- テーマ:思想
ポジティブ思考があなたを洗脳していませんか?
Is Positive Thinking Brainwashing You?
2014年2月12日【noomi】http://www.noomii.com/articles/4466-is-positive-thinking-brainwashing-you より翻訳
( Monika Walankiewicz、 Chicago Life Coach著)
無理矢理ポジティブに考えようとする場合、それが裏目に出る場合があります。ここに、ポジティブ思考の落とし穴を避ける方法をいくつかあげてみました。
ポジティブ思考は、本当は洗脳の一種なのではないかと感じたことはないですか?たとえば、ポジティブ思考とは、マインドコントロール(洗脳)の類で、想像上の日没に向かって何も考えずに行進するハッピーなゾンビに変えてしまう単なる想像上の世界なんじゃないかと。
そこの冷笑家の方に言いますが、そうではありません。しかし、もしポジティブ思考に走り過ぎて、自分の感情や気持ちにおかまいなしに、一日中ずっとバラ色のレンズの眼鏡を無理やりかけるようなことをしていたら、少しそうなるかもしれません。経験されたことのある方も多いのでは?
楽観的でいることの利点はみなさん、ご存知でしょう。楽観的な人は、より健康的で長生きし、よりよい社会生活を送り、もっとお金も手に入れる上に、困難な経験をした後もすぐに復活する・・・これを望まない人なんているでしょうか。私だったらこんな生き方がしたいです。
そんなわけで、あなたを悩ませているすべてのことを「手放し」、ポジティブなアファーメーション(肯定文)を繰り返し、あなたを不当に扱った人のすべてを「許し」始めます。
結局のところ、すべての悩みはポジティブな視点からみることができますから。そういうことですよね?それがポジティブ思考ということなのではないでしょうか?
そしてあなたは、数日、あるいは数週間、(ポジティブな方向に)進み続けます。そして突然ある日、あなたは音を立てて崩れ落ちます。
もうこれ以上、「ポジティブ」でなんていることに我慢ができなくなるのです。上司は大嫌いだし同僚には腹が立つ。道路は渋滞していて経済は低迷している。
そういったことを全部無視して、「ポジティブなアファーメーション」で覆い隠すことで何かが変わるなんて考えるなんて、どうしてそんなにうぶでいることができたのでしょう。
あなたは臆病になり、ポジティブ思考なんて意味のわからないものは全部、終わらせてしまいます。結局、あなたはあなたであり、現実主義者だったのです。ありがとうございました。
・・・ここで一体、何が起こったのでしょう?お決まりの「ポジティブ思考」から、あなたのネガティブな感情が表面に出てきて、あなたを濡れた毛布のように包み込むような状態に収まってしまうのは、よくある話です。
その理由は?それはあなた自身のネガティブな感情を抑圧し、抑制していたからなのです。ポジティブ思考とは、自らに課した「幸福感」という拘束衣で固定することではなく、健康的なバランスを取り戻すために自分の感情を感じて、それを健康的な方法で手放しながらも、ポジティブな焦点を受け入れることなのです。
ヒントになりそうなテクニックをいくつかここにまとめました。
*自身が感情を感じることを受け入れます。あなたの悲しさや不安感、怒りなどを感じる時、しっかりと感じるのです。そして、自分の感情に好奇心を持ちます。それはあなたの身体のどこに位置していて、何をあなたに伝えようとしているのでしょうか?何度か深呼吸をして、その感情を感じ取ります。全身で感じるのです。ネガティブな感情を持っても大丈夫なのです。幸せな人でもみんな、ネガティブな感情は感じるのだということに気がついてください。
*カーラ・マクラーレンのメソッドは、感情と結びついて、それを表現するための素晴らしいものです。彼女の主なメッセージとは、感情は私たちのガイドとして扱われるべきであり、抑制したり、過度に表現することは役に立たないということです。
カーラさんが指導する瞑想や視覚化によって、ご自分の感情を処理する手助けとなるでしょう。カーラさんの本、「The Language of EmotionsThe Language of Emotions(感情という言語)」はとてもお勧めです。
