欧米では、古典的な西洋占星術の復活が本格化しています。

 

 その理由は、多くの古典的な占星術の最後の砦であった、ラテン語のテキスト類の多くが、英訳され始めて久しいからです。

 

 ラテン語のテキスト類は、多くアラビア語から転訳されたものです。その
 

 アラビア語のテキスト類の多くは、ギリシャ語やペルシャ語のテキスト類から翻訳されたものです。ギリシャ語のものは、最も古い西洋占星術の記述が見つかる言語ですが、本とは言い難く、断片でしか見つかっていません。

 

 ラテン語から英訳されたテキスト類には、西洋占星術の基礎的な法則も多岐に渡って書き留められています。全くの基礎です。その基礎の部分を見比べてみると、17世紀以降に書かれた英文のテキスト類とは異なっています。

 

 基礎の部分で異なっていることは、

  1. 何かが替えられたか、
  2. 発展したか、
  3. 付け加えられたか

です。

 

 例えば、ハウスとサインが同等であり、双子のサインが3番目のサインであり、通信は3番目のサインの双子のサインと同等だとし、双子のサインにも通信の意味があり、そのルーラーの水星にも通信の意味があると、読んだり聞いたりした人も多いことでしょう。

 

 でも、古典的なテキスト類には、どこを調べてもそんなことは書いてありません。
 

 通信は、月が支配しているものであり、水星の支配しているメッセージを届ける役割は、メッセンジャーとしての役割だと書かれています。そして、3ハウスに登場するのは月です。同じ所は、3ハウスが通信のハウスということだけです。こんなに違います。

 

 そっくりそのまま届けるのが通信(手紙やメール)の役割であり、相手に分かるように伝えるのがメッセンジャーの役割のはずです。水星が通信では、届けられる内容が異なってしまうでしょう。

 

 これほどの相違を発展と言うには、あまりにも基礎が無さ過ぎます。

 

 英語で古典的な本の一冊でも読んでいただければ、直ぐに理解できます。下記の本をお勧めします。
 

 

 

Introductions To Traditional Astrology 

ベンジャミン・ダイクス著