ここまでに疑似乱数を使用した想定する分布に従う値の出力と、
確率的背景を伴う意味のある価格を導いてきました。
参考 : モンテカルロシミュレーション その1
参考 : モンテカルロシミュレーション その2
今回は推定値の精度を上げる方法を解説していきます。またもや
Excelファイルを使用するのでダウンロードして操作しながら読んで
くださいね (^-^)/
記事で扱ったExcelの処理はExcelファイルダウンロードサービス内にて
ダウンロードできます
今回のファイル名 : 正規分布シミュレーション
※ ファイルの反映に時間がかかる時があります
☆☆訂正☆☆
申し訳ないですが一部数式に間違いがあります。
セルO12に
=IF(AND(N11<(1-$B$6)/2,N12>=(1-$B$6)/2),J12+$B$5,IF(AND(N11<1-(1-$B$6)/2,N12>=1-(1-$B$6)/2),J12+$B$5,""))
を張り付けて下にコピーしてください m(_ _ )m
☆☆訂正☆☆
【サンプル数を増やしてみる】
モンテカルロシミュレーションは本来、何度も何度も計算を疑似乱数を用いて
計算を繰り返し、最適だと思われる推定値を導く技術なのです。
ちなみに、Excelファイルではサンプルが250しかありません。モンテカルロ
シミュレーションに近いことをするためには、
1・・VBAによって繰り返し計算を行い推定値を導く
2・・サンプル数を増やす
しかありません。できれば1を採用したいですがVBAを解説するには時間もか
かるのでサンプル数を増やす方を採用します。サンプル数は15000にしてみ
ますね。そして250サンプルと比較してどう違いがあるかを観察しましょう (^O^)/
【シミュレーションの前に】
まずExcelファイルのサンプル数を増やします。そのためにダウンロードしたExcel
ファイルを別名で保存してサンプル数250版のExcelファイルとサンプル数15000
版Excelファイルの2ファイルを作成してください。
そして、15000版Excelファイルに対して以下の操作を行います!
ⅰ) A列のNoを15000まで延長
ⅱ) E列とF列がセル結合しているのでE列とF列の全行のセル結合を解除してください・・
ⅲ) A列のNo15000までB~E列のデータを下にコピー
ⅳ) セルK11に下記式をコピーして下に全てコピー
=FREQUENCY($C$11:$C$15010,J11:$J$611)
ⅴ) セルB4に下記式をコピー
=COUNT(C11:C15010)
ⅵ) C列のC11~C15010までをコピーしてメモ帳にコピー
ⅶ) メモ帳にコピーした値を再度C11~C15010に上書き
ⅷ) サンプル250版ファイルにもメモ帳にコピーしたデータをC11より上書き
これで同じデータに対してサンプル数250版とサンプル数15000版を比較する
ことができます。
面倒な方は解説だけ読んでくださいね (;^_^A
【サンプル数による推定値の違い】
サンプル数250とサンプル数15000とでは、どの程度推定値に違いがでる
のでしょうか。それを確認してみましょう (^O^)/
サンプル数250版
サンプル数15000版
サンプル数15000版の予想下限・上限の方が範囲が広がりました。さて
どちらが信頼できる値なのでしょうか?
それは分布を見るとわかります (°∀°)b
ちなみにExcelファイルに使用しているExcel関数については下記記事を
参照してくださいね (^-^)/
参考 : 数式に対応するExcel関数
参考 : ヒストグラムの作り方
サンプル数250版
サンプル数15000版
想定した分布は正規分布でしたよね。それに近い方は15000版の方に
なります。つまり、想定した分布に近ければ近いほど想定した分布に従っ
た値となります。この場合は15000版の方が信頼度が高いことになりま
す。サンプル数を増加させるほど想定する分布に近づいていきます。
よってシュミレーション回数が重要 (ノ゚ο゚)ノ
になるわけです。今回はExcelのセルベースなのでシミュレーション回数と
はサンプル数を指します。かなりのシミュレーション回数を行いますと、
推定値が収束 φ(.. )
してきます。その値をもって明日の価格の可動領域を推定するわけです。
これがモンテカルロ法によるリスク計測の最も簡単な事例です。実は、
モンテカルロ法自体は繰り返しの演算と収束する値を取得するだけなの
でアルゴリズムとしては簡単です。何が難しいかといいますと、
想定する分布 Σ(゚д゚;)
なのですよ。そうである理由は明白で、価格変動は正規分布に従わないか
らです。つまり、より価格変動を再現する分布をもってシミュレーションしな
ければいけないのですねえ (ノω・、)
そして、その想定する分布の問題を考慮しつつ、モンテカルロ法を活用する
ことで記事の目的である、
残り50%の検証
を行うことになります。