人財創造


残暑厳しい日々が続きますね。

昨年も10月末頃まで暑かったような気がしますから、まだまだ蒸し暑い日々は続きそうです。


さて、先週の金曜日、株式会社クオリティ・オブ・ライフの常見陽平さんの講演を聴きに

行ってまいりました。

「超・愛される採用」ということで、常見さんが収集した現場情報を元に様々な採用活動トーク

を聴くことができましたので、特に印象に残った点をを備忘録的にまとめてみたいと思います。

少し人事寄りかもしれませんが・・よろしければご覧下さい。


■人事は正しいと思ったことを主張し続ける

来年度の採用活動は、2ヶ月後ろ倒しの12月から始まります。この決定には、僕自身も

悪い方、悪い方ばかりに進んでいるようでなりません。

常見さんのお話では、就活見直し論を来年度ピークを迎え、暴走状態に陥るとのこと。

この2ヶ月後ろ倒しという決定要因は、就活の長期化が一番にあげられ、その影響で学生の

本文である学業が疎かになってしまう、ということですが、常見さんに言わせれば、


「2ヶ月後ろ倒ししても、勉強しない学生は勉強しない」


これはとても共感できます。(僕が学生ならたぶんそうw)

だからこそ、そもそもの問題解決になっていないことは自明なので、企業がそれについて

もっと叫んでいくべきだ、とのこと。

また、学生が勉強しないことには「卒業しやすい大学」という日本の教育システムの他に

企業採用担当にも原因がある。


「学生に、勉強したのか?はきくべき」


企業側が学業に関してあまり確認せず、人柄などのヒューマンスキルで決定する傾向が

強いので、学生も学業を疎かにしていることもある。

慶應義塾大学SFC研究所の高橋氏も同様のことをおっしゃっておられたので、この点は

企業の人事担当として肝に銘じておかなくては、と思います。


■企業の採用活動はどう変わったか?

採用活動は、人間と人間のつながりに原点回帰している。

リクルーターの復活やソーシャルサービスの活用により、ターゲット学生を囲い込むという

ことに注力する企業が増えている。むしろ、そうしなければ採用できない。

就活エリートを排除するために、求める人物像のチューニングが必要。

誰が見ても優秀orミスが少ない、という今までの基準から面接官の裁量に任せた、自由な

採用活動も必要になってくる。


■大学の変化に詳しくなること

人事は大学の変化に詳しくなることが必要。(特に採用したい大学)

AO入試や推薦の増加により、大学名だけで判断するのは乱暴過ぎますし、かつ的中率

も低いとは思いますが、ターゲット校として定めている大学については詳しくなっておくべき。

優秀な学生を採用したいのならば、ブルーオーシャン大学をターゲットとすることも手法の

一つ。特に上げられるのが地方の公立大学。カリキュラムが特殊で、ハングリー精神旺盛な

学生が多い。

他にも学生の就業力を高めるため、特殊なカリキュラムを用意している大学もたくさんある。

京都産業大学→ハイブリッド人材育成プログラム、など。

その他新設学部の一期生を狙う、など。


■ターゲットに合わせた採用活動を考える

広く集めようとするのか、ターゲットだけを集めようとするのか。

優秀な学生を採用しようとするのではなく、採用したい学生像を明文化し、落とし込み、その

ような学生を採用するための方法を考えることが、これからは必要。

欲しい学生タイプが飛びつく企画を考えたり、水面下で特別選考ルートを設けたり。

コミュニケーション力があってー主体性があってー、というのはもう止めよう。

採用ターゲットが内定をとりやすいような選考を考える。


■採用マニフェストを定める

本当に正しい、と思う採用を行う。

・武田薬品→「TOEIC730点以上しか採りません」大変分かりやすい。

このスキルを持った人しかとりません!という主張は綺麗なスクリーニングを実現させる。

企業も学生も無駄な時間を削減できる。

・ライフネット生命保険→~30歳まで新卒扱い。説明会は全てネットで行い、選考フローの

人数を全て公開。プレエントリー5000名がESで40名くらいまで絞られる。ESを通過できる

人が活躍できる、というスクリーニング。


■就職情報会社の言いなりにならない

常見さん曰く、就職情報会社の営業レベルはだいぶ下がってきた、とのこと

営業担当を育ててやる、というスタンスが必要。

人事の若手社員もベンダーコントロールが弱い。営業担当のいいなりにならないよう、指導

すべき。営業担当の上司を連れてこさせ、リレーションを築いておくことも重要。


■内定者を引き締める

ネットのなんたるかを分かっているか。

内定者のTweetによる炎上事件が多発。内定者の引き締めが必要。

企業の広報担当者の教育も・・・

メディアは採用炎上狙っているので、十分すぎるほど気をつけるべき。


などなど。


限られた時間に相当な量の情報をいただくことができました。

中でも、とても印象に残っているフレーズは、

「口説けない採用担当者に、存在理由はありません」

人事は恋愛経験豊富であれ。


採用は奥が深いな、と思うと同時に、2013年採用が楽しみにもなってきました。


それにしても笑いがたくさん起こる講演会でもありました。

あのパワーは見習いたい。

個人的に、常見さんのプレゼン力に学ばせてもらった点のほうが多かったかもしれませんw