若い者が最初から確固たる社会的立場を築けるはずはなく、そこからくる心の不安と精神の不安定は当然至極なのですが、そしてそれはああでもないこうでもないと試行錯誤を重ね、さまざまな人間と出会い、いろいろな体験を深めてゆくうちに自然とあとからついてくるものなのです。まだスタートラインについたばかりなのに、人生の終わりまで見通せたような、最終的な答えが出されたような、あるいは、おのれの能力の限界を悟ってしまったような、そんな否定的な結論にしがみつくのは、性急に過ぎるどころではなく、おっちょこちょいの最たるものと言えるでしょう。
まして、その結論から芽生えた、これまた大仰な劣等意識に苛まれ、その裏返しである虚勢に振り回されて、こんなに優秀な自分を疎外する社会がそもそも間違っているのだという責任転嫁を図り、みるみる身を持ち崩す方向へと後退し、実家にこもって親の金で食べながら、ネットの世界のあちこちに巣くう妄想の世界へと逃避しているうちに、現実との境界が見定められなくなり、ありとあらゆる破滅の道を辿るようになります。
そのひとつとして、無差別殺人があり、また一方においては、国家権力を過剰に取りこむことによって、つまり、あまりに心の狭い民主主義や愛国主義にのめりこみ、わが祖国を命を張って守るというようなたぐいの劇画的な大言壮語に浸ることで、自身のなかに横たわる劣等意識を帳消しにしようとします。しかし、いずれも子ども染みた暴力のはけ口を求めることで胸のもやもやを解消しようという、極めて危険な発想であり、挫折と破滅は目に見えています。とりわけ後者は、国家の支配層に便利な道具として利用されるばかりで、かれらの都合次第でいつでも切り捨てられるという憐れな運命にあるのです。
まして、その結論から芽生えた、これまた大仰な劣等意識に苛まれ、その裏返しである虚勢に振り回されて、こんなに優秀な自分を疎外する社会がそもそも間違っているのだという責任転嫁を図り、みるみる身を持ち崩す方向へと後退し、実家にこもって親の金で食べながら、ネットの世界のあちこちに巣くう妄想の世界へと逃避しているうちに、現実との境界が見定められなくなり、ありとあらゆる破滅の道を辿るようになります。
そのひとつとして、無差別殺人があり、また一方においては、国家権力を過剰に取りこむことによって、つまり、あまりに心の狭い民主主義や愛国主義にのめりこみ、わが祖国を命を張って守るというようなたぐいの劇画的な大言壮語に浸ることで、自身のなかに横たわる劣等意識を帳消しにしようとします。しかし、いずれも子ども染みた暴力のはけ口を求めることで胸のもやもやを解消しようという、極めて危険な発想であり、挫折と破滅は目に見えています。とりわけ後者は、国家の支配層に便利な道具として利用されるばかりで、かれらの都合次第でいつでも切り捨てられるという憐れな運命にあるのです。