I 罠 get であります!

この度「リク魔人」の妄想宝物庫様 のseiさんより、

罠を奪取して参りました☆(ノ∀<)


文章構成力皆無のため色々とツッコミどころ満載です。

広い御心で読んで頂けたらと思います。


遅々として進みません。ダラダラとした文章が続いており、

自分でもなんじゃこりゃなものになってまいりましたwww

どう収拾をつけるつもりなのかは私にも謎です!!!

どこにいくかはわかりませんwww

そんなのでもいいよ!という心の広い方のみ閲覧お願いします。



それでは以下より本文です。



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a dense fog



窓から眩しいくらいの朝日が差し込む。



「昨日私、敦賀さんと…。」



ディープキス、したのよね…。


私の願いは叶った。十分すぎる思い出を貰えた。

なのに…なんでだろう。

自分の望んだことなのに、その結果得たものは小さな希望と大きな絶望だった。


思い出は得た。気持ちに区切りをつけて、沈めてしまおうとも思った。

けれども自分で願って得たそれは、より一層私の心を餓えさせる。



「今は、敦賀さんが近くにいるから…。

ハリウッドに戻ったら、その内落ち着くわよ…。

ちゃんと区切り、つけるって決めたんだから。」



でも自分の思いを告げてしまった方がよかったのかもしれない。

その方が気持ちとしてはすっきりしたのかもしれない。

しかし敦賀さんにとっては迷惑でしかないし、気まずくなってしまう。

後輩としては、これ以上ないほど目をかけてもらっているのに、

その繋がりを失ってしまうのが恐かった。

行動には移せないのに気持ちばかりがどんどん餓えていく。



「あとどのくらい耐えれば…この気持ちに終止符が打てるのかしら。」



苦しい、痛い。寂しい、辛い。

自分の限界が近くまで迫っているような気がした。


思い詰めながら仕事に向かう準備を終えたところで、

チャイムの音が部屋に響いた。



「お早うございます、社さん。」


「…お早う、キョーコちゃん。…もう、大丈夫?」


「…はい、ご心配おかけしました。今日こそ、終わらせます。」



そう、今日で最後にしなくちゃならない。仕事なのだから。

自分に喝をいれて、京子としてしなければならないことを反芻する。

いつも通り車に乗り込み、いつも通り現場へ行く。

敦賀さんへの思いもおしまいなのだと、自分に言い聞かせる。



「ああ、そうだ!昨晩監督から連絡があってね?

ちょっと変更があるみたいだよ。詳しいことは現場に着いてから説明するって。」


「変更ですか?なんでしょうね。わかりました、有難うございます。」



到着した現場では既に撮影準備が終わっていた。



「お早うございます。監督、色々ご迷惑をおかけしてすみません。

今日こそは演じきりますのでどうぞ宜しくお願いします。」


「ああ、京子ちゃん、お早う。ああ、そのことなんだけど…。」


「俺の方から説明させてもらいますよ。

お早う、京子ちゃん。昨日はごめんね。」


「氣比さん…お早うございます。説明って、どういうことですか?」


「うん、まぁ立ったままじゃなんだから、あっちの椅子に座って話そうか。」


「はい…。すみません社さん、ちょっとあちらに行ってきますね。」


「え、大丈夫…?」


「スタジオの隅ですし、大丈夫です。じゃあ、行ってきます。」



スタジオの端にある、休憩用にいくつか出されていた椅子へ腰掛ける。



「京子ちゃん、昨日は本当にごめんね。今日は絶対あんなことはしないから。」


「…はい。こちらこそ、散々NGを出してしまいすみません。

今日はきちんと最後まで演技しますので。」


「そのことなんだけど。

実はアップのキスシーンを数秒撮った後、斜め後ろからの視点に切り替えて、

フェードアウトしていく方向に変更になったから、

キスは唇を啄ばむものに変更になったんだ。舌は絡ませなくてもいい。」


「…えっ?」


「これ、改定されたシーンの台本。

変更点は今言ったことだけだから、パッと目を通しておいて。」


「ちょ、ちょっと待って下さい!

