一章 土豪編
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第三十六話 内政②
結論から言うと、税額を収入の四割五分にまで減税する事にした。
具体的には、まず十分の一位税を廃止した。
これは領主とは別に神に捧げると言う名目で、強制的に収入の一割を税として納める仕組みである。
次に結婚税、出産税、死亡税(相続税は別)、領内通行税などの、理不尽な税目も廃止する事にした。
特に結婚税と出産税は人口増加を抑制する原因にもなるので即刻廃止だ。
逆に金銭と食糧に余裕が出来たら、出産祝い金でも出そうかと思っている程だ。
以上で、恐らく一割五分程度の減税になるだろう。
これを平均的な領民の年収から計算すると、年間で金貨五枚程度、手元に残る金が増える事になる。
今まで一月の生活費が金貨一枚半だったのだから、生活費三ヶ月分以上の収入が実質増える事になるので、これでそれなりに民の暮らし向きは良くなるはずだ。
また今回の戦で被害を被った村々には、特別に見舞金と食糧を提供する事にした。
特に、ここヤコブーツクとウスリースク周辺は、クレンクフ領と距離か近い事もあり、働き手が無くなったり、金銭や食糧を徴発されたと言うケースが少なくないので、特段の配慮を配るようにと伝えてある。
【増収案】
これで家畜の数を増やせれば毛織物業も興せそうだし、さらに製紙業にも手を伸ばせば、農業以外の柱を作る事が出来るかもしれないなと。
だがそれは実現出来ても数年先になるだろう。
【農業革命18C英国】
ノーフォーク州。大麦→クローバー→小麦→かぶの順に4年周期で行う四輪作法
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