家族ノカタチ
 
前回は
集団の中では、数が多い方が多数派になる。多数派が主流となる。
誰もが主流でいた方が安全だから、なるだけ多数派になり、周りと同じように溶け込んで平和に過ごしたいと考える。
逆に少数派は周りからいじめられてしまったりする。
結婚したいと思う人の心理には、そうした周りが「結婚するから私も結婚して、主流派でいたい」と言う「場の原理」での心理について書いてみました。
 
簡単に言えば「愛している」とか「いない」とか「将来が不安」だからと言う気持ちだけではなく、
いじめられたりしないように自分の身を守る為だったり、主流派として権力を保つために「結婚」を考えると言う無意識的な深層心理があるのではないだろうか?と言う話でした。
 
家族や友人・仲間など小さな集団もあれば
学校や職場、地域社会など大きな集団もあります。

 
今回は少し「家族」を離れて大きな集団に目を向け、そこで起きる「場の原理」について考えてみたいと思います。
 
学校におけるスクールカーストについて分析した研究があります。
 
中学校教師である堀 裕嗣先生が著した「スクールカーストの正体: キレイゴト抜きのいじめ対応」と言う本です。
 
ポジ熊さんと言う方が、ブログでわかりやすくまとめて紹介されていますので、参考になります。
ポジ熊の人生記

ちなみに私もスクールカーストを描いた
「学校のカイダン」
と言うドラマについてもブログで書いております。
 
そのブログでは触れませんでしたが、スクールカースト研究において、そうした場の原理で集団を支配する支配者と呼べる人はほんの1人か2人しかいないそうです。
 
そしてスクールカーストの上の方に位置する為に絶対に必要なのは
コミュニケーション能力であるそうです。
勉強が出来る、スポーツが出来る、容姿が良いという表面的なことだけではないのですね。

 
 
コミュニケーション能力は
(自己主張力・共感力・同調力)
の3要素のバランスで成り立ち、その高い低いのバランスにより、カーストの階層が8つに分類されています。



コミュニケーション能力による8つのタイプ
 
①自己主張力・共感力・同調力共に高い
スーパーリーダータイプ
教師とクラスメートの間を取り持ち、全体に気配り出来る頼れるリーダー。
成績も良い。
クラスに1%位しかいない少数派であるが、一番上に位置する。

 
 
②自己主張力・同調力が高い
残虐リーダータイプ
不良やヤンキーだけではなく、スポーツの花形選手であったりすることも多い。
根っからの悪人ではないが、他人に対する<共感力>が乏しいため、他人を面白半分でいじりながらコミュニケーションを図る人間関係を紡いでいるうちに、悪意のないいじめに近づいていくというケースが多い。
ここに<同調力>を持つ「お調子者タイプ」(後述する)が同調し、集団いじめに発展する。

 
 
③自己主張力・共感力が高い
孤高タイプ
自分のスタイルや価値観を持ち、趣味が合う少数の友人と交流する。
誰からも一目置かれるのでいじめの対象にはなりにくい。
 
 
④共感力・同調力が高い
サブリーダータイプ
思いやりがあり、優しい良い子で人望がある。
自己主張が足りない為に、みんなを引っ張っていくタイプではない。
成績は中くらい。


 
⑤同調力が高い
お調子者タイプ
その場の空気を読んで自分の立ち位置を決める柔軟なタイプだが、場に流されやすいとも言える。
長いものには巻かれろと言う、一番の多数派。
 

 

 
⑥共感力が高い
良い奴タイプ
優しくておとなしい目立たないタイプ。
オタク的な要素があることもある。
問題を抱えていても誰にも気持ちを表現しないので、周囲からほって置かれ易く、不登校にもなりやすい。
口数も少なく、感情を出さないので、周りからどん臭いと思われてしまう事もあり、いじり易い。
いじりがエスカレートしていじめに合ってしまうことも多い。


 
⑦自己主張力だけ高い
自己チュータイプ
周りへの配慮なしで、自分の主張だけするので、ワガママと思われ、嫌われてしまう。
多動性の発達障害を持っている事も多く、オタク的要素もより高いことがある。
人が親切で助言しても非難と受け取り攻撃してくるアクティブさがあるので、なおさら反発されトラブルになってしまう。
周りがもう関わりたくなくなるので、孤立しやすい。
一番いじめ被害に合い易い。

 
 
⑧どれも無い
何を考えているのかわからないタイプ
何を考えているのかわからないから、理解しようがない特別なタイプ。
周囲と違う為、友人も出来にくい。
そのため周囲から敬遠され、いじめのような事になる事も多い。
発達上の問題か、精神的な問題を抱えている事も多く、親に医療機関との連携を提案しても「うちの子を阻害するのか!」と怒り出すことも多いため、その子を守る為の対処が難しい。

 
 
いかがでしたか?
 
学校と言う集団での場に限らず、ご自分で「あぁ自分はこのタイプかな?」と当てはまるタイプがあったのではないでしょうか?
 
著者の方も、一概に分類してしまうのは無理があるが、生徒を見る上で、そうした分類で見ることで子供への理解に役立てば良いと思うと言う様な事をお書きになられています。
 
天賦の才能として自己主張力・共感力・同調力の3っとも兼ね備えている人と言うのは、やはりほんの少数の方のようです。
 
そして一番無難で平和でいられる多数派な人は、同調力(つまり周りの人に合わせる力)が高い人の様です。
当然と言えば当然かもしれませんが。
 
ですから仮に
「周りが結婚してるから、自分も結婚する」
「周りが結婚していないから、自分も結婚しなくて良い」
と思う心理が働いているとしたら、それも戦略的には正しいのだと思います。
 
しかしですねぇ、この結婚と言うことに関しては、本人の願望や意思より、周りの場の理論に合わせるのが目的と言うだけで、無意識的に将来の選択をしてしまっているとしたら、少し怖い様な気がします。
 
ご自分の願望や意思を、きちんと自分で見極めて頂ければと思う次第です。
 
 
逆にこれを読むと、いじめ被害に合い易い人(人から疎外され易い人)には同調力の有無が大きく作用しており、その中でも
 
●自分の事しか考えず、周りに対して反発するから、周りからも反発され孤立するタイプ
 
●人付き合いが嫌い苦手で、自分の殻に入ってしまい、周りを断絶してしまい孤立してしまうタイプ
 
●何を考えているのか、わからな過ぎて、理解できない脅威な存在として孤立してしまうタイプ

があるようです。
 
同調力を身に付ける事が、いじめからの被害を受けないためのヒントになるかも知れないですね。
 
いじめの言葉として「ブス!」とか「臭い!」「汚い!」「トロい!」とか言われてしまう事が多いようですが、
実際にブスだからいじめられる。
ほんとに臭いからいじめられる。
と言う事ではないのだと思います。
 
ただ、相手をいじめるために、傷つける為の言葉として使うのです。
 
ですから、顔の事を侮辱されたいじめの過去を持つ人は、本当は顔が原因では無かったりするのだと思います。
 
ではどうやって同調力を上げていけば良いのか?
 
そうしたこともカウンセリングでは大きなテーマとなるものです。
 


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