数陣タイセン | 本当のゲームレビュー

数陣タイセン


数陣タイセン


「攻撃は最大の防御なのか?」この永遠のテーマに終止符を打ちたい人は絶対に買うべきだ。ゲームのタイトルに「タイセン」という言葉があるだけあって、対戦がとてつもなく熱い。地味なのに熱い。見た目は地味なのだが、盤面上では常に戦争状態だ。このゲーム、数陣タイセンという名の戦争なんだよ。対戦が進み、重要な局面で攻めるか守るかを考えている時が最高にハラハラする。そのまま凄い役を作りに行くべきなのか、相手の凄い役を防ぎに行った方がいいのか、どっちを選べば勝てるのか、結論は出ない。攻めれば勝てるゲームでもなければ、守ると勝てるゲームでもない。奥が深すぎる。

どんなゲームか50文字以内で説明すると、相手を邪魔したり相手に邪魔されたりしながら、先にたくさん点数を稼いだ方の勝ちというゲームだ。十分シンプルだろう。まあ、実際にはそこまで簡単なルールではないのだが、やればすぐに覚えてしまうので問題なしと考えていい。「役(接合)を作る」と聞くと難しそうに思えるが、実は難しくない。4つの役を覚えるだけでいいからだ。4つだ。その4つの役を作っていれば、自然と点数が増えていく。詳しくはゲーム内で風水仙人がわかりやすく説明してくれるので、すぐに上達してしまうだろう。ちなみに風水仙人は占いもしてくれるのだが、その怪しい占いもこのゲームの見所の1つなんだよ。風水の技を極めたという風水仙人がスマブラでマリオやピカチュウと殴り合っている姿が見たくなってきたほどだ。

囲碁・将棋・オセロは「実力100%、運0%」で勝負が決まるが、数陣タイセンは「実力80%、運20%」だろう。対戦フィールドによってはもう少し変わってきそうだが、基本的にはそんなもんだ。つまり、囲碁・将棋のような実力と実力の戦いがしたい人にはそこまでオススメできない。いい役を考えていても、手札次第ではかなり不利な展開になる。「運も実力のうち」なんて声もありそうだが、こういうゲームで運が原因で負けたら負けた気がしないだろう。しかしある程度の実力者になれば、運がなくても自分なりのうまい戦い方でどうにでもなるから面白いもんだ。使い方次第では一気に形勢が逆転するアイテムの存在もたまらないな。勝ち方を覚えてしまうと病みつきになる。そういえば、始めた頃には「十字キーでの操作も可能にして欲しかった」と言っていたのだが、今では大して気になっていないな。

圧倒的に面白いWi-Fi対戦もあり、じわじわと長く遊べる数陣タイセン。Wi-Fi環境がある人で、囲碁・将棋のようなじっくりと考える対戦型パズルゲームが嫌いでなければ、まず買いだ。1人用も充実しているので、Wi-Fi環境がない人でも相当楽しめる。「囲碁・将棋のように対局に時間がかかりすぎるのは嫌だ」という人も心配不要だ。コンピュータの思考時間はほぼ0秒なんだよ。Wi-Fi対戦も1手の持ち時間が1分なので、なかなかスムーズに対局が進む。1分というのは丁度いい数字だろう。ニンテンドーDS発売から約2年半たった今、また1つ名作と呼べるゲームが現れた。

80点 / 100点