I 罠 get であります!

この度「リク魔人」の妄想宝物庫様 のseiさんより、

罠を奪取して参りました☆(ノ∀<)


文章構成力皆無のため色々とツッコミどころ満載です。

広い御心で読んで頂けたらと思います。

それでは以下より本文です。



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a dense fog



休憩時間を終え、撮影現場に戻ると、

役者出演依頼中のため保留になっていた役が決まったと連絡があった。



「キョーコちゃん!!ニュースニュースッ!!ビッグニュースだよっ!!

保留になってた良也役、蓮が出演することになったって!!

監督が出演依頼を出してたらしいけど、蓮のスケジュールが空くか微妙で、

一時は他の俳優の交渉も検討してたみたいなんだけど、

ギリギリ調整が間に合ったって!!!」


「そ…うなんですか。」



こんなにはしゃいでいる社さん、初めて見たわ…。

余程敦賀さんに会えるのが嬉しいのね。

私も…嬉しいといえば嬉しい…。

だけど…。


内心は複雑だった。

氣比さん相手に演技している時に、

この人は彼じゃない、

彼が相手じゃないと嫌だ、

…彼に会いたい!

そういう感情が、渦を巻いていたのは誤魔化しようのない事実。


そしてその彼が来るというのであれば、相談すれば実地で教えてくれるだろう。

ただし、あくまで先輩として、だ…。


ざわめくスタジオ内で、私は一人、呆然と立ち尽くしていた。

そして皆が歓迎ムードで沸いている中、ひょこと怨キョが顔を出す。


(…?)


レーダーが働いた方を見回してみると、

笑顔を貼り付けてはいるものの、何故か氣比さんから薄暗いオーラが漂っていた。



「亮と美亜の幼馴染役、良也をやらせてもらうことになりました。敦賀蓮です。

色々ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いします。」



周囲から拍手と歓声が沸き起こる。

敦賀さんは頭を下げ、挨拶をすると、氣比さんの方へと向かった。



「氣比、憲明さんですよね?敦賀です。宜しくお願いします。」


「…名前を覚えて頂いているようで大変光栄です。氣比です。宜しく。」



周りの黄色い声が冷めやらぬ中、二人は握手を交わした。

二人とも爽やかな笑顔で周囲の女性はおろか、男性までうっとりしていたが、

私と隣にいた社さんだけは背筋に寒いものを感じていた。



「社さん…。お二人ともとても爽やかな笑顔で握手されているのですが、

何故か全くわかりませんが、怖いと思ってしまうんです…。

…私の勘違いでしょうか。」


「いや、それ、きっと勘違いじゃないと思う…。

実は俺もさっきから思わず悲鳴をあげそうになるのを堪えてるんだ…。

ああ…闇の国の蓮さんが…。」



私はというと、笑顔が引きつってその場から動けないでいたのだが、

ふと隣を見ると、表情を凍らせてガタガタ震えている社さんがいた。

…ええっ?!そんな風になるほどなんですか?!?



「や、社さんっ?!大丈夫ですかっ?!?!」


「ははは…心配してくれて有難う。大丈夫だよ。…多分。」


「あれ、社さん?具合でも悪いんですか?」



そうこうしている内にいつの間にか敦賀さんがこちらへ来ていた。



「敦賀さんっ!」


「蓮っ!!」


「二人とも、お久しぶりです。最上さん、短い間だけど宜しくね?」


「はっ、はい!!宜しくお願い致します!!!」


「社さん、具合、悪いなら椅子持ってきましょうか?」


「い、いいいや、大丈夫!!!大丈夫だから!!!!!」


「そうですか?あまり無理しないようにして下さいね?」


「あ、有難う、蓮。」



そしてその日から、短いスケジュールの合間を縫って来てくれた敦賀さんの、

いや、良也の撮影シーンが怒涛の勢いで撮影され、

周りもそれに感化されてか、撮影自体も飛躍的な早さで進んでいった。


…気付けば、作品は大詰めを迎えていた。