「この世界に僕はふさわしくないんじゃないか?」 | ホメオパシーOMOION

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ホメオパス片桐航の日々の出来事やホメオパシートピック

自閉症や発達障害の子供達については、何度も書かしてもらってるんだけど、今日は大事なことを話したいと思って。


僕は何よりこの様な子供達を見るとき、病気だとか、発達をどうこうというよりも、この子供達の「挫折感」を何とかする事を考えるんだ。



皆は、或は親さえも、こういう子が何も分からずいると思ってしまうのであるが、僕の経験では彼らは実際多くの事を理解しているの。彼らにしてみれば、自分が自由に、そして良かれと思ってした行動の結果、皆が驚いたり、お母さんが悲しんでいるという事に日々出くわす。そういった意味で彼らは毎日が挫折の連続なんだ。


「この世界に僕はふさわしくないんじゃないか?」「ここは僕の居るべき世界じゃ無いのかな?」と言う感覚をどの子も少なからず持っているんだよ。


だから、彼らは自分の世界に閉じこもってニヤニヤ笑っていたりするんだ。現実世界は、ただただつらい場所なんだよ。それだったら、ママのお腹にいた時のような「楽園」に居た方が、ましだって事なんだ。

新しい事に挑戦する事で、発達が進む事を考えれば、このような心持ちと社会関係ではそれは無理と言うもんで、自ずと発達ができないでいる状態が、そのような子達なんだ。


彼らに必要なのは「屈辱感」「馬鹿にされている」「自信がない」「一人ぼっち」「がっかり」と言ったキーワードを持つレメディー達なんだ。こういったレメディー達に励まされて、挫折感を乗り越え、さらに社会関係を良くして急激に成長する子は本当に多いよ。


昨年驚いたケースがあった。これは僕がみている女性の子供さんのケースで、彼は成人しているが言葉も出ない程の重度の自閉症だった。お母さんは自分でホメオパシーを学んで彼に与えた。すると、彼はなんと!初めて言葉を発したんだ。でも、話した言葉は自分をののしる言葉だった。これは、彼の通う施設で職員に浴びせられていた言葉だったんだ。彼が話せない、分からないと思って酷い言葉を浴びせられていた。「馬鹿」だとか「のろま」だとか。彼は分かっていてずっと耐えていたんだ。


これは僕にとっても、脳の重要な進歩は生まれてから5歳、遅くても8歳くらいまでだと思っていた常識を軽く覆した。現代人は脳を過大評価しすぎる。発達が遅いと脳の問題が一番だとする。でも本当に必要なのは先ずは彼らの心を癒す事なんだ。