珈琲屋のジェラルド・ゴルドー | BOOGIEなイーブニング!

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つものようにスタジオ前に茶をしばくため珈琲屋に入った。いつもの席は空いていないので奥の席に座った。右隣りには些(いささ)か品の無いジェラルド・ゴルドーに似たオジサンと若いオンナのカップル。

▼喧嘩屋ジェラルド・ゴルドーさん(格闘家)
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オンナの方はニードルのように細くてヤンキースタイル。男の方は両足のふくらはぎに仁王かなんかのタトゥがデカデカと入っている。これは、もう危険極まりないふくらはぎだ。オンナがスッと席を立つとゴルドーは1人になり、手持ち無沙汰なのか携帯で話し始める。かなりデカい声なので、僕の方は読書にならない。しかも話しの内容が尋常ではないのだ。

「彫り師をよう、紹介してもらいたいんですわ。ああ、腕いいの頼んます。俺も困ってるんですわ。ええ。」

まぁ、何徳何代目を紹介してもらっても一向に構わないが、静かな珈琲屋で店じゅうに聞こえるような大声で話す内容ではないわな。少なくても、網走番外地の真一さんなら、静かに押し殺すように話すはずである。ゴルドーはここで、一旦電話を切る。


しばらくして、また、別の人物に電話をかける。


「会社クビになりましたわwww。上のヤツが『作業着がブカブカだから、ピチっとしたの着ろ』言われましてブチ切れたんよ。『オマエ!夜道に気をつけろよっ!』て言って会社辞めてやったよ。あ、そうだ!ねぇ、今度、釣り行こうよ?うん。最近全然してなくてさー。え?今は1人だよ。嫁が居酒屋のバイトの面接してるの待ってんの。」

おいおい物騒だな!
でも、僕は少しだけ安心したよ。
この恐い恐い顔したオジサンも釣りを愛するほど辛抱強く、自然を愛するほど優しい心があるのだ。

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これなら隣りで本を読んでいても、理不尽に暴力をふるわれることはないだろう。
ってか、せっかくカタギになったのにクビかよ!ってか、あのオンナ嫁かよ!ってか、紅夜叉みてーな顔して居酒屋のバイトすんのかよ!

▼紅夜叉さん
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しばらくして、また、電話をかける。


「タカヒロか?オマエ、ケンタんとこのタカヒロか?タカヒロかって聞いてんだよ!あぁ?!オマエ、オジキにちゃんと詫び入れたんだろうな?あぁ?テメーなめてんじゃねーぞ!プチッ……あ、電話切りやがった。」


しばらくして、また、電話をかける。


「あ、オジキっすか?タカヒロから詫びの電話きましたか?いや、ケンタんとこの?え?タカアキ?タカヒロじゃなくてタカアキでしたっけ。まぁ、いいや。あいつちょっと痛い目見ないとわかんないようっすね。
え?アリスト探してるんですか?オジキもトッポいの乗りますね。いや、すみません!え?オレは26っすよ。すみません。アリスト探しときますんで、はい。はい。」


▼オジキのアリスト
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ゴルドーは26歳かよ!僕よりすでに10は上の貫禄だ。
ってか、名前間違えたらタカアキ君だって即答できないだろ!かわいそうだよ。


そうこうしているうちに紅夜叉の嫁が帰ってきた。


「どうだった?面接」


「わかんね。けどダメじゃね?一週間が何日か間違えちゃったからバカってバレちゃったかな」