【観劇記録】あの世の気持ち | 手上のコイン Blog

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東京ハートブレーカーズ009
『あの世の気持ち』


4月28日(火)~5月3日(日)
中野ザ・ポケット



のらくら閑劇記-anoyo


脚本:竹田新
演出:大岩美智子
音楽:石川よしひろ


■Cast


浅野雅博 
森啓一郎 
首藤健祐 
石川よしひろ


■Story


とある居酒屋で働く三人の男
男達はそれぞれに問題を抱え他人に心を閉ざしていた
ある日の事
気づくとそこは異空間
天使と名乗る中年男が現れる
中年天使の話によると、ここはあの世とこの世の境目
元の世界に戻りたければ私の言う事を聞きなさい
無理難題を押し付けてくる中年天使
必死になる三人
「えーっと、これ、いつまで続くんですか?」
「信じるものは救われる」
………
「なんじゃそりゃ!」


<チラシより>


今回のハートブレーカーズは、いつものテイストからは少し逸脱している。
けれど、ハートブレーカーズ。という名前にはやっぱり沿った内容。


いつもの公演で、観終わった時に残るものは「哀愁」と呼ぶのがしっくりとくる作品が多かったが、今回は一歩踏み込んで、切ないというよりも痛い。悲しい。


とは言いつつも、ところどころに適度に笑いがあって、それがいいスパイスになりつつ、飽きさせない。
最近の公演の中では一番いい仕上がりだと思う。


今回は本当に、どの役者さん”が”いい、ではなくて、どの役者さん”も”いい。
パワーバランスがとれていて、ガッチリとスクラムが組めているので、一人一人の個性が作品を底上げする力になりこそすれ、邪魔にはならない。


浅野さんを観るのは二度目でした。以前に思ったその自然さ、力のさじ加減と間の絶妙さは健在。うーん。素敵だ。

石川さんはちょっと喉をやられているのは残念ながら、その飄々として人をくったキャラクターはやっぱりはまってます(笑)

森啓一郎さんは初見。嫌味な役柄を、ちゃんと嫌味に。それでもなんだか憎めないという最高のバランスで演じてます。こういう役って、よく、やりすぎてしまっているなーと思うことが多いんですよ。去年拝見した瓜生和成さんも好みな役者さんだったし。東京タンバリン気になるな~。

で、首藤さん。
もちろんいい。けれど、この役は物語のキーパーソンなので、多くは語るまい。
なんだか気になって観てしまう。そんな首藤さんの魅力たっぷりです。


ゴールデンウィークのせいか、客足がいつもに比べて少なめ?みんなどっか旅行に行っちゃったの?という感じでしたが。
いい芝居でした。迷っている方はぜひ。