■ 「積分」に関する知識を強化する!
普段の生活には全く縁がないと思われる数学知識ですが、市場分析という
世界に足を踏み入れたのであれば無関係とは言えない知識になるでしょう。
でも今更学生時代の教科書を引っ張り出すには・・ (ノ_・。)
あ~微分って難しくてわからなかったなぁ・・
と知識の取得を諦めてしまう方も多いことでしょう。当コンテンツは、そんな方々
へお贈りいたします。
■ 今回扱う知識以外に必要な知識
参考 : 微分の知識
■ 今回扱う知識は「定積分」
【積分が何を意味するかを把握しよう】
積分を行うということは面積を求めることだということを最初に解説しました。
その内容は下記記事から参照してくださいね (^-^)/
参考 : 積分とは何か?
そして積分は微分と深いかかわりを持ちます。微分は関数の傾きを求める
ものでしたが、それがどのように関わって最終的に面積を求めることになる
のかを定積分というものをベースに解説していきます (^-^)/
【微分と積分と面積】
まずベースとなる関数を f(x)=x と簡単な関数で考えてみましょう (^-^)/
そして x が2~3の部分に限定して微分と積分を考えてみます。まずは微分
ですが、その区間の微分は、
と考える事で『傾き』として導くことが微分でした。ここまでは微分の知識です。
対して積分はどうでしょうか?積分は面積を求めるとしてますので、2~3の間
の面積とは、
となりますよね。これを数式として表現して計算していくことが積分となります。
ただ、 f(x)=x の場合は直線になるので台形として考えれば面積を求めるの
も簡単な気がしますが曲線の場合は難しそうです。では求め方が違うのか?
実は関数が直線でも曲線でも積分の計算は同じ
なのですよ。ちょっと理解し難い感じがすると思いますが下記のように考えれば
なるほどと思えるかと思います。なるほどと思える考え方とは、
面積を短冊のように求める (ノ゚ο゚)ノ
ことです。これを図として表現しましょう (^-^)/
この短冊は間の空間がありますが無いものと思ってください (;^_^A
そして直線でも曲線でも細い短冊をビッシリ敷き詰めれば精度の高い面積
表示になるわけです。
上図は f(x)=x^3 の曲線に細かい短冊をビッシリ敷き詰めたグラフです。
積分の面積を求めるというイメージは以上のように考えておきましょう ('-^*)/
では次に計算のプロセスに移ります!
【積分の計算】
積分の計算は微分を意識することになります。それは途中で気付くと思います
ので先に数式表現と計算のプロセスを解説しましょう♪
まず数式表現ですが最初の記事で f(x)=x の積分を、
と表現しました。 ∫ はインテグラルと読み積分を意味する記号です。上記数
式の場合は、関数 f(x)=x を積分するということになります。では、
積分は面積だけど、どの部分の面積を求めるの?
となりますよね。そこで面積を求める区間をパラメーターとして設定した数式表
現がでてくるわけです。例えば、関数 f(x)=x のおける 区間a~区間b の
面積Sを求めるという数式表現は、
となります。ちなみに、区間a~区間bの a と b には区間設定可能な範囲なら
何でもOKです。例えば、
例1 ⇒ -∞ ~ +∞
例2 ⇒ 0 ~ 2π
と指定しても良いのですねえ。上記式は関数の中身 x を直接代入していますが、
関数 f(x) の形式として、
とも表現されます。関数の中身が長い場合なんかはスッキリしますよね o(^▽^)o
そして次に来るのは計算プロセスとなります。
【積分の計算は微分を意識する】
積分の計算は結局のところ微分を意識することになります。これはプロセスの途中
で必ず気づきますので、まずは順に計算プロセスを解説していきます。
積分の計算は以下の手順を踏みます。
関数 f(x) の積分は関数 F(x) に変換されて区間を加味した計算をしていること
がわかります。関数 F(x) とは何かを解説する前に F(b)-F(a) のイメージを先
に解説しましょう。これはイメージとして表すと非常に単純に理解できます。
f(x)=x の区間2~3を例としてみますと、
区間0~3までの面積から、
区間0~2までの面積の差をもって、
区間2~区間3までの面積を求めるというイメージになります。これは非常に
簡単に理解できますね (^O^)/
ということで最後の難関である f(x) を F(x) にする部分です。まず実際に
f(x)=x の区間2~3までの面積を求めてみます。単純に1辺が1の三角形
と2×1の長方形なので面積は2.5ですよね!
それを積分として計算すると・・
となるのですねえ。どうやらF(x)に変換されると x が二乗され1/2が乗算され
ているようです。実はF(x)とは、
微分すると関数 f(x) になる関数が F(x)
なのです。そして、
は微分・積分法の基本公式と呼ばれるのですねえ。また、区間を指定して積分
を行うことを定積分と呼びます。さらに、F(x)を原始関数と呼ぶことになります。
原始関数とは、微分するとf(x)になるので、その元の関数という意味です。
【積分の注意点と様々な積分】
積分の注意点としては、微分するとf(x)になる原始関数F(x)ということは原始関
数に定数項があったかどうかがわかりません。例えば、
f(x)=x の原始関数を考える
⇒ F(x)=1/2x^2
⇒ F(x)=1/2x^2+1
⇒ F(x)=1/2x^2+19
と原始関数は定数項があるとすれば無限に考えられます。ただ、定数項は関数
の値に対して加算・減算するだけの存在なので単なる下駄要素と考えれば良い
ことがわかります。そこで下駄要素として C と記述することがあります。このC
を積分定数Cと呼びます。これを踏まえて様々な積分パターンを載せておきます。
これらは基本なので押さえておくと便利かと思います。積分は微分が理解でき
ていないと理解に苦しみます。計算プロセスに微分が関わってくることから積分
と同時に微分の復習をすると早く理解できるようになると思いますよ (^-^)/
もっと理解を深めたいのであれば、微分と積分をある関数をもって対応個所を
考えながら自分で自分に解説してみることです。微分と積分の違いと共通点を
そうして明確にすることで理解が進むと思います。
【次回への布石】
積分と総和について次回は考えます。積分と総和は似て非なるものです。背景
には連続値と離散値があるのですが、どこがどう対応して何が違うのかを解説し
ていきますね ('-^*)/