I 罠 get であります!

この度「リク魔人」の妄想宝物庫様 のseiさんより、

罠を奪取して参りました☆(ノ∀<)


文章構成力皆無のため色々とツッコミどころ満載です。

広い御心で読んで頂けたらと思います。


一旦更新を止めてしまったがために続きが中々書けなくなりましたw

ここからは更新頻度がとても低くなると思います。

seiさん、すみません~!(ノд<)・゜.


それでは以下より本文です。



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a dense fog



心配で様子を見に来たはずが、気付けば逆に慰められていた。

“敦賀さんはいつでも私の支えになってくれてます!”

真剣な顔でそう言ってくれたのが嬉しくて、つい彼女の頬にキスしてしまった。


しかし未だに頬のキスにさえうろたえてしまう彼女に、

美亜はやはりまだ早いのではないだろうかと思ってしまう。


だから無理はしなくてもいいんだと言おうとしたら、必死の形相で発言を遮られた。

…今にも掴みかかってきそうだ。



「敦賀さん…、演技指導、して下さい。」



そんなことを考えていたら、本当に掴みかかられた。

否、掴みかかってきたというよりは…。



「ちょっ?!最上さん、何を…っ!!」



肩に置かれた腕を掴んで、抑えようとしたが、

信じられない出来事に気が動転して力が上手く入らなかったのか、

俺は最上さんに圧し掛かられ、ソファに仰向けの状態になってしまった。



「…今の私じゃ、ダメなんです。美亜の役に入れないんです…。

でも、私は最後まで美亜を演じたいんです!

だから、だから…敦賀さんが教えてください!!

美亜をやりとおすために、私に演技指導して下さい!!!」



一体、何が起こったんだ?!

普段最上さんのことを考えすぎたために、俺は今、幻覚でも見ているのか?

いや、しかしこの感触、感じる体温は…幻覚なんかじゃない。

確かに今俺の上に最上さんが乗っている。

こ、この体勢は不味い…!


少し深めのVネックのセーターの胸元がチラついて見え、

嫌でも視線がそこにいってしまい、過剰な熱が湧き上がった。

これ以上は危ない!!!

そう思い、俺は最上さんごと上半身を起こした。



「ちょっと待って、最上さん!君、今自分が何をしてるかわかってる?!」


「酔ってませんし、投げやりにもなってませんし、

錯乱しているわけでもありません!

…やっぱりご迷惑ですか?」



そう言ってこちらを見上げる彼女を前に、俺の理性は失われていく。

それでなくても上半身を起こしたことで、

太腿の上に彼女が跨っている状態になってしまい、

それがより一層理性を手放すのに拍車をかけているというのに!

俺は必死に熱に浮かされた己を律し、彼女を止めようと説得を試みた。



「いや、迷惑とかそういう問題じゃなくて!

…それに最上さんは今日嫌な思いをしたばかりだろう?」


「…ダメですか?やっぱり私なんかが相手じゃ、していただけませんか?」



説得も空しく、彼女は潤んだ瞳で首をかしげてさらに聞いてきた。

もう、ダメだ。



「その言い方は…反則だ。…どうなっても、知らないからね?」



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どうなっても知らないよと言って、敦賀さんの唇が荒々しく重ねられた。

しかし氣比さんの時のような嫌悪感はない。

寧ろ、数年来の思いが募った分、

今、こうして彼と唇を重ねられることに幸福感さえ感じてしまう。


しかし、それと同時に胸が引き裂かれそうな苦しみも感じる。

敦賀さんは、私が後輩だからやむなく演技の練習に付き合ってくれている。

ここまで面倒を見てくれるのは敦賀さんの優しさであって、

私に対する思いなんていうものはない。


敦賀さんなら、数年前に言っていたあの好きな人とも、

もう両思いになって交際されているだろう。

“最上キョーコ”として、私の入る余地など微塵もない。

だけど、“京子”としてなら…。

後輩という立場を笠に着て、こうして彼の温もりを感じることが出来る。


打算的な自分――彼の隣にいてもいいのは私じゃないのに。

演技ならいらない。

二年前、そう思ったはずなのに、結局私は彼に頼ってしまった。

演技で色んな人とより深い恋愛の演技をしていかねばならない。

でも演技を捨てることはできない!!


なら、せめて彼との思い出が欲しい。演技でもいい!

土壇場でそう思ってしまった。

思い出を与えてもらうことさえ私には身に余るものなのだから、

今度こそこの思いに区切りをつけて奥底に沈めてしまおうと、

そう思いながら私は必死に敦賀さんの舌の動きに応えた。