I 罠 get であります!
この度「リク魔人」の妄想宝物庫様 のseiさんより、
罠を奪取して参りました☆(ノ∀<)
文章構成力皆無のため色々とツッコミどころ満載です。
広い御心で読んで頂けたらと思います。
それでは以下より本文です。
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a dense fog
「ん…ふぅっ…んむ…。」
俺の舌の動きに合わせて、最上さんの舌も絡まってきた。
時折漏れ聞こえる彼女の声に、演技指導どころではなく、
俺は本気で彼女を貪っていた。
興奮状態がピークに到達しようかという時、
視界に入ったものを見て、一瞬で背筋が凍った。
「最上さんっ!泣いてるの?!
ごめん、性急過ぎたね…。本当に、ごめん…。」
俺の動きに応えてくれたことがあまりに嬉しすぎて、
気付いたら夢中になっていた。
だから、今の今まで気付けなかった。
彼女の閉じられた瞳から流れ落ちる涙に。
慌てて中断し、抱き締めた。
本当ならば離れたほうがいいんだろうけど…。
彼女を離す気にはなれなかった。
「すみません、これはっ!その…。」
抱き締めている彼女からは抵抗はない。
声色も驚いているニュアンスは感じられるが、嫌悪などは感じられない。
ひとまず安心したところで、深呼吸をして意識を落ち着けた。
「いきなり荒々しくしてごめんね?最上さん。大丈夫?」
「はい…その、すみません。
決して敦賀さんが嫌とかそういうことじゃないんです。
明日のことを考えると不安になってしまって…。」
明日…氣比との演技、か。それは俺も不安に思うよ。
「…そう。でもそれは仕方ないよ…あんなことがあったんだから。
彼には…態度を改めてもらわないといけないね…。」
そう、固まってしまった最上さんに対して、
彼のしたことは俳優の風上にも置けない行為だ。
その場に居合わせなかったのが悔やまれる。
どうせなら顔の一発でも殴って、
暫くは活動停止にでもなってもらいたいところなんだけど…。
彼女は事務所から彼に抗議するのすら止めているらしいしな…。
さて、どうしたものか。
「いえ、今まで私が散々足を引っ張ってしまっていたせいもありますし…。」
「それとこれとはまた別な話だと思うよ?俺からも彼に言っておくから。」
こんな状況でも自分も悪かったと言う最上さん。
彼女が彼に不満を漏らすことは決してないのだろうな…。
でも、次の撮影でもこんなことが起こったら、正直俺が耐えられない。
「すみません…至らない後輩で。」
「何で最上さんが謝るの?これは俺が個人的にすることだから気にしないで?」
「有難うございます。…それとすみません。
お忙しいのにこんな練習にまで付き合ってもらって。」
君は、練習って言うけどね…。俺は本気だったんだよ?
「うん?気にしないで。
君の力になれるなら喜んで引き受けるよ。もう大丈夫なの?」
「はい、有難うございました!もう、大丈夫です。」
「…本当に?」
「はい、ご心配おかけしました!」
はきはきとした声で彼女は答えたけど、全然大丈夫そうには見えなかった。
その表情はどこか影がみえるもので、いつもの彼女の笑顔だとは思えない。
けれど、これ以上問い質したところで、何も言ってはくれないだろう。
「…そう。
それじゃあこれ以上遅くなると一人暮らしの女性の部屋なのに失礼だから、
もうそろそろ帰るね?」
そう言って俺は荷物を持って、彼女のマンションを後にした。
さて、明日は最上さんが現場に着く前に現場入りしておかないとね…。
2012.03.14 内容修正