天鳳名人戦第10節 | 堀内正人オフィシャルブログ Powered by Ameba



液晶画面に「リーチ」の文字が表示される。下家の就活からのリーチだ。これまでの対局で、このような光景は何度も見てきた。

就活は大量に点棒を持っていてリードがあるときでも手を緩めることはなかった。それは今夜の天鳳名人戦準決勝だとしても同じであろう。就活のリーチ宣言牌であるマンズは親のASAPINに本命だ。トータルトップだけにラス落ちは避けたい局面だ。これまでの名人戦で彼が先制に対して、勝負をするときは決まって形と打点が備わっていた。ここでリーチということは今回も間違いなく本手と見ていいだろう。

リーチと仕掛けをリーディングしてみたものの、僕の手牌では選択肢が少なすぎる。アクションを起こしたくても、何もできない。麻雀は思っている以上に場や並びをコントロールできなくて、こういう局面は辛い展開だ。この準決勝で就活に何としてもラスを引かせ、差を詰めていきたいところだが、僕にできるのは彼のリーチが不発するのを祈るのみだ。

この局でASAPINがかわし切り、オーラスで僕が2着、就活が4着の並びを作ることができれば現実的に考えられる最高のラインだ。


手馴れた手つきで馴染みのマウスをクリックすると、すぐに「ツモ」の発声が。

「2000-4000」

メンピン一発ツモドラ1。これでこの局、就活はラス回避濃厚となり一気に安全圏へ。そのまま何事もなく半荘は終了した。

逆にリードを許し、決勝は難しい対局を強いられることになった。