民主主義がいかんなくその効力を発揮するための必須条件というのは、国民が愚民ではないということです。もちろん、全員が賢明な国民であれば申し分ないのですが、しかし、そんなことはまずもってあり得ませんから、せめて最低限の常識と判断力を兼ね備えた人々の数が大半を上回るところまで達してほしいものだと願わずにはいられません。
でも、現実はどうかと言いますと、目先の欲に振り回されやすく、そのせいで騙されやすく、頭をかち割ってみたところで理念や正義のかけらも見いださせない、損得勘定でしか動けない、それはもう情けない限りの人間が圧倒的なのです。
【完全犯罪組織票超絶無効原理原則憲法必要】
そしてさらに始末が悪いことに、多数派という理由だけで、かれらが良識派として堂々と罷り通ってしまっているのです。つまり、こうした現状がつづくあいだは、公平を装った選挙をいくら重ねてみたところで、本当に国のためになる正しい答えなど出るわけもありません。いつまで経っても社会が真っ当な方向へ進まず、その逆の結果しか出せない所以はそこにあります。
また、愚民をそうでない人間に変えることは至難の業で、啓蒙運動とやらに生涯をかけた立派な人たちもいることはいたのですが、そして今もいるのですが、残念ながら効果のほどについては徒労としか言いようがありません。むしろ、後退現象が深まっているように思えます。
だからといって、民主主義を凌ぐ主義が見当たらない限りは、何が真っ当な道であるかを言いつづけることをすっかり諦めてしまうわけにもゆかないのです。