我の歩んだ道を振り返れば

転がる壊れた異形の物たち

名も無き花がそっと咲いて

静かに摘もうと右手を出せば

我先にと千切り取られる


再び歩みを進めて行けば

足元見えずに躓きしゃがむ

遠くに見えるは強い閃光

辿りつくよう足を運べ


今宵も雨が降ると云う

知ってはいるさ

傘も買えずに生きて来たから


  
       紅粉チコ