12月18日、前日に引き続き防災・震災対策調査特別委員会の視察でした。
視察先は名取市役所です。
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視察項目は、
「現在の復興状況について」
名取市には豊島区から現在も2名の職員を派遣して支援を行なっております。
また、宮城県とは浅野知事時代の10年位前から池袋にアンテナショップを構えるなど交流があります。

この日は市役所で概要を説明していただいた後、閖上地区の現地視察を行いました。

名取市は東日本大震災の際に
死者923名
建物被害が住家13991件、非住家2805件
という大きな被害を受けた自治体です。
特に今回視察した閖上地区は、当時の人口5612人のうち死者667人という甚大な被害を受けました。

名取市では多重防御という考え方で震災復興を行なっています。
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1次防御は数十年から百数十年に一度の津波対策を行うエリアで、地域産業の再生と新たな産業を誘導するゾーン。
2次防御は東日本大震災津波のような1000年に一度の津波の減衰対策を行うエリアで、津波内水対策を講じながら居住機能を再建するゾーン。

2次防御エリア内のかさ上げ範囲約32haには土砂を運び込んでいる最中で、最終的に被災前より4mかさ上げします。
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盛土は170万m3中98万m3は搬入済み。
東日本大震災で盛土構造の道路が津波の勢いを食い止めたケースがあり、津波対策で有効だったことから2次防波堤でも採用しています。
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少し分かりづらいですが、盛土を行なっているところが2次防波堤です。

非居住地域となった1次防御エリアは、集団移転促進事業を行なっています。
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水産加工団地の整備などを進める一方、避難路を確保することで経済活動は行えるようにする計画です。

日和山
高さは6.3mですが、津波は8.3mに及んだため、この場所も津波にのまれました。
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復興を計画する際に、居住エリアと非居住エリアを分けながら、対策をしていることは非常に参考となりました。
1次防御エリアも経済活動を行えるように整備を進めており、すでにある朝市はかなりの賑わいをみせているそうです。
名取市は被災前よりも人口が増えているという稀有な自治体です。
かつては仙台市のベッドタウンという立場でしたが、現在は市内で30%の雇用があるとのこと。
仙台市の隣という地の利を生かしつつ、復興に関しても明確なビジョンを示しているのも功を奏しているのだろうと推察します。

以上で2日間の行程を終了しました。