50年間、朝ドラを見てきた私が断言したい「『ひよっこ』はスゴい」
夢を追うだけが人生じゃない(現代ビジネス)
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2017年春ドラマが、いよいよ終盤~最終回を
迎えようとしていますが、
朝ドラ「ひよっこ」も、ゆっくりとではありますが
「中盤」に差し掛かってきたようで、
ゆえに、この記事のように、様々なところで
「評価」が語られる機会が増えているようで、
興味深く思いました。
【ひよっこ 感想など】
(記事より引用)
>…何となく連続テレビ小説を見はじめて50年
(自分で書いていてくらくらする)、録画するようになって30年
(だいたい全話録画している)、これまで見てきた連続テレビ小説と、
根本のところで違った作品だとおもう。
大雑把にいえば、これまでの連続テレビ小説は
〝積み上げていくドラマ〟であったのに、今回の『ひよっこ』は
〝失われたドラマ〟なのだ。
でも、哀しくはない。喪失の哀しみは描かれていない。
そこがすごい。後半にかけて回復のドラマとなるかとおもうが、
とにかくつねに喜びの物語になっている。
ひとことで言うなら、すばらしいドラマだ。
ひよっこが「すばらしいかどうか?」はともかく、
私も、この記事の感想のような「今までの作品とは何か違う」
は感じていましたが、
「そうか!夢とかなりたいものを目指して
いない=普通の人を描いているからなんだ!」
と納得(合点)がいきました。
ゆえに、「あさが来た!」のような「成功体験(史実)系」
や、「あまちゃん」のような「夢を目指して系」、そして、
「ドタバタ劇(動きがある)系」が好きな方にとっては、
「物足りない」という感想になりそうですし…
一方で、「現実味重視(リアリティ重視)で、主人公に
共感を持てるかどうか?が大事」と思っている方にとっては、
「これはこれでアリかも」と、今作の「ひよっこ」を
楽しめているのではないか と、私は常々、
「ひよっこ は好みが割れる作品ではないかな」
と感じていました。
>連続テレビ小説では、
元気な女性の半生が描かれることが多い。
主人公は最初、子供だったりする。1週目だけ子役が演じ、
6話(土曜)になって学生時代のヒロインが登場する、
というのがよくあるパターンだった。
ヒロインは迷いながらもやりたいことを見つけ、夢を抱き、
目標に向かってがんばる。成功者をモデルにしているときは、
少し失敗して、きちんと成功していく。
おしんは、見事に成り上がりました(1983年)。
元気に前向きな彼女たちを見てみんなで元気になろう、
というのが日本の了解事項だったようだ。
「記事の言うとおり、本当にそうだ」と私も思いました。
そして、私も「上記のような朝ドラのほうが見やすい」
と思えましたし、一方で、だからといって
「現実味の無い、ただ夢に向かって~というお話は嫌だ」
(特に「現代劇(純と愛など)」に多いですね)
とも思えて、大河ドラマなみに「丁寧に作ってほしい」
と思っています。
>「おしん」の時代は、たしかにそういう
ロールモデルでよかったのだろうが、
平成から21世紀に入ると、
みんながみんな同調できるものではなくなる。
それでも〝元気な女性の成長物語〟は捨てられない。
『ひよっこ』のひとつ前の『べっぴんさん』は
アパレルメーカーの創業女性社長の話だったし、
次の『わろてんか』は吉本興業創業の話である。
その次の作品も何だか似たような路線でいきそうな気配である
(『半分、青い』)。
この点も、私は「そうそう、そのとおり」と納得でした。
(・∀・)
大河ドラマのように「勉強にもなるから、女史の生涯を
ドラマ化(朝ドラに)してほしい」と願う一方で、
「そればっかりだと、もうお腹一杯だよ」
(女史ばかりだと、「頑張れ頑張ればかり」のメッセージ
みたいにも聞こえてきますね。)
というところもあって、バランスが難しいところだよねぇ
とも思いました。
>成功者の物語が続くなか、
『ひよっこ』はあきらかに異質である。特異点である。
静かに発火している。
物語は、夢など抱いていないふつうの女の子を描いている。
その描き方が、見ている私の不思議なところに届く。
底知れぬ共感を呼ぶ。
夢や希望を追うばかりが日本人の人生ではないだろう、
と静かに強く訴えているようにおもえる。
だからこそ、見ていてすごく元気になれる。すばらしい。
ふつうに生きろ。はい。生きます。
私は、この記事の感想ほどは「すばらしい」とは
感じなかったのですが、「新しいタイプの朝ドラかも?!」
とは思えました。
「父親の失踪」というのが、はたして、その時代には
よくあることだったのかどうか?が疑問ではありますが、
「一般的な、集団就職をした女性の物語」として、
当時を懐かしんだり、また、その当時を知らない世代の
視聴者には「へぇ、そうだったんだねぇ」と、
ドキュメンタリーのように見ることも出来てよいのでは?
