イベントのことですっかりロシアの旅が遠い昔に追いやられてしまったような気分ですが、いやいやいや、ついこないだまでわたしはネフスキー大通りを歩いていたのだったよ。すっかり忘れてんじゃねーよ!!
…というわけで、これからロシアを個人旅行で攻めたい方に、少しでもお役に立てる記録を残したく存じます。
そうすると、旅行記的には半ばネタバレ的なことになるなー、また読者が減るな―と思うのですけど、よく考えたら、わたしのくだらない感想や愚痴はどうでもいいから、ロシアの情報をストレートに欲しいんだよ! という方もおられるはずと思い直し、思いつくままに“情報”を書いてみることにします。


<ビザ>
1カ月くらい前のブログでもその顛末を少し書きましたが、実際にこのビザで難なく旅行できました。
約30ドルの空バウチャーは、ロシアのいろいろな旅行会社だけでなく、ユースホステルでも受け付けているようです。つか、“空”って響きが何やら怪しげでよくないよね…。ビザが取れた以上、あれはれっきとしたバウチャーだと考えたいところです。
支払いは、クレジットカードのオンライン決算。ネットで申し込むと、翌日にはもうPDFで発行してくれます。PDFというところが、時代の発展を感じます。便利な世の中になりましたね。


わたしが申し込んだのはこちら↓
http://www.visatorussia.com/

ここも有名っぽい↓
http://www.ostwest.com/


<移動>
列車。バス。地下鉄。マルシュルートカ(ミニバス)。
枕草子風に並べてみました。


都市間移動は、バスより列車が圧倒的にメジャーのようです。
ということで、モスクワ→サンクトペテルブルグ、ノヴゴロド→モスクワは寝台に乗りました。いずれもひと晩の移動です。東京―大阪間の夜行バスくらいの、ビミョーに疲れる時間。。。
某ガイドブックは一・二等寝台メインで書いてありますが、パッカーのために(違う)ちゃんと三等寝台といふものがあります。ロシア語で「プラッツカールトヌィ」いわゆる開放寝台です。これですと、モスクワ→サンクトで3000円前後とうれしいお値段。神経質な方でなければ、充分なクオリティだと思います。
ただし、切符窓口はほぼ100%、英語が通じないと思われます…。予行演習を重ねる、もしくは、すべてを紙に書いて渡すのがベターです。


モスクワの市内交通はダントツで地下鉄(ミートロ)。
駅名表記がロシア語ですので、いちいち解読が面倒なのを除けば、便利に使える乗り物であることは間違いありません。
サンクトのミートロは、泊まる場所によっては使わなくてもよさそうです。


郊外の観光地や地方都市には、バスかマルシュルートカ。地下鉄などよりも難易度が上がるので、できれば使いたくないけれど、それしかない場所もあるのよね…。
しかしこのマルシュルートカって覚えにくい名前ですよねー。マルトルーシュカ? マトリョーシカ? カルトーシュカ?(※じゃがいものこと)いつも一発で思い出せず、イライラします。


<宿>
聞いたところによると、首都モスクワのホステルの数は、20軒くらいなんだとか…。
まあ、東京と比べてどうだか分かりませんが、決して多いわけではなさそうです。


わたしが泊まった宿の内訳は、以下の通り。

モスクワ:HMホステル、ナツィオナーリ(※5つ星ホテル)
サンクトペテルブルグ:パペットシアターホステル
ロヴゴロド:人の家


このうち、ナツィオナーリと人の家は、あまり旅の参考にはなりませんので省略するとして(経緯はまた旅行記の方に)、HMホステル、パペットシアターホステルともに、主要観光地には徒歩で行ける、たいへん便利な立地でした。ドミですが、設備もそんなに悪くありません。キッチンついてますし。しかも、HMホステルでは、パソコン(ネット)が無料で使えました。
1泊平均1500~1800円。オフシーズンの料金ですので、夏だとこれより値上がりしそうです。


<言語>
今回、何がたいへんだったって、ロシア語です!!!
ロシア旅行での苦労の7割はロシア語、と云っても過言ではないくらい、ハードでした。一説では、「世界で最も難しい言語のひとつ」とか…。
発音や語尾変化の難しさもさることながら、キリル文字がやばい。これに慣れないことには、看板もメニューも読めず、「ア、アー、エータ(これ)…」とアホの子みたいに喘いでは、「は? どれよ!?」とイラつかれます。。。
自分が、幼児よりもはるかに使えない存在であることをこれほどまでに痛感した国は久しぶりでした。三十路半ばにして、「はじめてのおつかい」をライブで味わえて、それはそれで貴重…なんでしょうか。


極私的・サバイバルロシア語TOP5を選んでみましたので、お役に立てればさいわいです。


第1位:【スパスィーバ】
ありがとう、の意。何だかんだで、結局これがダントツに多くなりますね。とりあえず会話・物事の最後は「スパスィーバ」で締めときゃ何とかなる、って感じでしょうか。
でもね、ロシアの人は意外と(ってのも失礼だが)やさしく、例えば道を訊いたら、たいがいちゃんと教えてくれました。なので、これを使う頻度も高かったです。


第2位:【パジャールスタ】
どうぞ、すみませんが、など各場面で使える便利語。英語のpleaseと考えればよいかと思ったけど、微妙に違うような気も…?
人にものを尋ねる・依頼するときはとりあえず「スカジーチェ パジャールスタ~」と始めれば、何を云っても許されます(ウソ)。


第3位:【モージナ】
~してもいいですか? の意。この後につなぐ動詞を知らないので、なかなかうまく使いこなせないけど、最悪、モージナ? と聞くだけでOKか否かを確認できます。ちょっとカッコ悪いんですけど…;


第4位:【グジェー】
どこ、whereの意。旅人の行動指針として欠かせないのは、場所と値段です。まあ、聞いたところで肝心の答えはサッパリ分からんのですが、書いてもらえば何とかなりますし…。


第5位:【スコリカ ストーイト】
いくら、How muchの意。同上。値段は旅人にとって死活問題ですので、数字も覚えておくとベターです。ただ、物価を考えると、少なくとも100まで、欲を云えば1000まで数えられないとあんまし使えません…。ちなみにわたしは、どう頑張っても3までしか覚えられませんでした。バカ?


