I 罠 get であります!

この度「リク魔人」の妄想宝物庫様 のseiさんより、

罠を奪取して参りました☆(ノ∀<)


文章構成力皆無のため色々とツッコミどころ満載です。

広い御心で読んで頂けたらと思います。

それでは以下より本文です。



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a dense fog




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話は数日前に遡る。

俺はスケジュール調整の電話をするために現場から離れた。

用件を済ませて戻ってくるとキョーコちゃんがいなかった。



「すみません、うちの京子、見ませんでしたか?」


「ああ、京子ちゃんなら氣比君と会議室で、

台本の読み合わせしてると思いますよ?」


「いえ、その会議室に二人ともいなかったものですから…。」


「あれ、そうなんですか?休憩かな…?

あ、あれ氣比君のマネージャーじゃないですかね?

久木さ~んっ!!」


「はい、なんですか?」


「京子ちゃんのマネージャーさんが二人はどこ行ったか知らないか?って。」


「ああ、二人なら今休憩中ですよ。

一緒に飲み物買いに行ってたから、今頃どっちかの楽屋じゃないかしら?」


「!そうですか、有難うございます。」



話を聞くなり俺は楽屋へと直行した。

そして、氣比君の楽屋から笑い声が聞こえてきたので、ノックしようとしたのだが、

その会話の内容が微かに聞こえ、固まってしまった。



「…試しに俺と付き合って……出来ないようなら、いくらでも手伝って…。」


「…少しお時間を頂いても……。」



(な、なななななななっっっ?!?!?!?!)



誰か、嘘だと言ってくれっっ!!!!

キョーコちゃんっっっ!!!君はいつだって告白されたら一刀両断で、
有無を言わさず断ってたじゃないかっっっ!!!!

な、なんで時間をもらう必要があるんだっっ?!?!


パニックになった思考を落ち着かせようと、一旦その場から離れると、

どうやら休憩を終えたらしく、

楽屋から出てきたキョーコちゃんに後ろから声を掛けられた。



「あっ、社さん!電話、大丈夫でしたか?」


「えっ?!あ、ああっ、電話ねっ?!うん、大丈夫だったよ!!」


「なんだかいつもより落ち着きがありませんけど、本当に大丈夫ですか?」


「う、うん、勿論だよっ!!」



そうして無理矢理誤魔化した俺は帰宅後、恐る恐るメール作成を始めた。


…出来ることなら聞かなかったことにしたい。

しかしキョーコちゃんが今回のドラマの出演を決めた際、

闇の国の蓮さんの降臨を覚悟しつつメールした時に、蓮と約束したのだ。

キョーコちゃんに近付く男がいたら逐一報告すると。


今となっては、なぜあんな約束をしてしまったのかと思う。

が、闇の国の蓮さんが降臨しているのが電話越しでもわかってしまった俺に、

断ることなんて出来る筈もなかった。


あの時はメール送信後、直ぐに電話が掛かってきた。

勿論、電話越しでもわかる黒いオーラ付。

今思えば時差はどうしたんだ?!とツッコミたい。

しかしその時にそんな余裕は皆無だった。

そして言われたのだ。


“最上さんに近寄る男がいたらすぐに連絡して下さいね?”と。


間違いない、今、蓮は確実にあのキュラキュラな笑顔をしている…。

背筋に寒いものを感じながら、俺は必死に声を絞り出して頷いた。


それを破ったら、どうなるか…。

考えたくもないっっ!!!!

俺は作成したメールをチェックすると、程なく送信した。



しかし今度は怖いことに、この数日、蓮からの返信がぷっつり途絶えている。

全く音沙汰がない。


一日が終わるごとに送受信チェックをするが、一向に返事がない。

かといって、俺から電話する気にはさらさらなれなかった。


(だって一体、なんて言って連絡すればいいんだ!!)


そして常備薬の胃薬がさらに増えるのだった。