*信用できる友人に話してみてください。ネガティブさを洗い流し、暗い場所に入り込んでそこに居続けないようにするために、ネガティブな感情を発散させることを自分に認めてあげましょう。
*ネガティブな感情について、記録(日記)をつけましょう。自分の気持ちを表に出すことは、信用できる友達やセラピスト、コーチなどに話すのと同じくらい効果がありますので、ご自分を悩ませていることについて書き出しましょう。研究ではその効果が証明されており、また私の個人的な経験からもこれは効果的であると言うことができます。
*視覚的な方法でそれを表現しましょう。自分が感じたことを絵に描くだけです。悲しい時は、その悲しさを絵にしましょう。怒っている時は、その怒りを絵にします。お絵かきは誰でもしますよね。会議の最中やデスクででもできます。数分あればできてしまいます。あなたの体から毒素を排出させるようなものです。
*iPadなどで、ガイドつきの瞑想方法を聞いてみましょう。仕事場でも、移動中でも車の中でもできます。ガブリエル・バーンスタイン(Gabrielle Bernstein)さんは、iTunesで入手できるグッド・フィーリング瞑想を提供しています。
*祈りの言葉を唱えましょう。目を閉じて深呼吸し、「どうかこの()を私から取り除いてください」と言います。例えば、「どうかこの恐怖心を私から取り除いてください」など。
このようなテクニックを使われたことがありますか?役に立つと思いましたか?ご経験を教えていただけると嬉しいです。
(翻訳終了)
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【コメント】
米軍では、兵士に対して「ポジティブ思考」で洗脳しているそうです。
「American Soldiers Brainwashed with "Positive Thinking」
米軍内で増加する一方の鎮静剤の処方の量を減らために、アフガニスタンやイラクなどの戦地に赴く前に「ポジティブ思考」を植え付けるのだとか。
・・・人を殺しに行くのに、ポジティブになってもらっても困りますが。
退役軍人などでPTSDや精神分裂症、うつ病などに苦しむ人が多いそうで、なんとかしてあげたいというのはわかりますが、最近の映画「アメリカン・スナイパー」などのようなプロパガンダ映画で戦闘ムードを盛り上げて、ポジティブ思考を植え込み、戦地から心身ともにボロボロになって生還した兵士は十分な補償もないまま、使い捨て・・・
これはポジティブ思考が明らかに乱用されている例ですよね。
でも普通の生活をしている中では、ポジティブに考えられるに越したことはないと思いますが、上記本文では「臭いものには蓋をしろ」的な発想で、生活する中でネガティブとされる感情を無視・軽視することにより、その感情が後に爆発することが警告されています。
そうではなく、悲しい時は思いっきり悲しみ、怒った時もその怒りを無視せずに、しっかりと怒りの感情を受け入れた上でポジティブでいよう。難しい場合は、外からの助けも受け入れようということだそうです。
私自身は、ネガティブな感情も、大事だと思います。悲しみを経験することで、他の悲しんでいる人の気持ちがよく理解できるようになりますし、怒りや不満感もその矛先を生産的な方向に向けることで、生きる活力に変換することも可能です。
不安を感じる時は、その不安がどこから来ているのか掘り下げ、その問題から対処するべきでしょう。恐怖心は現実に存在するものではなく、頭の中で作り上げられたもので、実際に存在しうる危険性とは全く異なるものなので、危険性と恐怖を混同しないようにしたいですね。危険性は生き延びるために必要な感覚です。
そして何より、辛い時期こそ人間としていろいろと学べることが多いですし、自分という人間を理解する手助けにもなりますが、そのためにはネガティブな感情に真っ直ぐに対峙する必要があるのではないでしょうか。
(あまりにもそれが長く、あるいはきつい場合は、信頼できるセラピスト・ヒーラー・カウンセルの方、あるいはフラワーレメディなどの力を借りるのもありだと思います)
「人生で起こる嫌な出来事に感謝しよう
嫌なことがあるからこそ、
今まで注意を払っていなかった素晴らしいものが見えるようになるのだから」