<食事>
予算の都合上、レストランでは一度きりしか食事できず(しかもスープのみ…)、店で食事といったらそれはファーストフード店ばかりなのでした。
ファーストフードチェーン「テレモーク」「コーフェハウス」「チャイナヤ・ローシュカ」(←これはサンクトだけかも)などは各所にあり、歩いているとそのうち、他人ではない感じに馴染んできます。わかりやすい(?)相場としては、テレモークのボルシチ(量少なめ)が230円くらいでした。
ちなみに、モスクワもサンクトもノヴゴロドも、「マクドナルド」が異様なほどの人気を誇っていました。値段は日本と大して変わりません。100円コーヒーや100円バーガーは残念ながらないです…。
ファーストフード店は、Wi-Fiが使えるところも多いです。インターネットカフェは日本語が打てないどころか読めない可能性が高いので、パソコンを持っている方は、お店でネットをつなぐ方がよいでしょう。


セルフ式食堂ですと、モスクワでは「ムームー(MyMy)」が代表的なお店でしょうか。ここのボルシチは美味しかったです。
あとは、グム百貨店3Fにある37番食堂も安めで人気がありそうです。この辺の相場は、1食=800円前後といったところで、決して安いわけではないものの、短期で行くならまあ許せる範囲でしょう。


もっと安く済ませたい方は、地下道のキオスクみたいな店で売っているパン各種、これは大体1個=50~80円くらいで食べられます。
あとは、「カルトーシュカ」というじゃがバターのテイクアウトもあります。
この食べ物はおそらく、トッピングが命なので、ハムやきのこなどトッピングするものの名前をぜひ覚えて行きましょう…。わたしは覚えられず、じゃがいもしか食べられなくて涙を呑みました。


<11月の気候と服装>
冬のロシアってことで、極寒を恐れていましたが、普通の冬の防寒で大丈夫でした。
モスクワで3~7℃、サンクトで0~-5℃ってとこでしたか。若い女子だと、素足にブーツというツワモノも見かけました。日本人の方はおやめになった方がよいでしょう…。
雪の日などは長時間外を歩いていると、なかなかヤバい感じになってきます。散歩の途中途中で、適度に暖を取りませうね。
屋内に入ると暑いくらいなので(日本と同じ)、薄物を何枚も着込むより、着脱のラクな大物アウターをひとつ持って行くのがよさそうです。ユニクロのダウンジャケットを買えばよかったと、わたしも少~し後悔しています。


帽子はぜひかぶりましょう!
冷えとりブームの影響で「頭寒足熱」、つまり頭を温める帽子をかぶるのは体によくないよね、というヘンな刷りこみがわたしにもありましたが、本当に寒い場所ではかぶった方がいいに決まってます! あるとないとでこんなに違うか!と痛感しますよ。。。
ロシアの中~老年女性はほとんど皆、帽子をかぶっていまして、これがとっても似合っていて、クラシックで素敵でした。
帽子のデザインがとりわけ個性的というわけでもないのですが(7割方、オーソドックスなベレー帽)、かぶり方が板についているんですね。すでに体の一部になっています。
でも、若い女の子たちがあまりかぶっていないところを見ると、帽子はオバハンのファッションて感じなんでしょうか…。それとも彼女らも冷えとりをしているんでしょうか…。


<レギストラーツィア>
レギストラーツィア(レジストレーション)、つまり滞在許可証。バウチャーと並んで、ロシア旅行における面倒のひとつです。
が、結論から申しますと、わたしは1回も取得しませんでした。いちおう「一都市に連続で3日以上滞在する場合は必要」らしいですけど、1日くらいオーバーしても、ホテルの人はまあいっかくらいな感じで(実際オーバーしたし…)、あ、そうなの? どうでもいいの? と何だかよく分かりませんでした。


<ATM>
都市部には死ぬほどたくさんありました。


<日本センター>
という施設が、サンクトペテルブルグのカザン大聖堂の傍にあります。
日本語の打てるPCを無料で使わせてくれる、たいへんありがたい施設です。日本のビデオも観られます。


<ガイドブック>
「ロンプラ」ロシア編は、国土のデカさに比して殺人的なかさ高なので、ここは「歩き方」でよいと思います。
ロシアの歴史から、ロシア文学、バレエやオペラの鑑賞ガイドなど、いろいろ読みものもあってヒマつぶしにも使えます。やっぱ、付け焼刃でも知識があるとないとでは観光の気分も変わりますからね…。
まあ、例によって惑わされることもありますが、全体としてはこのロシア編は、なかなか出来がよいのではないでしょうか(何様っ)。
よほどコアな場所を目指さない限り、1~2週間くらいの旅行ならこれで充分でしょう。
というか、むしろわたしはこれに頼りきりでした。「歩き方」なしにはロシアで生きていけませんでした。文字がまともに読めない国では、ガイドブックは命綱にも等しいのです。軟弱ですみません…。


…うーん、やっぱ“情報”を的確にまとめるのが苦手みたいねわたしってば(苦笑)。ホントに編集者のはしくれなのかよ!?
ほ、ほかにも何か思いついたら書き足しますね。。。



今日の一枚:

放浪乙女えくすとら-RIMG0071
ロシアと云えば、やっぱ玉ねぎ♪