけど、面積当たりのエネルギーが小さく、継続研究中。
 ソーラーカーとかのテストは応援してね。
  
●水素を使う燃料電池も自動車会社など多数が開発中。今はまだコスト高だけど。
  
●南海トラフなど日本近海の海底にたくさんある「メタンハイドレート」も注目の資源です。
 メタンハイドレートは天然ガスに似た成分のメタンで、白いシャーベット状をしています。
 量も多く、まだ試掘テスト中ですが、日本の研究はかなり進んでいます。
   メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムへ
  
●太陽が輝くのと同じエネルギーが水爆と「核融合」。
 核融合は、水素からエネルギーとヘリウム、中性子を出す。
 水素1gから出るエネルギーで、公式プール2個の水を一瞬で沸騰させられる。
 が、中性子のコントロールが問題で、実用は50~100年先とされ、挫折する可能性も高い。
  
 地球の植物も動物も、太陽エネルギーのおかげだから、
 エネルギーや生命の全ては核融合からともいえる。
 京大「ヘリカル式」の開発が進み、期待されている。
  
●原子番号の大きいウランやプルトニウムを、分裂させるのが原爆と原発、高速増殖炉。
 原子番号の小さな水素を、融合させるのが水爆と核融合。
 核エネルギーの大きさは、炭素や水素の燃焼に比べ、数100万から数億倍。
 その分危険が大きく、まだコントロールが出来ない。

 



   

  《 太陽発電、電気自動車 》

  
●やはり安全でクリーンなエネルギーが、太陽。
 植物も動物も、もちろん人も、生きられるのは太陽エネルギーのおかげ。
 石油もガスも電気も、間接的に太陽エネルギーのおかげだよ。
  
●太陽から地球に来るエネルギーは、人間が使う1万倍もあり、年に100000000000000kw。
 1時間分蓄えられれば、1年間使えることになる。
 欠点は昼夜、雲、季節などで変化の大きいこと。
  
●太陽電池はまだ変換効率が15~20%で、1㎡で得られる電力がおよそ100w
 太陽からは1㎡に1370wきているが、大気に吸収されたり、変換効率で減ってしまう。
 でも、ゴビ砂漠位の面積に太陽電池パネルを設置できれば、世界中のエネルギーをまかなえる。
 ちなみに植物の光合成の効率は太陽エネルギーの0.01%。
  
●平均的な住宅では3kwでだいたいの電力をまかなえ、
 屋根に24~30㎡の太陽電池パネルがあればOK。その設備費は200万円程
 住宅用の発電コストは現在48円で、まだ電気料金の約2倍
  
●日本は現在世界最大の太陽光発電国で、04年発電量が27万kw。
  
●太陽電池のソーラーカーはレベルアップしているものの、まだ居住性などが解決できない。
 発展のため、オーストラリア、鈴鹿、大潟村など各地でレースが開かれている。
  
  日テレ「鉄腕ダッシュ」のソーラーカー日本一周企画へ
  
   タミヤのソーラーカーキット
    タミヤのソーラーカーキット
  
●バッテリーで動く電気自動車は、慶応大のElica(エリーカ)が、
 最高時速370kmで加速、居住性ともハイレベル。
 8輪にモーターを内蔵し、800馬力。充電1回の航続距離300km。
 リチウムイオンバッテリー搭載。全長5100mm全幅1900mm全高1365mm。
  高性能電気自動車エリーカ
   慶応エリーカのサイトへ
  
●国際自動車連盟とギネス公認の電気自動車の最高速は時速396キロのWhite Lightning
 未公認では米オハイオ大のBuckeyeが504キロを記録。
  
●ガソリンエコカーでは日本のFancyCarolが1リットル4079km!走行の世界記録保持。
 そのFC98車は、もち一人乗りで重量28kg、空気抵抗Cd値0.12、エンジンは30cc1馬力。
 プリウスの実燃費18km/l程(10.15モード35.5km)もえらいが、その20倍以上
 製作した中野さんは元マツダのエンジニアで、ドライバーは奥様。
  エコカー世界一ファンシーキャロル
   ファンシーキャロルのサイトへ
  
●街を走る車で燃費が良いのは、軽のマニュアル車か小型ハイブリット車で、1リットル17~20km程
  
●より望ましいのはなるべく車を使わず、自転車やバス・電車の利用だけれど