数千年を経ても、世界は少しも良くならないばかりか、むしろ、真の姿の幸福からますます離れつつあるのは一体全体どうしてなのでしょう。文明がもたらした利便性によって幸福の方向へ進んでいないばかりか、悲劇へ向かって突き進んでいるように見受けられるのはなぜでしょう。
幸福を求める人間の欲というものにきりがないからなのでしょうか。それとも、真の幸福の何たるかを知らないからなのでしょうか。もしも欲望の奴隷となって、煩悩のあれこれに操られて、盲進の人生を送っているだけだとしたら、その望みを叶えてくれると空約束をする宗教にすがりついてみたところで、結局は魂をまるごと奪われ、財産をかすめ取られてしまうだけのことです。
真っ当な理性の働きというものが実際に存在したならば、とうの昔に戦争がなくなっていたことでしょう。人間世界の実相というのは相変わらずひどいものでありつづけています。軍隊という名の暴力組織が世界を牛耳っており、戦争こそが現実を代表するものになっていて、世界の大半の人々は「恒久平和」をお題目のように唱えながら、そのくせ、現実は動かしがたいからという理由で、不承不承それを認めてしまっており、ために、この危うい惑星は、天災のみならず、それをはるかに上回る犠牲者を出す人災の脅威にのべつ晒されているのです。
人間を人間と呼べるようになるのは、少なくともこの地上から戦争をきれいに消し去ったときでしかありません。それまでは、悪魔的な野獣という存在でしかないでしょう。
幸福を求める人間の欲というものにきりがないからなのでしょうか。それとも、真の幸福の何たるかを知らないからなのでしょうか。もしも欲望の奴隷となって、煩悩のあれこれに操られて、盲進の人生を送っているだけだとしたら、その望みを叶えてくれると空約束をする宗教にすがりついてみたところで、結局は魂をまるごと奪われ、財産をかすめ取られてしまうだけのことです。
真っ当な理性の働きというものが実際に存在したならば、とうの昔に戦争がなくなっていたことでしょう。人間世界の実相というのは相変わらずひどいものでありつづけています。軍隊という名の暴力組織が世界を牛耳っており、戦争こそが現実を代表するものになっていて、世界の大半の人々は「恒久平和」をお題目のように唱えながら、そのくせ、現実は動かしがたいからという理由で、不承不承それを認めてしまっており、ために、この危うい惑星は、天災のみならず、それをはるかに上回る犠牲者を出す人災の脅威にのべつ晒されているのです。
人間を人間と呼べるようになるのは、少なくともこの地上から戦争をきれいに消し去ったときでしかありません。それまでは、悪魔的な野獣という存在でしかないでしょう。