林業関連の産業にスポットをあてた本。2011年3月発行の本なので、変わりゆく林業産業界の今が垣間見れる。メインは、木材自給率50%を達成するため、間伐材など国産材利用をめぐる、林業関連業界の取り組みを紹介。章別に取り上げられている業界を以下に示すと、


第5章:集成材、繊維板など(国産間伐材の利用)
第6章:建設、建築(大型コンサートホール、橋など)
第7章:発電、ボイラー
第8章:団地化などの物流、流通整備
第9章:林業高性能機械
第10章:森林環境教育(林業紹介イベントなど)
(第1章から第4章は、日本の林業の現状や未来への提言など)


本の構成としては、以上の業界の概略を10~15ページにまとめた後、具体的な会社名をあげて、その会社の取り組みを紹介。 竹中工務店や東京ガスなど約40社の企業の具体的取組が、2ページに渡って紹介されています。大手ばかりです。木質バイオマスプラスチックなど、これから芽が成長しそうな、新産業の説明が余り見受けられないのは残念です。こういう分野にこそ、本での宣伝という形で応援してほしいのですが。


この本は、「産・官・学・民」の交流で産業を活性化しましょう的な(社)日本プロジェクト産業協議会の「森林再生事業化研究会」の調査などの活動をまとめた本です。そのためか、一人の人間の主張のような統一感よりも、こういった動きがあります、こんなこともA社がされてます、というご紹介、カタログ的要素が強い本で、小説みたいに一気に読んで味あり面白いといった本じゃないです。逆に、広ーく浅ーい情報が満載なので、頭が情報量でパンパンになって、なんか頭にスムーズに入ってこないなあという印象もある。情報の取捨選択より、とにかく、いっぱい載せちゃえみたいなノリですね。

ただ、この本をヒントに、より深く、林業の業界を知ることはできると思います。
まず、どんな会社がどんな取り組みをしているか?、名称だけでもわかれば、自分で調べられますからね。名称分からないと、調査に時間がかかる。
産業としての林業に取り組みたい方は、目を通しておくことをおススメします。


日本は森林国家です-産業界からのアプローチ-/米田雅子
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