変更って、いくらなんでも対応が早すぎませんか?!

だって、昨日はそんなこと一言も…。」


「あまりにキスシーンが濃厚すぎて、若い世代の視聴者に悪影響なんじゃないか、

という意見が前からあったんだって。

だから水面下での話し合いは行われてたみたいだよ。

で、昨晩スポンサーの方から正式な申し入れがあって急遽変更。

台本はこのシーンだけだったから突貫で修正入れたって。


良かったんじゃない?京子ちゃん、このシーン苦手だっただろう?

変更になって、緊張もあまりせずにすむんじゃないかな?」


「そ…う、ですか。…わかりました。」


「うん、だからあまり肩に力を入れすぎないでね?リラックスしてやろう。」



彼は笑顔でそう言って私の頭をぽんぽんと数回軽く叩いた。



「ああ、そうそうあとね、実は京子ちゃんに聞いて欲しい大事な話があるんだ。

撮影後、時間があるようなら、二人で話せないかな?

俺オススメのハンバーグが美味い店があるんだけど。」


「え、この後ですか…?社さんに確認してみないとわからないのですが…。」


「じゃあ、また後で返事聞かせてくれる?俺は先に監督のところに行くね。」



そう言うと氣比さんは監督のところへと戻っていった。


撮影の変更…ほっとしたというか、気が抜けたというか、複雑な心境だ。

氣比さんが離れたのを見て、社さんがこちらへ来た。



「…キョーコちゃん、大丈夫だった?」


「もうっ!社さん、心配しすぎですよ?そのセリフ、今日何度目ですか?」


「いや、だって、昨日の今日だからね…。心配して当然だと思うけど。」


「過保護ですよ。大丈夫です。

撮影に変更があって、キスシーンがディープキスじゃなくなったそうです。

昨晩スポンサーから連絡があったと。

それと氣比さんはそんな悪い人じゃありませんよ。」


「え、ちょ…キョーコちゃん?あんなことされたのに、その認識はちょっと…。」


「大丈夫ですって。ちゃんと謝ってもらいましたし、

第一、私みたいなのの胸なんか触ったって、男の方も全然楽しくないですよ。

氣比さんに他意はなかったと思います。」


「最上さん…君はまだそんなことを言ってるのか?!」


「蓮っ!」


「え、敦賀さん?お早うございます…???

あれ、もう敦賀さんはオールアップされてますよね?

わざわざ見にいらっしゃったんですか?」



しかもなんだか朝から怒ってらっしゃる…?

昨日は普通だったわよね???

私、自分でも気付かないうちに何かしたの?!



「…心配だったからね。

それに、今回の日本の滞在はこのドラマ撮影のみの予定で、

まだ数日かかるはずの予定だったから…。


それより!君はあんな目にあっておいて、まだそんなことを言ってるのか?!

最上さんは自分を卑下しすぎだ!」


「卑下もなにも…本当のことですし。」


「妙齢の女性がそんなことを言わない!

それに君は芸能人なんだから、

そんな風に思ってると自分の可能性を自分で潰してしまうよ。」



ああ、そっか。敦賀さん、また先輩として注意してくれてるんだわ。

でも、今はまだ…あまり顔を合わせたくないな…。



「撮影開始しますので、スタンバイお願いしま~す!」



そんなことを考えていたらタイミングよく、声がかかった。



「…すみません。あの、スタンバイしなきゃいけないので行ってきますね。」


「…うん。気を付けてね。」



敦賀さん、不安そうにしてたけど、納得してないのかしら。

話の途中で声がかかっちゃったんだから、仕方ないわよね。

それに、彼に後輩扱いされるのは、辛くてたまらない。

正直、撮影開始と言われて助かった。

やっぱり、近くにいるとどうしても意識してしまって胸が痛むもの。



「じゃあ、京子ちゃん、さっき言った変更、よろしくね。」


「はい、氣比さん。宜しくお願いします。」



そして私は氣比さんと軽く挨拶をして、撮影セットへ移動した。