I 罠 get であります!

この度「リク魔人」の妄想宝物庫様 のseiさんより、

罠を奪取して参りました☆(ノ∀<)


文章構成力皆無のため色々とツッコミどころ満載です。

広い御心で読んで頂けたらと思います。

それでは以下より本文です。



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a dense fog



私の不安をよそに、遂にドラマ撮影が始まった。

撮影は順調に進み、亮の膝の上で首に手を回して抱きついたり、

亮をベッドに押し倒したりという撮影も、

幾度かNGを出したものの、なんとか乗り切った。

ディープキスのシーンは現場のセットなどの関係でまだ先だが、

刻々と時は過ぎていく。


私の不安は着実に大きくなっていった。

「試しに俺と付き合ってみない?」

その場の雰囲気にも流され、言うつもりのなかった不安を明かしてしまった後、

氣比さんに言われた言葉。


未だに保留のまま、あれ以来その話題については触れていない。

美亜から亮に迫るシーンのときも不安はあったが、

美亜の意識を何回か押し込めなおして挑んだら、

いつの間にか撮影は終わっていた。


このままいけば、もしかしたら案外演技出来るかもしれない…。

大きな不安を抱えつつ、小さな期待を胸に抱き、

とうとう問題のキスシーンの日が来た。


…が。



「カットカットーーッッ!!!京子ちゃん、固まらないでっ!!!」


「す、すみません…。」



氣比さんがキスを濃厚なものへと変えようとした途端、身体が強張る。

軽いキスは大丈夫なのに…。

どうしても敦賀さんが渡米する前のことを思い出して、

今、演技している相手は彼じゃないことを意識して固まってしまう。

リテイクを何度か続けたが、結局、その日の撮影でOKがでることはなかった。



「すみません、氣比さん…。」


「京子さん…あまり気にしないで?慣れなてないんだから無理ないよ。

気にしていたら出来るものも出来なくなる。

リラックスしてまた別の日に撮ればいいから。」



そう言って笑ってくれる氣比さんの優しさに、かえって申し訳なく思った。

撮影が始まってからずっと、さりげなくサポートしてくれていた氣比さん。

あのことについても、軽く流してくれている。


私、皆の脚を引っ張ってばかりだわ…。



「キョーコちゃん、お疲れ様。…大丈夫?」



そう言って社さんがミネラルウォーターを差し出してくれた。



「…情けないですね、自分でやると言っていたのに。ふふ、女優、失格、かな?」


「ま、まだこのシーン撮り始めたばかりだし!きっと大丈夫だよ!!

また明日頑張ろう!!」


「有難うございます…。」



そう言ってミネラルウォーターを口に含み、地下駐車場へと向かった。

社さんを送ったあと、自分のマンションへと帰宅して、

ソファに座って深い溜息をつくと一気に力が抜けた。