とも思えました。
>物語は昭和39年(1964)の9月から始まり、
9週目で昭和40年暮である。急がずに進んでいる。
1960年代の日本がゆっくりと広がっていく。いまから見ると、
ちょうどこのあたりが現代日本の原風景に見える。
その風景が細かく、心地いい。
1960年代を再現した風景に心打たれる。
私も、この点は「ひよっこ の興味深いところ(特徴)」
だと思って、楽しんでいます。
朝ドラ暦がまだまだ浅い、私の知っている限りの見解
ですが… 意外と「この年代を時代背景にした朝ドラは、
やっていないのではないか?」と思えて、
ゆえに、私は「ひよっこは、貴重な 昭和40年代朝ドラ」
になり得るのではと、期待して見ています。
> 『ひよっこ』の主人公は、茨城県でも鄙深い田舎の高校生である。
(高校編は4月いっぱい。5月はトランジスタ工場編だった。
6月は次の展開になる)。
大きな夢を抱くわけでもなく、とびぬけて元気なわけでもない。
ただ、やさしい。
母と祖父、それに妹、弟とともに茨城で平穏に暮らしていた。
ドラマの始まりの時点で、みね子には何も不足していない。
…主人公みね子は、このままの茨城で生活するつもりだったのだ。
高校を卒業すると、地元にのこり、家の農業を手伝うつもりでいた。
しかし、父と連絡が取れなくなったことがきっかけで、
ひとり東京へ出て働くことにする。そうやってお話が始まる。
彼女は自分といまを受け入れている。底から強い。
あまり現実にはそんな子はいないとおもうけど、
でも、いてもおかしくない。
記事の言うとおり、今までの「朝ドラ」のつくりとは
「真逆なのでは?」というところが、
私も興味深いと思っていますし、
今のところ、お話も丁寧なつくりで「面白い」と
思って見続けています。
そして、主人公の「今を精一杯生きている。
周りの人も、事情がそれぞれあれども、
前向きに、誠実に生活を送っている・仕事をしている」
ところが、共感を持てるなぁと思いました。
(確かに、「夢を持っている登場人物」も出てくるのですが、
「まずは目の前のことを着実にこなしていこう」という
ストーリーになっているので、その登場人物たちも、
今ある仕事に、頑張って取り組んでいました)
>心ならずも
初期設定の幸せが少し欠けてしまった少女の物語では、
私たちは彼女の素直さとけなげさを見守ることになる。
彼女は疾走しない。強く上昇しようとしない。
自分探しなどしない。やることをしっかりやって、歩いている。
ときどき何かが失われるが、それでも歩みを止めない。
たしかに、人生はそういうものである。
成功するばかりが人生ではないし、
夢を抱えている人だけが日本人ではない。
このドラマを見てると、そういえば、
いつもの朝の連続テレビ小説の主人公のひたむきさには、
少しは共感するが、けっこうついていけない部分があったな、
とおもいいたる。
記事にあるようなドラマになりそう?だったのが、
確か「まれ」だったはず?!なのですが…
(主人公が、まさに「幸せが少し欠けてしまった少女」
であり、「夢なんか見ないで、地道にコツコツと生きる!」
で始まりましたよねぇ)
「まれ」と「ひよっこ」の違いが、まさにこの、
「疾走しない。強く上昇しようとしない。自分探しなどしない。
やることをしっかりやって、歩いている。
ときどき何かが失われるが、それでも歩みを止めない。」
↑部分であり…
「まれ」は、職人志望の彼に触発されて、
その後の人生を「夢に振り回された?!
~でも充実しているよ!」という内容 でしたが、
←この点が、ストーリーがハチャメチャ過ぎたのも
手伝って「全く共感できず」になりましたね…。
「ひよっこ」は、そうではなくて、
「大事な家族のために、
自分がしっかりと働かなくちゃいけない」
という使命感を持って、でも、大変でも辛くても
「前向きに、周りの人にも助けてもらって・
叱咤激励をもらいながら」頑張っている…
ゆえに、
物語の始めは「同じような境遇?」なのに、
「家族のため→自分中心」になるのか、
はたまた「家族が第一」になるのか?で、
だいぶちがったストーリーになっていくんだなぁ…
という点も、興味深く思いました。
・・・
これから、「ひよっこ」は、いよいよ
「すずふり亭(あかね荘)編」へ突入していきますが、
まだまだ、朝ドラによくある、
「主人公は、将来どうなる(なりたい)」や
「恋愛(まだ、憧れの君との長いやりとりがない)」
もなく、
そして「失踪した父親:実の情報がなさすぎる」
という、謎も解明が進んでいませんので、
ますます「目が離せないドラマだよねぇ」
と思っています…
「ひよっこ 感想など」でした。