連日、福島第1原子力発電所の事故についての報道がされております。
危機的な状況からなかなか脱することが出来ず、情報が錯綜。
この非常事態を早く乗り切れることを切望致します。

こうした中、放射線が外部に漏れ出し、被ばくをするのではないかという不安感を持つ方も多いと思います。
少なくとも都内では今のところパニックになるような放射線の数値にはなっておりません。
以下に放射線量の情報を掲載いたしますので、皆様には冷静なご対応を願いたいです。

東京都健康安全研究センターが1時間毎に環境放射線の測定結果を公表しています。

現時点で最新の数値は以下の通りです。
※東京都健康安全研究センター発表資料による(測定場所:東京都新宿区百人町)
モニタリングポストという自動計測機で測定した結果。

3/17 09:00~09:59
線量率最大値0.0538マイクロシーベルト/時間
線量率最小値0.0485マイクロシーベルト/時間
線量率平均値0.0515マイクロシーベルト/時間

17日に入ってから、東京都の線量率は0.05マイクロシーベルト/時間前後で推移しています。
16日は最大値で0.161マイクロシーベルト/時間を記録(最小値同0.0499)

3/15は少し高めで、
線量率最大値0.809マイクロシーベルト/時間
線量率最小値0.0318マイクロシーベルト/時間
線量率平均値0.109マイクロシーベルト/時間

3/14以前は、線量率平均値で0.034マイクロシーベルト/時間程度でした。
通常の値はこの程度の数値であるとのこと(文部科学省に確認しました)
そうなると0.034×24時間×365日=297.84マイクロシーベルト/年がこの測定方法での平均値。
今が0.05マイクロシーベルト/時間位なので、0.05×24時間×365日=438マイクロシーベルト/年となります。
通常から見ると少し数値が上がっている事は間違いありません。
では、どの程度人体に影響があるのか。

文部科学省の資料が分かりやすいです。

目安は以下の通り

▼原子力発電所(軽水炉)周辺の線量目標値(年間)
50マイクロシーベルト/年(実績値は大きく下回る)←通常の自然放射線量に加えて被ばくする線量目標値。  
▼自然放射線量
2400マイクロシーベルト/年
▼ブラジル・ガラバリの放射線
10,000マイクロシーベルト/年
▼放射線業務従事者及び防災に係る警察・消防従事者に認められている上限
100,000マイクロシーベルト/年
▼緊急作業従事の場合に認められている上限(今回引き上げ後の数値)
250,000マイクロシーベルト/年

医療行為による放射線量
▼胸部X線集団検診
50マイクロシーベルト/回
▼胃部X線集団検診
600マイクロシーベルト/回
▼CTスキャン
6900マイクロシーベルト/回

人体への影響(3/17日経新聞朝刊2面による)
▼これ以下の線量を一度に浴びても健康被害なし
100,000マイクロシーベルト
▼一度に浴びると血中リンパ球減少
500,000マイクロシーベルト
▼一度に浴びると死亡
7,000,000~10,000,000マイクロシーベルト


放射線量は場所によって異なり、日本国内でも400マイクロシーベルト/年の違いがあります。
ブラジルのガラバリの放射線量が多いのは、土壌中の鉱物の影響によると言われております。

自然放射線には、体内から受けるもの(吸入によるもの、食物摂取など)、外部から受けるもの(宇宙や大地から)があります。
人工放射線は、医療行為によるもの(レントゲン、CTスキャンなど)、原子力発電所によるものなど。
自然放射線と人工放射線の間には、種類や性質などに違いはありません。

現在の数値は平常時を超えているものの、増加していると思われる放射線量は東京で140マイクロシーベルト/年程度。
胃のレントゲンを1回撮ると600マイクロシーベルトなので、パニックになるほどではありません。
再度申し上げますが、冷静な対応をしましょう。