終末論再び。早ければ45年以内に地球は滅亡する?
2013年10月26日 ι コメント(78) ι 知る ι 自然・廃墟・宇宙 ι #
前に書いた記事と重複するが、海外メディアでは、ハワイ大学の研究による今世紀中に起きる気象離脱を、地球の終末ととらえているようだ。以下はその記事を翻訳したものである。かなり大げさに書いているようなので、むしろ余裕をもって読んでみることにしよう。
人間が引き起こした世界的な温暖化は避けられず、今後50年でますます危険なレベルになっていく。熱帯地方の気温は7度も上昇し、多くの人々や住む場所を追われ、絶滅の危機に陥る生き物も出てくるだろう。ニューヨーク、ロンドンなどの主要都市は、これまで経験したことのないような高温世界を生き延びるために知恵を絞らなくてはならない。
地球は急速に終末に向かっている。最近ハワイ大学のカミロ・モラ氏ら研究チームの発表によると、ニューヨークやロンドンのような大都市が、人間が引き起こした気候変動のせいで、45年以内に住めなくなるという。
人類危機のシナリオはこうだ。全世界的な温暖化のせいで気温が上昇し、今住める場所に住めなくなった難民たちが大挙して不法に国境を越える。最後の審判の日は刻々と近づいていて、気候変動の最初の兆候はもうこの10年で表れるという。時計をもとに戻すにはすでに遅すぎ、最低気温の年がこれまで一番気温が高かった年よりも暑くなる世界に対する準備をしなくてはならない。
たとえ、すべての資源を活用して炭酸ガスの排出をストップしたとしても、この運命を変えることはできず、終末の日が多少延びるだけだとしている。気温上昇による生活の激変は、ニューヨークでは2047年、ロスでは2048年、ロンドンでは2056年までに始まると予測する。ただし、有害な温室効果ガスの排出量をコントロールできるなら、ニューヨークは2072年まで、ロンドンは2088年まではなんとか気候変動を食い止めることができるという。
研究チームは、世界の265の都市のうち、最後に気候が激変するのは、5年の範囲の誤差で、アラスカのアンカレッジの2071年とはじきだした。地球温暖化の中心は熱帯地方で、まずインドネシアのマノクワリで2020年までに気温の上昇が始まるという。
私たちは現在の気候に慣れているため、気候が急激に変化したら、現在の居住ゾーンからどこかもっと快適な別の場所に移住しなくてはならない。これは人間だけでなくほかの動物にとっても同じだ。2050年までに10億から50億の人が、未知の気候の中で生活するはめになるという。最初にこの劇的な気候変動の影響を受ける国々は、それに対応できる経済力がそれほどない国、しかも皮肉なことにこうした気候変動にほとんど責任のない国となる。
この研究は、気候変動についての理解を広め、多様な生物への重大な影響を警告し、緊急にアクションをとらなければならないことを示している。
温室効果ガスの放出量を調べてきた気象科学者たちがもっとも注目したのは、ホッキョクグマなどの野生動物や海水面に影響を与える北極の急激な温暖化だ。さらに深刻なのは、世界の人口の大多数が集中する熱帯地方に住む人たちへの影響だ。彼らは地球温暖化にはほとんど責任がない。
すでに現在でも気温の高めな熱帯地域では、2、3℃気温が上がっただけで、生態系のバランスが崩れたり、農作物の不作、病気の蔓延、気温の低い地域への大規模移住などが起きる可能性がある。
例えば、記録では世界全体が一番暑かったのは2005年だった。それが2047年までに、世界は毎年この記録的暑さよりさらに暑くなるという。熱帯はほかの地域よりも16年も早く気候変動が起こり、早いところでは2020年に始まる。このまま人類が化石燃料を燃やし続けると、2047年までに世界の気温は7℃も上がることになる。温室効果ガスの排出が抑えられれば、それを20年遅らすことができるというが、多くの生物にとって危機的であることには変わりない。高速を走っていて前方に障害物があったら、アクセルとブレーキのどちらを踏むだろうか?
ゆっくりしたスピードで障害物にぶつかったら、車や運転手のダメージは最小におさえられるだろう。同じように、ゆっくりと温暖化に突入すれば、生態系への壊滅的な影響を多少は緩和できるかもしれない。
この研究予測は地域によって違い、全世界同時に起こるものではないが、せいぜいその誤差は前後5年だという。生き物に残された選択は、より気温の低い地域に移動するか、暑い気候に適応するか、絶滅するしかない。しかし、飢えて絶望した人々が大挙して南や北へ逃げ出したら、国家間で争いが起こる可能性がある。すでに現在でも簡単には越えられない政治的な境界線があり、急激に気候が変わったからといっても、例えばメキシコのように、簡単にアメリカに入国することができない国もある。
モラたちは海水の酸性化というひとつの尺度によって、地球はすでに新しい気候に突入していると結論づけた。2008年頃に始まり、それ以降毎年、海水はこれまでよりも酸性化しているという。気候の変化に弱いサンゴ礁がまず2030年頃に新たな気候の打撃を受ける。
ペンシルバニア州立大学の生物学者、エリック・ポストは、モラたちの研究の正確性に疑問をはさむが、ジョージア工科大の気候科学者ジュディス・カリーは、国連が先月提出した気候変動政府間パネルの膨大な報告書よりも、モラたちの報告のほうが理にかなっていると言った。ペンシルバニア州立大学の気象科学者マイケル・マンは、実はこの報告は、危険な気候変動への入り口をいかに私たちが越えようとしているのかについて、逆に極端に楽天的なシナリオを提示しているとも考えられる。見方によってはすでに私たちはもうすでにこの悲劇の真っ只中にいるのかもしれない、と言う。
via:dailymail・原文翻訳:konohazuku