人種の坩堝アメリカ。米国では英語以外どんな言語が話されているのか?米国多国語分布地図

2013年08月25日 ι コメント(35) ι 知る ι 歴史・文化 ι #

 

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 人種の坩堝(るつぼというよりサラダボウルらしい)と言われるアメリカは、母語として英語はあるものの、地域によってはそれ以上に母語が話されているところもある。米国税調査局は、国内のどこの都市で何語が話されているのか、正確に示したオンラインマップを公表した。同時に、英語以外の言語を話す人口の増加と、英語の習熟度の割合についても詳しい報告をした。
 


 2011年、ラングエージ・マッパーは、英語以外の言語15ヶ国語について、その言語を話す人々が、アメリカのどこに集中して住んでいるのかを地図上にドットで表した(1ドット=100人換算)。そしてそれぞれの言語に対して、英語があまり得意でない人たちの割合も示している。

■1.アラビア語
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■2.中国語
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■3.フランス語
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■4.ドイツ語
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■5.イタリア語
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■6.日本語
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■7.韓国語
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■8.ペルシャ語
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■9.ポーランド語
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■10.ポルトガル語
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■11.ロシア語
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■12.スペイン語
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■13.タガログ語(フィリピン)
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■14.ベトナム語
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 このマップによって、誰でもその地域で言語サービスを提供することが簡単になる。ビジネスにおいても顧客の要求に見合うための、容易にコニュニケーションをはかることがよりできるようになり、意思疎通が迅速になれば、助けが必要な人と確実にコミュニケートできる。学校や図書館は英語力を上げるための指導をしたり、その地域に多い他言語で書かれた教材も提供できる。

【New Census Bureau Interactive Map Shows Languages Spoken in America】
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■非英語人口の増加

 アメリカの人口の半分以上の58%が非英語圏出身者だが、英語もうまくしゃべることができる。2000年、英語があまり得意でない人の割合は8.1%から8.7%に増えたが、2011年は8.7%のままだ。2007年、英語以外の言語をしゃべる人の割合は17.9%から19.7%に増え、2011年には20.8%と増加傾向にある。アメリカという国を作っていくのに、英語以外の言語をしゃべる人たちの役割が増えていることがわかる。同時に非英語圏の人たちが増えても、英語の堪能な人の割合も堅持されている。

 2011年の調査では、英語以外の言語を話す人は全人口のうち6000万人で、そのほぼ3分の2(3760万人)がスペイン語だった。全世界的な傾向からいっても、スペイン語を話す人の割合は、2005年の12%から、2011年の12.9%に増えている。スペイン語を話し、英語が苦手な人の割合は5.7%から5.6%に減っている。

 この30年、アメリカで英語以外の言語を話す人たちは増え続けている。1980年から2010年の間で158%も増え、全世界の38%増に比べてもだんとつだ。ベトナム語も7倍に増え、17ヶ国語の中でも飛躍的な伸び率だ。逆にイタリア語、ドイツ語、ポーランド語、イディッシュ語の割合は減っている。
 

・2011年時点で、アメリカで話す人が100万人いる言語は、中国語(290万人)、タガログ語(160万人)、ベトナム語(140万人)、フランス語(130万人)、ドイツ語(110万人)、韓国語(110万人)○非英語言語をしゃべる人の割合は、カリフォルニア州の44%から、ウェストヴァージニア州の2%まで、州によってかなり差がある。

・対岸にメキシコが迫り、大都市圏につながるテキサス州ラレードでは、92%の住民が英語以外の言語を話す。

・西部、南部、北西部の都市部では、非英語言語の割合が高い。逆に中西部はイリノイ州を除いて低い。

・スペイン語を話す人たちの中で、米国に帰化した45%は、帰化していない23%より、英語を話すのがうまい。博士号を持っていて、貧困でないスペイン語圏生まれの人たちは、英語をとても上手に話す傾向にある。

・フランス語とドイツ語を話す人たちの80%以上は、英語を上手にしゃべる。逆に韓国語、中国語、ベトナム語圏の人たちで英語をとても上手に話す人は50%以下。スペイン語圏は56%。


 こうしたアメリカの地域調査によって、国中にまたがるすべての地域社会の人々や住まいの状況が統計として判明した。これは町のプランナーから小売業者、建築業者まであらゆる人が参考にできる。

 この調査結果は、教育、職業、言語、家系、住宅費などの40項目の聞き取り調査をしてはじき出したものだ。1790年に第3代大統領トーマス・ジェーファーソンが初めて人口調査を行って以来、こうした調査でアメリカを構成する人たちの詳しい特徴が毎年集められている。
via:buzzfeed 原文翻訳:konohazuku

 実際にパルモがアメリカにいた時も、南米スペイン語圏の人が大変多く、うっかり車で接触事故をした時、折衝した相手がスペイン語圏の人で、助手席に乗っていたメキシコ人の友人がスペイン語でその人と対応してくれたおかげで、最後には仲良くなって事なきを得たりもしたことを思い出してみた。情が深い人が多いんだよね、南米の人って。
 

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